北京天津料理・京津菜驴打滚
驢打滾(北京式きな粉もち)レシピ本場北京の配合を徹底解説

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「ロバが転げ回る」——北京の定番おやつ・驢打滾(リューダーグン)は、名前だけ聞くと何の料理か見当もつかない。正体は、蒸したもち生地で小豆あんを渦巻き状に巻き、きな粉をまぶして切り分けた素朴なもち菓子だ。
名前の由来は見た目にある。表面を覆う黄色い豆の粉が、野のロバが黄土の上で転げ回って土ぼこりにまみれた姿に見立てられた。清代の北京の小吃を詠んだ『燕都小食品雑詠』には「紅糖水の餡を巧みに仕立て、黄米を丸めて豆の中に埋める。なぜ皆これを驢打滾と呼ぶのか、名前がどうにも滑稽だ」という趣旨の詩が残り、黄米(もちきび)の粉を蒸して黒糖あんを包み、豆の粉の中で転がす作り方が記されている。
起源には諸説ある。満洲族の粘りのある食べものが八旗とともに北京に入ったという説、黍(きび)の産地・承徳から伝わったという説のほか、慈禧太后や香妃にまつわる命名の逸話もあるが、中国メディアの検証記事は、どれも裏付けとなる記録は見当たらないと指摘している。清代には宮廷の食べものにも数えられ、北京の中でも地域によって「豆麺糕」と呼ばれた。
京津(北京)の小吃の中でも、豌豆黄などと並ぶ甘味の代表格。黄・白・赤の三層がくっきり分かれた断面が、良い驢打滾の条件とされる。豆の粉の代わりに炒りごまをまぶして焼き揚げる「打麺倉」という親戚もある。
日本のきな粉もちと材料はほぼ同じなのに、本場の驢打滾は「生地を液状のまま蒸してから練る」「巻いて切る」という点がまったく違う。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の分量と手順を公開する。
本場の配合
材料(4人分・約16切れ)
生地
- もち粉(糯米粉)200g
- 砂糖15g
- 水200ml
- サラダ油(皿に塗る用)5ml
- サラダ油(練り込み用)10ml
あん・まぶし粉
- こしあん200g
- きな粉50g
作り方
きな粉50gをフライパンに入れ、弱火で5分ほど木べらで混ぜながら乾煎りする。色がひと段階濃くなり、香ばしい香りが立ったらバットに広げて冷ます。
ボウルにもち粉200gと砂糖15gを入れて混ぜ、水200mlを少しずつ加えながら泡立て器で混ぜる。ダマがなく、ヨーグルトくらいのとろみになればよい。
直径20〜22cmの耐熱皿にサラダ油5mlを薄く塗り、2の生地を流し入れる。蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で25分蒸す。白かった生地が全体に半透明になれば蒸し上がり。
皿ごと取り出し、手で触れられる温度まで冷ます。サラダ油10mlを加えてゴムべらで練り込み、ポリ手袋をつけた手で2〜3分、なめらかでコシが出るまでこねる。
まな板にラップを敷き、1のきな粉から大さじ2(約12g)を広げて生地をのせる。生地の上にもきな粉を薄く振り、ラップをかぶせて麺棒で約25×20cm、厚さ4mmの長方形にのばす。
上のラップをはがし、こしあん200gを奥側2cmを残して薄く均一に塗り広げる。
手前から空気が入らないようにきっちり巻き、巻き終わりを下にする。残りのきな粉を表面全体にまぶす。
水で濡らした包丁(またはたこ糸)で1.5cm幅に切り分け、渦巻きの断面を上にして盛る。
本場と日本の違い
- 生地は「ゆでる」のではなく「液状で蒸す」。 日本の白玉やもちは丸めてゆでたり、ついたりして作るが、驢打滾はとろとろの生地を皿に流して蒸し、それを練ってのばす。薄く均一にのばせるので、あんを巻き込んだときにきれいな渦巻きになる。
- きな粉に砂糖を混ぜない。 日本のきな粉もちは砂糖入りのきな粉をまぶすのが定番だが、本場のレシピでは炒った豆の粉をそのまま使うものが多く、甘みは生地とあんで付ける。豆の香ばしさが前に出るのが北京の味だ。
- 原型は黄米と黒糖あん。 『燕都小食品雑詠』に描かれたのは、黄米(もちきび)の生地に紅糖(黒糖)の水あんを包んだもの。今の北京では、もち米の粉と小豆あんで作るのが一般的になっている。
- 冷めても硬くなりにくい配合の工夫。 本場の家庭レシピでは、水の代わりに牛乳を使ったり、蒸したあとに油やバターを練り込んだりして、翌日まで柔らかさを保つ工夫が見られる。
参考ページ(写真)
愛料理の「「老北京」驢打滾 隔夜不硬」レシピページに、生地を蒸してから巻いて切るまでの手順写真が掲載されています。
(https://icook.tw/recipes/423739)
代用可能な食材
- もち粉:白玉粉でも作れる。粒が粗いので、先に分量の水の半量で溶かしてから残りの水を加えるとダマになりにくい
- 水:同量の牛乳に替えると、生地がより柔らかく、冷めても硬くなりにくい(本場の家庭レシピにも牛乳を使う例が多い)
- サラダ油(練り込み用):同量の無塩バターでも可
- こしあん:つぶあんでも作れるが、薄く塗りにくく断面の渦巻きがぼやけやすい
保存・アレンジのコツ
- 冷蔵庫に入れると生地が硬くなるので、ラップで包んで室温に置き、作った当日から翌日までに食べ切る
- 原型に近づけるなら、あんを黒糖あんに替える。こしあん200gに黒糖20gを加えて弱火で練り直すと、紅糖の水あんに近いコクが出る
- もちきび(黄米)が手に入れば、もちきび250gを水275mlに1時間浸けてから、ホームベーカリーのもちコースでついた生地で作ると、清代の記録に近い黄米版になる
出典
- 維基百科「驴打滚」
- 牛頓百科「驢打滾」
- 美食天下「驴打滚」レシピ(美食诱惑馋猫)
- 美食天下「驴打滚」レシピ(晓雪的生活厨房)
- 美食天下「黍米驴打滚儿」レシピ
- 愛料理「「老北京」驢打滾 隔夜不硬」レシピ
- 澎湃新聞「“驴打滚”,从《周礼》到北京名吃的千年演变」
- 北京旅游網「老北京小吃系列——驴打滚」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。