広東料理・粤菜咖喱魚蛋
咖喱魚蛋(カレーフィッシュボール)レシピ本場香港の配合を徹底解説

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香港の街角で、竹串に刺した揚げ魚団子がカレーソースの中でぐつぐつ煮えている。香港の人が「子どもの頃の味」として懐かしむ屋台おやつのひとつ、咖喱魚蛋(カレーフィッシュボール)だ。
「魚蛋」は卵ではなく、魚のすり身を丸めた団子のこと。ミシュランガイド香港・マカオ版の特集によれば、魚蛋のルーツは潮州で、もとは白い魚団子をあっさりしたスープで食べるものだった。戦後の1950〜60年代、香港の街頭の小販(屋台の行商人)が、揚げた魚蛋に、イギリス統治時代にインドから伝わったカレーを組み合わせたのが咖喱魚蛋の始まりとされる。中国語の百科事典系サイトも同じ年代を挙げ、安さが売りの麺屋台がコストを抑えるために安価な潮州式の白い魚団子を使ったと説明している。香港01も、1950年代から売られてきた香港の定番の街頭小食として紹介している。
香港出身の料理ブロガー、基絲汀(Christine Ho)さんも、子どもの頃に好きだった街頭の小吃として、鶏蛋仔(エッグワッフル)や豆腐花と並べて咖喱魚蛋を挙げている。
日本の「カレー」は、とろみの強いルウをご飯にかける料理。香港の咖喱魚蛋は、カレー粉と中国の醤をベースにしたさらりとしたソースで魚団子を煮込み、ソースごと味わうおやつだ。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、香港の屋台の味に近づける配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2〜3人分)
- 揚げ魚蛋冷凍の揚げフィッシュボール300g
- 紅葱頭(エシャロット、みじん切り)1個(15g)
- にんにく(みじん切り)2片(6g)
- サラダ油大さじ1(15ml)
- 水200ml
カレーの調味料
水溶き片栗粉
- 片栗粉小さじ2(6g)
- 水大さじ1(15ml)
作り方
鍋に湯を沸かし、魚蛋を入れて1分ゆで、ざるに上げる(表面の油と冷凍臭が抜け、カレーがよくしみる)。
別の鍋にサラダ油を入れて弱火にかけ、紅葱頭とにんにくを1分、香りが立つまで炒める。
カレー粉とターメリックを加え、焦がさないように30秒炒めて香りを出す。柱候醤・オイスターソース・砂糖を加えてさらに30秒炒める。
水200mlを少しずつ加えてのばし、中火で煮立てる。
魚蛋を加え、ふたをせずに弱火で10分煮る。途中で数回混ぜ、魚蛋にカレーをしみ込ませる。
水溶き片栗粉を回し入れて軽くとろみをつける。竹串に4〜5個ずつ刺し、ソースをたっぷりかけて食べる。
本場と日本の違い
- ソースの質感:日本のカレーは小麦粉と油脂を固めたルウで強いとろみをつける。咖喱魚蛋のソースはカレー粉を炒めて水でのばし、片栗粉で軽くとろみをつける程度のさらりとした仕上がりで、魚蛋にしみ込ませて食べる。
- 中国の醤でコクを出す:香港の屋台の味を再現したレシピには、柱候醤やオイスターソース、叉焼醤など中国の醤を加えて甘みとうま味を足すものがある。カレーのスパイス感に、広東料理らしい甘じょっぱさが重なるのが香港の屋台の味。
- ご飯にかけない:日本のカレーはご飯と食べる主食だが、咖喱魚蛋は串に刺して単品で食べるおやつ。屋台では一串単位で買い、歩きながら食べるのが定番。
- 魚団子:咖喱魚蛋には、表面を油で揚げた「炸魚蛋」を使う。揚げた表面がカレーソースをよく吸い、煮込んでも崩れにくい。ミシュランガイドの特集によれば、香港では1977年に魚蛋工場が初めて製造許可を取得し、家内工業から機械による大量生産へと移っていったという。
参考ページ(写真)
愛料理(icook)の「港式咖哩魚蛋」レシピページに、カレーソースで魚蛋を煮込む工程と、仕上がりの写真が掲載されています。
(https://icook.tw/recipes/468432)
代用可能な食材
- 揚げ魚蛋:アジア食材店の冷凍フィッシュボール(揚げタイプ)を使う。手に入らない場合は、丸いさつま揚げ(ボール状のもの)や魚肉団子で代用可(甘みが強い場合は砂糖を小さじ1に減らす)
- 紅葱頭:玉ねぎ(みじん切り)20gで代用可
- 柱候醤:八丁味噌5g+甜面醤5gで代用可
- カレー粉:香港のレシピには咖喱醤(カレーペースト)を使うものもある。手に入る場合はカレー粉のうち大さじ1/2をカレーペースト小さじ2(10g)に置き換えるとコクが増す。辛さが欲しい場合は一味唐辛子0.5gを加える
保存・アレンジのコツ
- ソースごと冷蔵で2日保存可能。ひと晩おくと魚蛋にカレーがさらにしみ込む。温め直すときは水大さじ2を足す
- 香港01のレシピのように、手順5で魚蛋を加えてひと煮立ちさせたら火を止め、ふたをして1時間おいて味を含ませる方法もある。食べる直前に温め直し、水溶き片栗粉でとろみをつける
- 大根(400g、大きめの乱切りを下ゆでしたもの)を手順5で一緒に煮込むと、香港出身の基絲汀さんのレシピにもある「咖喱蘿蔔魚蛋」になる
- 下ゆでした豚皮やイカげそを加えると、屋台の「ごちゃ混ぜ」風になる
- 残ったカレーソースはゆでた中華麺にからめると、茶餐廳風の咖喱麺になる
出典
- 牛頓百科(newton.com.tw)「咖喱魚蛋」
- Christine's Recipes(基絲汀)「請問讀者:你兒時喜歡甚麼街頭小吃?」
- Christine's Recipes(基絲汀)「咖喱蘿蔔魚蛋」レシピ
- 愛料理(icook)「港式咖哩魚蛋 by Mrs P's Kitchen」レシピ
- ミシュランガイド香港・マカオ「香港魚蛋的前世今生:從街頭小吃到城市經典」
- 香港01「咖喱魚蛋食譜|簡易做法15分鐘完成、自調咖喱醬香辣惹味」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。