アメリカ中華Beef and Broccoli

ビーフ・アンド・ブロッコリーレシピアメリカ中華の配合を徹底解説

白いご飯と、茶色いソースをからめた牛肉の薄切りとブロッコリーを盛った皿のイラスト
地域
アメリカ中華
分量
2人分
公開

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アメリカの中華テイクアウトで、オレンジチキンや左宗棠鶏と並ぶ定番が「ビーフ・アンド・ブロッコリー」です。薄切りの牛肉と緑鮮やかなブロッコリーを、オイスターソースと醤油の茶色いソースでまとめた、見た目も味もわかりやすい一皿です。

英語版ウィキペディアによれば、この料理は19世紀にアメリカへ渡った中国系移民が生み出したと考えられ、1920年代には中華料理店の定番に、1950年代にはどこでも食べられる料理になりました。原型とされるのは、広東料理の「芥蘭牛肉(芥蘭炒牛肉)」。芥蘭(カイラン)は茎を食べる中国の青菜で、アメリカではこれがブロッコリーに置き換わったのです。ブロッコリーは、アメリカではイタリア系移民によって広まった野菜でした。

アメリカのテストキッチン誌『Cook's Illustrated』の記事は、広東から移民とともにカイランの種も持ち込まれていたはずだという食物史家アン・メンデルソンの見方を紹介しています。アジアの野菜が手に入りにくくなるとブロッコリーが代わりに使われ、青菜が主役だった炒め物は、牛肉たっぷりの料理へと変わっていきました。ただし詳しい記録は少なく、いつ、どこで置き換わったのかははっきりしていません。

ここから先は、英語の複数レシピを比較して割り出した、アメリカ式の配合と手順を解説します。

アメリカ式の配合

材料(2人分)

牛肉と下味

  • 牛もも肉または牛バラ肉。焼き肉用のかたまりを繊維を断つように5mm厚さに切る250g
  • 重曹0.6g(小さじ1/8)
  • 水大さじ1と1/3(20ml)
  • 片栗粉小さじ1(3g)
  • サラダ油小さじ1(5ml)
  • オイスターソース小さじ1/2(3g)

合わせ調味料

  • 鶏がらスープ水100ml+鶏がらスープの素1g100ml
  • 生抽大さじ1(15ml)
  • 老抽小さじ1(5ml)
  • オイスターソース大さじ1(18g)
  • 砂糖小さじ1(4g)
  • ごま油小さじ1/2(2ml)
  • 白こしょう0.3g(小さじ1/8弱)

炒め用・その他

  • ブロッコリー(小房に分ける)200g
  • 水(ブロッコリーをゆでる用)1,000ml
  • サラダ油大さじ1と1/2(22ml)
  • にんにく(みじん切り)2片(6g)
  • しょうが(みじん切り)3g
  • 紹興酒大さじ1/2(7ml)
  • 水溶き片栗粉片栗粉小さじ2(6g)
    +水大さじ1(15ml)
  • 温かいご飯300g

作り方

  1. 牛肉に重曹と水20mlを加え、水分がなくなるまで1分ほどもみ込む。片栗粉・サラダ油小さじ1・オイスターソース小さじ1/2を加えてさらにもみ、30分置く。

  2. 合わせ調味料の材料をボウルに混ぜ、砂糖を溶かしておく。

  3. 鍋に水1,000mlを沸かし、ブロッコリーを45秒〜1分ゆでてざるに上げる。

  4. フライパン(または中華鍋)を強火で煙が出るまで熱し、サラダ油大さじ1(15ml)を入れて牛肉を広げる。1分触らずに焼き付け、裏返して1分焼いたら取り出す(中まで完全に火を通さなくてよい)。

  5. フライパンを中火に落とし、残りのサラダ油(7ml)でにんにく・しょうがを10秒炒める。紹興酒を鍋肌から回し入れ、2の合わせ調味料を加えて煮立てる。

  6. 水溶き片栗粉をよく混ぜ直して少しずつ加え、混ぜながら20秒煮立ててとろみをつける。

  7. 牛肉とブロッコリーを戻し入れ、30秒〜1分、ソースが全体にからむまで炒め合わせる。温かいご飯と一緒に盛って完成。

中国本土の原型との違い・アメリカならではの特徴

  • 芥蘭がブロッコリーに:原型とされる広東の芥蘭牛肉は、カイランの茎と葉のほろ苦さを味わう青菜の炒め物。アメリカ版は房の大きなブロッコリーを使い、ソースをたっぷり抱え込ませる。
  • 野菜が主役から牛肉が主役へ:『Cook's Illustrated』の記事によれば、もとは青菜中心だった炒め物が、アメリカでは牛肉の量が多い料理に変わり、にんじんやピーマン、玉ねぎを加える店も増えた。
  • 重曹で牛肉をやわらかく:テイクアウト店の厨房では、牛肉を重曹と片栗粉で下味してからさっと焼き、ブロッコリーは別にゆで、最後にソースと合わせる。家庭でもこの「別々に火を通して最後に合わせる」手順を守ると、店の味に近づく。
  • 日本の「牛肉とブロッコリーのオイスターソース炒め」との違い:日本の家庭の中華炒めは、ソースが少なく具にからめる程度のものが多い。アメリカ版はチキンスープで伸ばしたとろみのある茶色いソースが多めで、ご飯にかけて食べる前提の味つけになっている。

参考ページ(写真)

The Woks of Lifeのビーフ・アンド・ブロッコリーのレシピページに、手順写真と仕上がりの写真が掲載されています。

(https://thewoksoflife.com/beef-with-broccoli-all-purpose-stir-fry-sauce/)

代用可能な食材

  • 牛もも肉:アメリカではフランクステーキ(牛の腹部の赤身)がよく使われる。日本では焼き肉用の牛ももやハラミ、切り落としでも作れる(切り落としは下味後の置き時間を15分に短くする)
  • 紹興酒:日本酒で代用可
  • 老抽:なければ省き、生抽を小さじ1(5ml)増やす(色はやや薄くなる)
  • 重曹:なければ省いてもよい(その場合は水を大さじ1に減らし、片栗粉を小さじ2に増やす)

保存・アレンジのコツ

  • 作りたてが一番。残った場合は冷蔵で翌日までに食べきる。ブロッコリーの色が悪くなるので、作り置きするなら牛肉とソースだけを保存し、ブロッコリーは食べる直前にゆでて合わせる
  • ブロッコリーを芥蘭(カイラン)200gに替え、茎を斜め薄切りにして同じ手順で作ると、原型とされる広東の芥蘭牛肉に近づく
  • ブロッコリーの一部をにんじんの薄切り(50g)に替えると、アメリカのテイクアウト店風の彩りになる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。