広東料理・粤菜加积鸭

加積鴨レシピ本場海南・瓊海の配合を徹底解説

木のまな板に並べた白切りの鴨肉と、刻んだ薬味のつけだれの小鉢を添えた加積鴨のイラスト
地域
海南(瓊海)
分量
4人分
公開

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文昌鶏、東山羊、和楽蟹と並んで「海南四大名菜」に数えられるのが、加積鴨(加积鸭)だ。産地は海南島東部・瓊海(けいかい)市の嘉積鎮。地名の表記ゆれから「加積鴨」とも「嘉積鴨」とも書かれる。

その正体は、マスコビーダック(番鴨、日本ではバリケンとも呼ばれる)。「番」は「番石榴(グアバ)」「番薯(さつまいも)」と同じく、外国から伝わったものを示す字だ。海南の報道によれば、清の光緒年間に嘉積鎮の華僑が南洋(マレーシア)から持ち帰って育て始めたのが始まりとされる。一方で「300年以上前に伝わった」とする紹介もあり、伝来の時期には諸説ある。

加積鴨を特別な存在にしたのは、独特の飼い方だ。子鴨のうちは小魚やエビ、ミミズを与えて放し飼いにし、2か月ほど経ったら、鴨が立ち上がれないほど低い竹かごに入れ、ご飯と米ぬかを練って棒状にした餌を人の手で食べさせて太らせる。こうして育った鴨は「胸が厚く、皮が薄く、骨が柔らかく、肉が柔らかく脂が少ない」「肥えているのにしつこくない」と評される。

地元での食べ方は白切(茹で鴨)が一番とされ、鴨そのものの味を楽しむために、茹で汁を注いだにんにく・生姜のたれに、酸っぱい柑橘「酸桔」を搾って食べる。ここから先は、中国語の複数の資料とレシピを比較して割り出した、白切加積鴨の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(4人分)

  • 鴨丸ごと・下処理済み。バリケンまたは合鴨1羽(約2000g)
  • 水4000ml
  • 塩(茹で湯用)30g(大さじ1と2/3)
  • 生姜(薄切り)25g
  • にんにく(つぶす)25g
  • 長ねぎ(ぶつ切り)1本(100g)

つけだれ

  • にんにく(すりおろし)15g
  • 生姜(すりおろし)10g
  • 鴨の茹で汁(熱いもの)60ml
  • 酸桔の搾り汁カラマンシーまたはすだち30ml
  • 塩1.5g(小さじ1/4)
  • 砂糖5g
  • 辣椒醤(チリソース)10g

作り方

  1. 鴨は腹の中まで流水でよく洗い、残った羽があれば抜き取る。首の付け根などの余分な脂も取り除く。

  2. 大きな鍋に水4000ml・塩30g・生姜25g・にんにく25g・長ねぎを入れて強火にかけ、湯温を約80℃(鍋底から細かい泡が上がり始める程度)にする。

  3. 鴨の首を持って湯に沈め、引き上げて腹の中の湯を出す動作を3回繰り返し、腹の中にも熱を入れる。その後、鴨を完全に湯に沈める。

  4. 湯がぐらぐら煮立たない微沸の状態を保ちながら、45分ほど浸し煮にする(途中で一度上下を返す)。もも肉の最も厚い部分に箸を刺し、赤い汁が出てこなければ引き上げる。

  5. 鴨を網にのせて常温で自然に冷ます(皮が縮みにくい)。茹で汁60mlはつけだれ用に取っておく。

  6. つけだれを作る:器ににんにく15g・生姜10gを入れ、熱い茹で汁60mlを注いで香りを立たせる。酸桔の搾り汁30ml・塩1.5g・砂糖5g・辣椒醤10gを加えて混ぜる。

  7. 鴨が冷めたら骨ごと食べやすい大きさにぶつ切りにして皿に並べ、つけだれを添える。

本場と日本の違い

  • 「鴨」の種類が違う:日本で一般的な合鴨やアヒルはマガモ系だが、加積鴨はマスコビーダック(番鴨)系で、胸肉が厚く脂が少ないのが特徴。日本でもバリケンの名で少量流通しているので、入手できれば本場の食感に近づく。
  • 茹で方は「浸し煮」:広東の白切鶏と同じく、沸騰させずに微沸の湯で火を入れる。強く煮立てると皮が破れ、肉が硬くなる。
  • たれの決め手は酸っぱい柑橘:海南では「酸桔」と呼ばれる小さな柑橘を搾る。すだちやカラマンシーで代用すると、爽やかな酸味で鴨の脂がすっきり食べられる。地元では、たれの代わりに山柚油(山柚の実から搾る油)に塩を合わせただけのものにつけて食べるスタイルもある。
  • 白切以外の食べ方:地元には白切のほか、板鴨(塩漬け干し鴨)や烤鴨(ロースト)もあるが、鴨そのものの味がわかる白切が最も好まれる。

参考ページ(写真)

百度経験の「海南名菜白斩加积鸭的做法」ページに、茹で上がった鴨の切り分け方とたれの作り方が写真付きで掲載されています。

(https://jingyan.baidu.com/article/597a064340af09312b5243b6.html)

代用可能な食材

  • 鴨1羽:丸鴨が手に入らない場合は、骨付きの合鴨もも肉4本(約1200g)で代用可。茹で湯は水2500ml・塩20gに減らし、浸し煮の時間を25分程度にする
  • 酸桔:カラマンシー、すだち、シークヮーサーで代用可。いずれもなければ米酢20ml+レモン汁10mlで代用可
  • 辣椒醤:市販のチリソースまたは豆板醤5gで代用可

保存・アレンジのコツ

  • 茹でた鴨は冷蔵で2日保存可能。食べる30分前に冷蔵庫から出して常温に戻すと、脂が固まらずおいしく食べられる
  • 残った茹で汁は鴨のうま味が溶け出したスープになる。冬瓜や青菜を入れて煮れば、もう一品の汁物になる
  • 鴨の茹で汁でご飯を炊けば、海南鶏飯ならぬ「鴨飯」風のアレンジも楽しめる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。