家常菜・家庭の定番おかず红烧肉
紅焼肉(ホンシャオロウ/醤油角煮)レシピ本場中国の配合を徹底解説

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つやつやとした照りをまとった豚バラの角煮、紅焼肉は中国全土の食卓に欠かせない家庭料理の王様だ。既に紹介した「東坡肉」が文人・蘇軾ゆかりの特別な一皿だとすれば、こちらはもっと日常的な、家庭で毎日のように作られてきた紅焼肉の系譜になる。その記録は驚くほど古く、5世紀の北魏まで遡るとされる。賈思勰の農書『斉民要術』には「肉作琥珀色乃止(肉が琥珀色になるまで煮る)」という記述があり、これが現存する最古の記録とされている。当時は大鍋で塊肉を繰り返し加熱し、何度も水を替えながら脂を抜く調理法だったという。
宋代(11世紀)には、あの蘇軾が黄州で「猪肉頌」という詩を著し、「小火慢炖(弱火でじっくり煮込む)」という核心技法を確立した。当時は豚肉が「価賎如泥土(土くれ同然の安さ)」だったとも記されている。明清時代になると、袁枚の『随園食単』に甘辛醤油味・醤油味・無調味の3種の紅焼肉の作り方が記録され、「全以火候為主(すべては火加減が決め手)」という原則が強調されている。
現代では地域ごとにさまざまなバリエーションが生まれており、中でも有名なのが湖南料理に分類される「毛氏紅焼肉」。毛沢東主席が好んで食べていたことにちなんで名付けられたが、実際の考案者は主席専属の料理人・程汝明とされる。標準的な紅焼肉と異なり、毛氏版は醤油を使わず砂糖と塩だけで色を出すのが特徴で、これは主席が「暑い時期に醤油が傷んで虫がわいた」という苦い経験から醤油を避けるようになったためだという逸話が伝わっている。
ここから先は、実際に中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる標準的な本場の配合と手順を公開する。
本場式の配合
材料(2人分)
作り方
鍋に豚バラ肉・生姜(下茹で用)・料理酒15ml・肉がかぶるくらいの水を入れ、沸騰させて5分下茹でする。肉を取り出して湯で洗い、水気を拭き取る。
別の鍋に食用油大さじ1と氷砂糖30gを入れ、弱めの中火でゆっくり溶かす。カラメル色になり小さな泡が立ってきたら、下茹でした肉を加えて手早く炒め、全体に糖色をまとわせる。
八角・桂皮・香葉を加えて香りを出し、生抽・老抽・黄酒を回し入れて肉全体に絡める。
長ねぎ・生姜(煮込み用)・にんにく・塩2.75g・水400mlを加え、強めの中火で15分煮込んだ後、弱火にして30〜40分ことこと煮込む。
途中で水分が減りすぎたら適宜差し水をする。最後は蓋を開けて中火にし、汁気を軽く煮詰めてとろみとつやを出したら完成。
本場と日本の違い
- 日本の「豚の角煮」は醤油とみりん・砂糖で甘辛く仕上げることが多いが、本場・中国では氷砂糖を焦がして作る「炒糖色」というカラメル技法で色とつやを出すのが決定的な違い。
- 本場では下茹でした肉を炒めてから煮込む工程を必ず踏むが、日本の角煮ではこの「炒める」工程を省略するレシピも多い。この一手間が本場らしい香ばしさとコクを生む。
- 湖南料理の「毛氏紅焼肉」のように、地域や家庭によって醤油を使わず砂糖と塩だけで仕上げるスタイルもあり、一つの料理でも地方色が豊かなのが紅焼肉の面白さ。
参考ページ(写真)
下厨房の「家常红烧肉炒糖色的高手」レシピページに、炒糖色の工程から煮込みの様子までの手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/104169736/
代用可能な食材
- 氷砂糖→上白糖で代用可(照りはやや控えめになる)
- 黄酒→日本酒で代用可
- 桂皮→シナモンスティックで代用可
保存・アレンジのコツ
- 一晩置くと味が染み込んでより美味しくなる。冷蔵で3〜4日、冷凍で3週間ほど保存可能。
- ゆで卵を一緒に煮込むと、味の染みた煮卵としても楽しめる。
- 辛さが欲しい場合は乾燥唐辛子を1〜2本加えると、湖南風の「毛氏紅焼肉」に近いアレンジになる。
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。