広東料理・粤菜焗豬扒飯
焗豬扒飯(香港式ポークチョップドリア)レシピ本場香港の配合を徹底解説

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醤油と生姜で下味をつけて焼いた豚ロース(豬扒)、トマトたっぷりの赤いソース、とろけるチーズ。その下に隠れているのは、白いご飯ではなく卵炒飯。香港の茶餐廳の「焗飯(オーブン焼きご飯)」のなかでも一番人気とされるのが、この焗豬扒飯だ。
香港出身の料理ブロガー、基絲汀(Christine Ho)さんは、焗豬扒飯を「茶餐廳の洋風焼きご飯のなかで最も人気のある一品」と紹介し、見た目・香り・味の三拍子がそろった懐かしの味だと振り返っている。
茶餐廳は、第二次世界大戦後の香港で、コーヒーやミルクティーにサンドイッチやバタートーストを添えて手頃な値段で出した「冰室(ビンサッ)」から発展した。中国語の百科事典系サイトや中国語版ウィキペディアによれば、1946年に中環で開業した店が最初に「茶餐廳」を名乗ったとされるが、1960年に茶餐廳の営業許可が設けられた際の最初の店を挙げる説もあり、諸説ある。同じくウィキペディアによれば、焗豬扒飯もイギリス統治時代の香港で生まれた料理で、1984年には大手ファストフード店で1皿8.5香港ドルで売られていた。香港01も茶餐廳の定番として紹介するこの「中国の下味をつけた洋食」は、東西ミックスの茶餐廳文化の象徴だ。
見た目は日本のドリアに似ているが、ホワイトソースではなくトマトソース、バターライスではなく卵炒飯、そして主役は醤油味の豚肉と、中身はまったく別物。ここから先は、香港メディアと中国語の複数レシピを比較して割り出した、香港の茶餐廳スタイルの配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
- 豚ロース肉(とんかつ用・1.5cm厚)2枚(240g)
- 卵2個(100g)
- 小麦粉(豚肉にまぶす用)大さじ1(9g)
- サラダ油(豚肉を焼く用)大さじ2(30ml)
- ピザ用チーズ60g
豚肉の下味
卵炒飯
- ご飯(温かいもの)300g
- サラダ油大さじ1(15ml)
- 塩3g(小さじ1/2)
野菜
- 玉ねぎ(1.5cm角に切る)1/2個(100g)
- マッシュルーム(4つ割り)5個(60g)
- ピーマン(1.5cm角に切る)1個(30g)
- トマト(1.5cm角に切る)2個(300g)
- サラダ油小さじ2(10ml)
- 塩1.5g(小さじ1/4)
トマトソース
- にんにく(みじん切り)小さじ1/2(3g)
- トマトペースト大さじ2(30g)
- 鶏スープ(無塩)180ml
- 小麦粉大さじ1(9g)
- 砂糖小さじ2(6g)
- 塩3g(小さじ1/2)
- サラダ油小さじ1(5ml)
作り方
豚肉は筋を数か所切り、肉たたき(または包丁の背)で両面をたたいて1cm厚に広げる。下味の材料をすべてもみ込み、30分おく。
卵2個を割りほぐす。豚肉を溶き卵に軽くくぐらせてから小麦粉を薄くまぶす(溶き卵の残りは炒飯に使う)。
フライパンにサラダ油30mlを中火で熱し、豚肉を片面3分ずつ、両面こんがりときつね色になるまで焼いて取り出す。粗熱が取れたら2cm幅に切る。
フライパンをさっと拭いてサラダ油10mlを熱し、玉ねぎを中火で1分炒め、マッシュルームを加えて2分、出てきた水分が飛ぶまで炒める。ピーマン・トマト・塩1.5gを加え、トマトが少し崩れるまで2分炒めて取り出す。
フライパンにサラダ油15mlを強火で熱し、残りの溶き卵を流し入れる。半熟になったらすぐにご飯を加えて2分炒め合わせ、塩3gで味を調える。4の野菜のうち2/3量を混ぜ込み、耐熱皿(2人分なら1皿、または1人1皿)に平らに敷き詰める。
