家常菜・家庭の定番おかず毛氏红烧肉

毛氏紅焼肉(毛氏红烧肉)レシピ本場韶山の配合を徹底解説

白い皿に照りのある赤褐色の角切り豚バラを積み上げ、赤唐辛子を添えた毛氏紅焼肉のイラスト
地域
湘菜(湖南・韶山)
分量
2人分
公開

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。

真っ赤に照り輝く角煮のような一皿、それが毛氏紅焼肉である。名前を見れば誰もが連想する通り、毛沢東にゆかりのある料理だ。ただし面白いのは、この料理を毛沢東自身が考案したわけではないという点である。実際に生み出したのは料理人・程汝明とされ、毛沢東がこれを好んで食べ続けたことから、人々が敬意を込めて「毛氏」と呼ぶようになったというのが由来である。

さらに興味深いのが、酱油をいっさい使わないという特徴だ。一般的な紅焼肉は醤油の色とコクで仕上げるが、毛氏紅焼肉は違う。伝えられる逸話によれば、毛沢東は過去に、炎暑の時期に保存状態の悪い酱油に蛆が湧いていたのを目にした経験があり、それ以来、酱油を使った料理を避けるようになったという。そこで料理人たちは、砂糖を焦がして作る「糖色」と塩だけで、あの深い赤褐色と豊かなコクを再現する工夫を編み出した。

湖南省韶山にある毛沢東の故居のそばには「毛家飯店」があり、毛沢東の遠縁にあたる人物がこの店を通じてこの料理を広めたと伝わる。以来、多くの要人をもてなす席にも供されてきたとされ、今では韶山を訪れた観光客が必ず食べる名物料理になっている。

砂糖で色をつけ、唐辛子でぴりりとした辛みを効かせる——甘辛さと湖南らしい辣味が同居する、この料理ならではの味わいをぜひ再現してほしい。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分)

主材料

  • 豚バラ肉(皮つき)3〜4cm角に切る600g

糖色(砂糖の焦がし色)

  • グラニュー糖または氷砂糖60〜80g
  • 水大さじ2

香辛料

  • 生姜薄切り15g
  • 長ねぎぶつ切り1本
  • 八角1個
  • 桂皮1片
  • 香葉(ローリエ)2枚
  • 花椒小さじ1
  • 乾燥唐辛子種を除き、辛さの調整用4〜5本

調味

  • 塩小さじ1
  • 老酒または紹興酒大さじ2
  • 白酢または米酢小さじ1

作り方

  1. 豚肉の皮を焼く。豚バラ肉のかたまりを、皮目を下にして油をひかないフライパンでじっくり焼き、皮の表面に軽く焦げ目がつき小さな気泡ができるまで炙る。これにより臭みが取れ、皮の食感が良くなる。

  2. 下ゆで。焼いた肉を大きめの角切りにし、水から入れて沸騰後5分ほど下ゆでして血水とアクを取り除く。

  3. 糖色を作る。別の鍋にグラニュー糖60〜80gと水大さじ2を入れ、弱火で絶えずかき混ぜながら煮詰める。砂糖がなつめのような赤褐色(棗紅色)になったら、すぐに火を止める。焦がしすぎると苦味が出るので注意。

  4. 肉を炒める。糖色に下ゆでした豚肉を加え、表面が色づくまで中火で炒め合わせる。

  5. 煮込む。肉がかぶるくらいの熱湯を加え、生姜・長ねぎ・八角・桂皮・香葉・花椒・乾燥唐辛子を投入する。塩・老酒・白酢を加えて味を調え、沸騰したら弱火にして1〜2時間、途中で様子を見ながらコトコトと煮込む。

  6. 仕上げ。肉が箸で軽くほぐれるくらい柔らかくなったら、強火にしてタレを煮詰め、鍋を揺すりながら肉全体に照りが出るまで煮詰める。汁気がほとんどなくなるまで詰めるのが本場のスタイル。

  7. 器に盛り付け、好みで乾燥唐辛子を飾って完成。

本場と日本の違い

  • 酱油をいっさい使わない。 日本の角煮や中国式紅焼肉の多くは醤油ベースで色をつけるが、毛氏紅焼肉は糖色(焦がし砂糖)と塩だけで仕上げる。醤油を入れると本場の味からは外れてしまう。
  • 辛味が入るのが湖南流。 一般的な紅焼肉は甘辛い味付けが中心だが、毛氏紅焼肉には乾燥唐辛子や花椒が加わり、湖南料理らしいぴりっとした刺激がある。
  • 皮を素焼きしてから使う。 豚肉の皮目を焼いてから調理する工程は、臭み取りと食感づくりの両方を兼ねた重要な下ごしらえで、これを省くと皮のぷるんとした食感が出にくい。
  • 汁気を完全に飛ばす。 本場の仕上げは「収汁(タレを煮詰めて絡める)」を徹底し、皿に汁がほとんど残らない状態まで仕上げる。とろみのあるあんをかけるスタイルとは異なる。
  • 料理人の名を冠しながら「毛氏」と呼ばれる。 毛沢東本人が作ったわけではなく、彼が愛食したことから名付けられた点は、由来を知らないと誤解しやすいポイント。

参考ページ(写真)

下厨房の「毛氏红烧肉」レシピページでは、皮の下処理から糖色作り、煮込みまでの手順が写真つきで紹介されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/106137412/

代用可能な食材

  • 氷砂糖・グラニュー糖→三温糖やきび砂糖60〜80gで代用可(色がやや濃くなる)
  • 老酒(紹興酒)→黄酒大さじ2で代用可
  • 乾燥唐辛子→朝天椒3〜4本、または一味唐辛子小さじ1で代用可
  • 桂皮→シナモンスティック1片で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 一度にまとめて作り、冷蔵で3〜4日、冷凍なら2週間ほど保存できる。温め直すときは少量の水を足して弱火でゆっくり温めるとよい。
  • ゆで卵を煮込みの後半で加えると、味の染みた煮卵として楽しめる。
  • 辛さを抑えたい場合は乾燥唐辛子を減らし、代わりに黒糖を少量加えるとまろやかな甘みが際立つ。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。