家常菜・家庭の定番おかず鸡蛋灌饼

鶏蛋灌餅レシピ本場中国家庭の配合を徹底解説

白い皿に2枚重ねた、焼き色のついた生地の間に卵が層になった鶏蛋灌餅のイラスト
地域
家常菜(河南発祥・全国区)
分量
2人分・直径約20cmを2枚
公開

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。

焼いている最中の生地が、フライパンの上で風船のようにぷくっと膨らむ。そこへ箸で穴を開け、溶き卵を「注ぎ込む」。中国の朝の屋台でおなじみの鶏蛋灌餅は、名前の通り「卵(鶏蛋)を注ぎ込んだ(灌)餅」だ。

中文版ウィキペディアや美食天下の解説によれば、鶏蛋灌餅は河南省に由来する伝統的な名点で、半分ほど焼いた餅の中に卵液を流し込み、さらに焼き上げて作るとされる。発祥地としては河南南部の信阳を挙げる紹介が多く、今では北京や上海をはじめ全国の街角で、朝食の定番として売られている。皮はパリッと香ばしく、中の卵はふんわり。そこに甜面醤などのたれを塗り、レタスやソーセージを挟んで丸めれば、片手で食べられる完全な朝ごはんになる。

本サイトでは以前、天津の「煎餅果子」を紹介した。どちらも卵入りの屋台クレープのように見えるが、作り方は根本から違う。煎餅果子は緑豆粉の生地をゆるい液状にして鉄板に薄く広げ、その上に卵を割り落とすのに対し、鶏蛋灌餅は熱湯でこねた小麦粉の生地に「油酥(ヨウスー)」という油のペーストを包み込み、焼いたときに内側を膨らませて袋を作る。つまり卵は生地の「上」ではなく「中」に入るのだ。

ここから先は、中国の複数のレシピサイトを比較して割り出した、家庭のフライパンで作れる本場の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(2人分・直径約20cmを2枚)

生地

  • 中力粉200g
  • 塩2g(小さじ1/3程度)
  • 熱湯(沸騰直後のもの)80ml
  • 水45ml

油酥(ヨウスー)

  • 中力粉20g
  • サラダ油20ml
  • 塩1g(小さじ1/6程度)
  • 五香粉0.5g

卵液

  • 卵2個
  • 万能ねぎ(小口切り)10g

たれ

具・焼き油

  • レタス2枚(40g)
  • 魚肉ソーセージ(中国の「火腿肠」の代わり)1本(70g)
  • サラダ油(焼き用)15ml

作り方

  1. ボウルに中力粉200gと塩2gを入れ、熱湯80mlを回し入れて箸で手早く混ぜる。粗熱が取れたら水45mlを加えてまとめ、耳たぶくらいの柔らかさになるまで5分こねる。ラップをかけて常温で30分休ませる。

  2. 小鉢に油酥の材料(中力粉20g・サラダ油20ml・塩1g・五香粉0.5g)を入れ、歯みがき粉くらいのなめらかなペーストになるまで混ぜる。

  3. たれの材料を小鍋に入れ、弱火で1分混ぜながら温めて、なめらかにのばしておく。

  4. 生地を2等分して丸め、麺棒で直径12cmにのばす。中央に油酥の半量をのせ、周りの生地を寄せて包み、口をしっかりつまんで閉じる。閉じ目を下にして5分休ませる。

  5. 手のひらで軽く押さえてから、麺棒で直径20cmにそっとのばす(強く押すと中の油酥がはみ出すので注意)。

  6. 卵2個を溶き、万能ねぎを混ぜて2等分しておく。

  7. フライパンを中弱火で熱してサラダ油5mlをなじませ、生地を1枚入れる。ふたをして30秒焼き、表面に小さな気泡が出てきたら裏返す。さらに30秒焼くと、生地の中に空気が入って大きく膨らんでくる。

  8. 膨らんだ部分の端を箸で突いて穴を開け、そこから卵液の半量を注ぎ込む。すぐに卵を入れた面を下にして返し、中弱火で1分、卵が固まるまで焼く。もう一度返して30秒焼き、両面をきつね色にする。

  9. 空いたところでソーセージを縦半分に切って30秒焼く。

  10. 焼き上がった餅にたれの半量を塗り、レタス1枚とソーセージをのせて巻く(または二つ折りにする)。2枚目も同様に焼く(焼き油は1枚につき5ml、残り5mlはソーセージ用)。

本場と日本の違い

  • 煎餅果子(既存記事)との違い:煎餅果子は緑豆粉などの液状の生地を薄く広げて卵を上に割り落とし、揚げた馃子(油条)や薄脆を巻く。鶏蛋灌餅は熱湯でこねた小麦粉の生地に油酥を包み、焼いて膨らませた内側に卵を流し込む。生地の作り方も卵の位置も異なる、まったく別の料理だ。
  • 生地の膨らみが命:中国のレシピでは「張張都鼓大泡(毎回大きく膨らむ)」ことが成功の目安とされる。熱湯で半分の粉をα化させた柔らかい生地と、層の間に仕込んだ油酥が膨らみを生む。
  • たれは店ごとに個性:屋台では甜面醤ベースに唐辛子みそやごまだれを重ねるのが一般的で、家庭レシピでは黄豆醤・ケチャップ・芝麻醤を混ぜる配合も人気。日本には同じ料理を出す店がほとんどなく、台湾屋台の「葱抓餅(ツォンジュアビン)」と混同されがちだが、卵を生地の中に閉じ込めるのが鶏蛋灌餅ならではの特徴だ。

参考ページ(写真)

下厨房の「張張都鼓大泡的鸡蛋灌饼」レシピに、生地が膨らむ様子と卵を注ぐ工程の写真が掲載されています。

(https://m.xiachufang.com/recipe/104115167/)

代用可能な食材

  • 中力粉:薄力粉と強力粉を半量ずつ混ぜたもので代用可
  • 甜面醤:味噌15g+砂糖5gで代用可
  • 芝麻醤:練りごまで代用可
  • 魚肉ソーセージ:ハム2枚やベーコン、ハッシュドポテトなど好みの具に替えてもよい(中国の屋台でも具のバリエーションは豊富)

保存・アレンジのコツ

  • 生地は丸めて油を薄く塗り、ラップで包んで冷蔵なら翌朝まで保存できる。使う前に常温で30分戻すとのばしやすい
  • 焼いた餅は1枚ずつラップで包んで冷凍可能。フライパンで両面を温め直してから具を巻く
  • たれに豆板醤5gを足すとピリ辛の屋台風に。卵液に刻んだ香菜を混ぜるのもおすすめ

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。