フライパンにサラダ油5mlとにんにくを入れて弱火で香りを出し、トマトペーストを加えて30秒炒める。鶏スープ180mlを加えて煮立て、小麦粉を茶こしでふるい入れながら混ぜ、弱火で2分、とろみがつくまで煮る。砂糖6g・塩3gで味を調え、豚肉と残りの野菜を加えてからめる。
炒飯の上に6をソースごと広げてのせ、ピザ用チーズを散らす。220℃に予熱したオーブンで15分、チーズがこんがりきつね色になるまで焼く。
本場と日本の違い
- 日本のドリアとの違い:日本のドリアは、バターライスやケチャップライスにベシャメル(ホワイトソース)をかけて焼くのが一般的。焗豬扒飯は卵炒飯の上に、トマトを主体にした赤いソースと豚肉をのせて焼く。ソースも小麦粉でゆるくとろみをつけた程度で、ホワイトソースほど重くない。
- 豚肉は「醤油味のポークチョップ」:日本のとんかつやポークソテーは塩こしょうで下味をつけるが、香港の豬扒は生抽・紹興酒・生姜汁・ごま油で中国式の下味をつけ、パン粉ではなく卵と粉だけをまとわせて焼く。洋食の姿をしながら味の芯は広東料理、というのが茶餐廳らしいところ。
- トマトソースの作り方:比較したレシピには、トマトペーストと鶏スープでソースを作るものと、缶詰の濃縮トマトスープを使うものがあった。今回は前者を基本にし、缶詰スープを使う作り方は代用欄で紹介する。
- パイナップル:香港の焗豬扒飯には、トマト・玉ねぎ・ピーマンに加えてパイナップルを入れるレシピもある。香港01のレシピでは、パイナップルを豚肉の下味とトマトソースの両方に使っている。甘酸っぱさが加わり、より香港らしい味になる(アレンジ参照)。
- オーブンの温度:比較した香港のレシピは200〜220℃で10〜15分(香港01・am730)、基絲汀さんは220℃で15〜20分。家庭のオーブンでは220℃・15分を目安に、チーズの焼き色で判断する。
参考ページ(写真)
香港出身の料理ブロガー基絲汀さんのサイト「Christine's Recipes」の焗豬扒飯のページに、豚肉を焼く工程と、チーズがこんがり焼けた仕上がりの写真が掲載されています。
(https://www.christinesrecipes.com/2008/07/baked-pork-chops-with-rice.html)
代用可能な食材
- 豚ロース肉:骨付きの豚ロースを使ってもよい。その場合は、手順3の焼き時間を片面4分に延ばし、骨を付けたまま炒飯にのせる
- 紹興酒:日本酒で代用可
- トマトペースト+鶏スープ(無塩):缶詰の濃縮トマトスープ(1缶・約300g)で代用可。その場合は小麦粉と塩を省き、砂糖を小さじ1(3g)に減らす
- ピザ用チーズ:モッツァレラ、チェダーで代用可
- 鶏スープ(無塩):水180mlで代用可(うま味はやや軽くなる)
保存・アレンジのコツ
- 手順6まで作ったソース入りの豚肉は冷蔵で2日保存可能。食べる日に炒飯を作り、チーズをのせて焼くと手早くできる
- 手順4でパイナップル(缶詰でも可、1.5cm角)60gを加えると、甘酸っぱい香港らしい味になる
- 豚肉の代わりに鶏もも肉(2枚・500g、片面5分ずつ焼く)を使えば「焗雞扒飯」に、白身魚のフライを使えば「焗魚柳飯」風になる
- 卵炒飯の代わりに白いご飯を使うと、よりあっさりした仕上がりになる
出典
- Christine's Recipes(基絲汀)「焗豬扒飯【港式經典焗飯】」
- 牛頓百科(newton.com.tw)「焗豬扒飯」
- 牛頓百科(newton.com.tw)「茶餐廳」
- 中文維基百科「焗豬扒飯」
- 中文維基百科「茶餐廳」
- 香港01「焗豬扒飯食譜|做法簡易煮出快餐店經典味道、加1物惹味濃郁」
- am730「焗豬扒飯食譜|簡易版7個步驟 還原港式風味」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。