アメリカ中華Crab Rangoon
クラブ・ラングーンレシピアメリカ中華の配合を徹底解説

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アメリカの中華テイクアウトで、春巻きと並ぶ定番の前菜がクラブ・ラングーン。ワンタンの皮でクリームチーズとかにを包んでカリッと揚げた、ひと口サイズのおつまみです。
ところがこの料理、中国料理でもなければ、名前にある「ラングーン(ミャンマーの旧首都ヤンゴンの旧称)」とも関係がありません。英語版ウィキペディアによれば、1955年にビバリーヒルズの、1956年にはサンフランシスコの「トレーダー・ヴィックス(Trader Vic's)」のメニューに登場したのが確認できる最初期の記録。創業者ヴィクター・バージェロンのもとで働いていた中国系アメリカ人のジョー・ヤングが考案した可能性が高いとされています。トレーダー・ヴィックスは南国ムードの「ティキ・バー」の元祖的存在で、異国情緒を演出するためにビルマの都市名が借りられたわけです。
決定的なのはクリームチーズ。1940〜50年代のアメリカ家庭料理の定番食材で、中国料理にもビルマ料理にも登場しない食材です。アトラス・オブスキュラによれば、その後アメリカの中華料理店が、1970年代半ば以降に出回ったかにかまと、砂糖を加えた甘めのクリームチーズを使う形にアレンジして全米に広めたといいます。つまり、ティキ・バー生まれの"アメリカ料理"を、中華料理店が自分たちの定番に取り込んだ一品なのです。
ここから先は、英語の複数レシピを比較して割り出した、アメリカ式の配合と手順を解説します。
アメリカ式の配合
材料(20個分・2〜3人分)
フィリング
- クリームチーズ室温に戻す120g
- かに風味かまぼこ細かくほぐす100g
- 青ねぎ(小口切り)1本(10g)
- にんにく(すりおろし)1片(5g)
- 生抽小さじ1/2(2.5ml)
- 砂糖小さじ1/2(2g)
- ごま油小さじ1/2(2ml)
- 白こしょう0.2g(小さじ1/16)
包む・揚げる
- ワンタンの皮(正方形)20枚
- 水(皮をとめる用)大さじ1(15ml)
- 揚げ油500ml
つけだれ
- スイートチリソース大さじ3(50g)
作り方
ボウルにクリームチーズを入れてゴムべらでなめらかに練り、かに風味かまぼこ・青ねぎ・にんにく・生抽・砂糖・ごま油・白こしょうを加えてよく混ぜる。
ワンタンの皮の中央にフィリングを小さじ山盛り1杯(約12g)ずつのせる。
皮の縁に指で水を薄く塗り、対角線で折って三角形にし、空気を抜きながら縁をしっかり押さえる。さらに左右の角を中央で合わせて貼りつけると、店でよく見る"ふくろ型"になる。
揚げ油を175℃に熱し、4〜5個ずつ入れて片面約1分30秒〜2分、合計3〜4分、きつね色になるまで揚げる。
網に上げて油を切り、スイートチリソースを添えて熱いうちに出す。
本場と日本の違い
- 中国にもミャンマーにもない"アメリカ生まれ":クリームチーズを使う時点で中国料理ではなく、名前の「ラングーン」もティキ・バーの異国趣味による命名。アメリカの中華料理店の前菜として定着した、正真正銘のアメリカ中華。
- 日本の揚げワンタン・チーズワンタンとの違い:日本の中華料理店の揚げワンタンは豚ひき肉の餡が基本で、居酒屋のチーズワンタンはプロセスチーズやとろけるチーズを包むことが多い。クラブ・ラングーンはクリームチーズにかに(かにかま)を合わせ、砂糖を少し加えるほんのり甘い味つけで、甘いソースにつけて食べる点が特徴。
- トレーダー・ヴィックス版と中華テイクアウト版:アトラス・オブスキュラによれば、トレーダー・ヴィックスの元祖レシピは本物のかにを使い、ステーキソースやチリソースで風味をつけていた。現在の中華テイクアウトで主流なのは、かにかまを使う甘めのフィリング。
参考ページ(写真)
The Kitchnのクラブ・ラングーンのレシピページに、包み方と揚げ上がりの写真が掲載されています。
(https://www.thekitchn.com/crab-rangoon-recipe-23625269)
代用可能な食材
- かに風味かまぼこ:かに缶(汁気をよく切る)100gで代用可。トレーダー・ヴィックスの元祖に近くなる
- スイートチリソース:甘酢あん(ケチャップ大さじ2・砂糖大さじ1・酢大さじ1・水大さじ2を煮立てて片栗粉小さじ1/2でとろみをつける)や、梅ジャムで代用可
- ワンタンの皮:餃子の皮でも作れるが、皮が厚いぶん揚げ時間を30秒ほど延ばす
保存・アレンジのコツ
- 包んだ状態で、揚げる前に冷凍保存が可能(2週間程度)。凍ったまま170℃で3〜4分揚げる
- 揚げ油を使わない場合は、表面に油を薄く塗り、エアフライヤー(190℃・3〜4分)やオーブントースターで焼いてもよい
- フィリングにウスターソース小さじ1/2を加えると、トレーダー・ヴィックス風の少しスパイシーな味わいに近づく
出典
- Wikipedia「Crab rangoon」
- Atlas Obscura「What the Heck Is Crab Rangoon Anyway?」
- The Kitchn「Crab Rangoon Recipe」
- Culinary Hill「Crab Rangoon」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。