広東料理・粤菜凤爪
鳳爪レシピ本場広東の配合を徹底解説

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飲茶の点心メニューを開くと必ずと言っていいほど登場する「鳳爪(フォンジャオ)」。その正体は鶏の足=鶏爪(チーガオ)です。広東の食文化では、鶏の足をそのまま「鶏爪」と呼ばず、鶏を美しく上品に言い換える「鳳(鳳凰)」の字をあてて「鳳爪」と呼ぶのが定着しています。鳳凰は中国文化で高貴さや吉祥の象徴とされる伝説の鳥で、庶民的な食材である鶏の足を、飲茶の席にふさわしい優雅な名前で呼び直したというわけです。
広東の茶楼では「先炸後炆(まず油で揚げ、その後じっくり火を通す)」という独特の調理法で、艶やかな紅色をまとった鳳爪が定番として供されてきました。揚げてから水にさらすことで皮の表面に細かいシワが寄り、これが「虎の皮のような見た目」ということで「虎皮鳳爪」とも呼ばれます。この工程を経ることで、皮はぷるぷると柔らかく、コラーゲンをたっぷり含んだとろけるような食感に仕上がります。
白雲鳳爪(甘酢仕立て)、落花生と煮込むタイプ、塩焗(塩蒸し)風味、沙薑(ショウガ科のスパイス)を効かせたものなど、地域や店によって多彩なバリエーションが存在しますが、飲茶の定番として最も広く親しまれているのが、今回取り上げる「豉汁蒸鳳爪(豆豉風味の蒸し鳳爪)」です。骨がなく見た目に抵抗があるという人も多い食材ですが、香港・広東では根強い人気を誇る一品です。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順、そして日本版との違いを解説します。
本場式の配合
材料(2人分)
作り方
鶏の足は爪先を切り落として洗い、しょうが・料理酒とともに水から入れて火にかけ、沸騰後は中火で3分茹でてざるに上げ、水気をしっかり拭き取る。
白酢とはちみつを混ぜたものを鶏の足の表面に薄く塗り、風通しの良い場所で15分置いて表面を乾かす。
揚げ油を180℃に熱し、鶏の足を入れて油はねに注意しながら5〜6分、皮が色づき小さな気泡状の膨らみが出るまで揚げる。
揚げた鶏の足はすぐに氷水に取り、4〜5時間(または冷蔵庫で一晩)浸して皮にシワを寄せる。
水気を切って半分に切り分け、片栗粉を薄くまぶす。
にんにく・豆豉・赤唐辛子・生抽・老抽・オイスターソース・砂糖・ごま油を混ぜたたれと鶏の足を和え、30分漬け込む。
蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で30分、皮がとろりと柔らかくなるまで蒸して完成。
本場と日本の違い
- 食材そのものの認知度:本場では飲茶の定番食材として広く親しまれていますが、日本の一般的な中華料理店のメニューにはほとんど登場せず、専門店以外ではまだ馴染みが薄い食材です。
- 下ごしらえの手間:本場は「茹でる→揚げる→氷水に浸す→蒸す」という4段階の工程を経て、独特のぷるぷるとした皮の食感を作り出しますが、日本で紹介されるレシピは揚げる工程を省略し、茹でて味付けするだけの簡易版になっていることが多くなっています。
- 味付けの構成:本場は豆豉の発酵香とにんにくを効かせた濃厚な味わいが基本ですが、日本ではポン酢や甘酢だれなど、よりさっぱりとした味付けにアレンジされる傾向があります。
- 骨の扱い:本場は骨つきのまま蒸し上げ、飲茶の席で骨をしゃぶりながら食べるのが一般的ですが、日本の一部のアレンジレシピでは食べやすさを優先して骨を抜いた「鶏皮」料理として代用されることもあります。
参考ページ(写真)
下厨房の「粤式経典-豉汁蒸凤爪(虎皮凤爪)」レシピページに、揚げてから氷水に浸す工程や蒸し上がりの写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/106091874/
代用可能な食材
- 鶏の足:入手できない場合は手羽先(骨つき)で代用可能(皮のぷるぷる感はやや劣るが豆豉だれの風味は再現できる)
- 豆豉:刻んだ納豆(味付けなし、軽く洗ったもの)で近い風味が出せる
- 老抽:手に入らない場合は生抽の量を倍にして色付けを控えめにしても良い
保存・アレンジのコツ
- 揚げて氷水に浸すところまでを前日に済ませておくと、当日は味付けして蒸すだけで手早く作れる
- 多めに作って冷凍しておき、食べる分だけ蒸し直すと飲茶気分を手軽に楽しめる
- 仕上げに花椒油を数滴垂らすと、より本格的な香り高い一皿になる
出典
- 粵語版ウィキペディア「鳳爪」(由来・歴史(「鳳」の字を用いる広東文化的背景、「先炸後炆」の調理法、多様なバリエーション))
- 下厨房「粤式経典-豉汁蒸凤爪(虎皮凤爪)」レシピページ(参考ページ(写真))
- 美食天下「豉汁凤爪」レシピページ(レシピ(揚げてから氷水に浸す工程、豆豉だれの配合のクロスチェック))
- 新浪網「虎皮凤爪做法步骤」(レシピ(白酢・はちみつでの下処理、揚げ→蒸しの二段階調理のクロスチェック))
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。