広東料理・粤菜海南粉

海南粉(腌粉)レシピ本場海南の配合を徹底解説

白い器の細い米粉に、細切りの肉、牛肉干、ピーナッツ、刻んだ漬物、パクチーを盛った海南粉のイラスト
地域
海南
分量
2人分
公開

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「海南」と聞いて日本人が思い浮かべるのは、たぶん海南鶏飯(ハイナンチキンライス)だろう。けれど海南島の人々にとって、朝の定番といえば海南粉だ。細い米粉(ビーフン)の上に、ゆで豚、牛肉の干し肉、揚げピーナッツ、ごま、酸菜、たけのこの漬物、香菜など十数種類もの具を盛り、とろりとした褐色の「卤汁(たれ)」をかけて混ぜて食べる。この汁なしの和え麺スタイルを、現地では「腌粉(イエンフェン=漬けるように和える米粉)」と呼ぶ。

海南粉は大きく2種類に分かれる。太い米粉に熱い酸菜入りの牛肉スープを注ぐ「粗粉」と、細い米粉にたれと具を和える「細粉」だ。狭い意味での海南粉は後者の腌粉を指すとされ、海口・定安・澄迈など島の北部で広く食べられている。

歴史も長い。現地の紹介記事によれば、明の末期に福建の閩南(びんなん)地方から澄迈に移り住んだ陳姓の人物が米粉作りを生業にしたのが始まりと伝えられ、400年以上の歴史を持つという。婚礼や誕生日、祭りの日に欠かせない「吉祥と長寿の象徴」とされ、海南の無形文化遺産にも登録されている。

食べ方にも一工夫ある。店では貝のスープ(海白湯)が一緒に出され、半分ほど食べたところでスープを注ぐと、和え麺が汁麺に変わる。「一碗で二度おいしい」海島の味。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭版の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(2人分)

  • 乾燥米粉(細いビーフン)120g
  • 豚もも肉(かたまり)100g
  • 豚肉をゆでる水500ml
  • 生姜(豚肉をゆでる用・薄切り)5g
  • 牛肉干(ビーフジャーキー・細切り)20g
  • 大豆もやし(さっとゆでる)60g
  • 酸菜(細切り)30g
  • 酸笋(細切り)20g
  • 揚げピーナッツ(粗く刻む)20g
  • 黒ごま(炒って粗くすりつぶす)5g
  • 香菜(ざく切り)5g
  • 小ねぎ(小口切り)5g
  • 揚げワンタンの皮(砕く)4枚(8g)
  • 辣椒醤(チリソース)10g

にんにく油

卤汁(たれ)

海白湯(添えるスープ)

  • あさり(砂抜きしたもの)200g
  • 水400ml
  • 生姜(薄切り)3g

作り方

  1. 豚もも肉を水500mlと生姜5gで中火20分ゆで、そのまま冷ましてから細切りにする。

  2. 乾燥米粉はぬるま湯に20分浸して戻し、熱湯で30秒ほどさっとゆでて冷水にとり、水気をしっかり切る。

  3. にんにく油を作る:小鍋に落花生油30mlとにんにく15gを入れて弱火にかけ、にんにくがきつね色になったら火を止め、油ごと器にとる。

  4. 卤汁を作る:小鍋に生抽20ml・老抽5ml・オイスターソース10g・砂糖10g・水150mlを入れて煮立て、水溶き片栗粉(片栗粉8g+水20ml)でとろみをつける。褐色でとろりとした状態になればよい。

  5. 海白湯を作る:鍋に水400ml・あさり200g・生姜3gを入れて中火にかけ、あさりの口が開いたら火を止める。

  6. 器に2の米粉を盛り、にんにく油を大さじ1ずつ回しかける。熱い卤汁を半量ずつかけ、豚肉・牛肉干・大豆もやし・酸菜・酸笋・ピーナッツ・黒ごま・揚げワンタンの皮・香菜・小ねぎを彩りよくのせる。辣椒醤を添える。

  7. 食べるときは全体をよく混ぜる。半分ほど食べたら、5の海白湯を注いで汁麺として楽しむ。

本場と日本の違い

  • 「和える米粉」という発想:日本でビーフンといえば焼きビーフンが定番だが、海南粉は炒めずに、ゆでた細い米粉にたれと具を和えて食べる。味の決め手は店ごとに配合が異なる卤汁で、「卤汁の出来が一碗の魂を決める」と言われるほど。
  • 具の多さ:牛肉干・豚肉・ピーナッツ・ごま・漬物・揚げ物のかけらなど、甘み・塩気・酸味・食感を一碗に重ねるのが海南粉の真骨頂。日本の麺料理のように具を2〜3種類に絞ることはしない。
  • 米粉そのもの:本場では米から作った生の細い米粉を使い、「柔らかく滑らか」な口当たりが身上。日本の乾燥ビーフンは戻すとやや硬めになるので、ゆですぎない程度にしっかり戻すのがコツ。
  • 海南鶏飯との違い:以前紹介した海南鶏飯(シンガポール料理)は海南島出身者が東南アジアで広めた料理だが、海南粉は島で日常的に食べられている「地元の朝ごはん」。

参考ページ(写真)

美食天下の「海南腌粉」レシピページに、豚肉のゆで方からにんにく油、具を盛り付けて和えるまでの工程写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-227428.html)

代用可能な食材

  • 乾燥米粉:生の細い米粉(冷凍品など)があればより本場に近い。ベトナムのブン(細い米麺)でも代用可
  • 牛肉干:市販のビーフジャーキーを細く裂いたもので代用可
  • 酸笋:メンマ20g+米酢5mlで代用可(発酵特有の香りは弱くなる)
  • 酸菜:高菜漬けやザーサイの細切りで代用可
  • 揚げワンタンの皮:本場では薄く揚げた生地のかけら(薄脆)をのせる。中国のレシピサイトでは、ポテトチップスを砕いてのせる家庭版も紹介されている
  • 落花生油:サラダ油で代用可(香ばしさは落ちる)

保存・アレンジのコツ

  • 卤汁とにんにく油はまとめて作り、冷蔵で3日ほど保存できる。温め直してから使う
  • 具はすべて常温で盛るので、前日に下ごしらえしておけば朝食に手早く作れる
  • 酸味を足したいときは、卤汁に米酢小さじ1(5ml)を加えると、酸菜・酸笋の酸味とよくなじむ

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。