山西料理・晋菜大同铜火锅

大同銅火鍋レシピ本場大同の配合を徹底解説

煙突付きの銅鍋に白菜、厚揚げ、春雨、巻いた薄切り肉、肉団子を並べた大同銅火鍋のイラスト
地域
晋菜(山西)
分量
3〜4人分
公開

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中華の「銅鍋の火鍋」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは北京の涮羊肉でしょう。ですが、かつて北魏の都・平城として栄えた山西省大同には、それとはまったく別系統の郷土鍋が伝わっています。それが「大同銅火鍋」です。

大同は北魏の時代から銅器づくりで名高い土地でした。唐宋以降、大同の銅器は中国全土で売られるようになり、明清時代には鋳造・彫金の技がすでに大きく発展していたと伝えられています。中でも「什锦銅火鍋」は、明代に大同へ置かれた王府(代王府)で賓客をもてなす官府料理として生まれたとされ、時代が下るとともに庶民の食卓にも広まっていきました。今でも大同の一部の地域には「旧正月2日目に婿を迎える日は、一家そろって銅火鍋を一頓食べねばならない」という風習が残っているといいます。もっとも印象的な逸話としては、1973年に周恩来総理が、彫金を施した銅火鍋をフランスのポンピドゥー大統領への国賓の贈り物として用いたことも記録されています。

北京の涮羊肉が「薄切り肉を自分でしゃぶしゃぶする」スタイルであるのに対し、大同銅火鍋は炭火を仕込んだ銅鍋に、下ごしらえ済みの肉・揚げ物・野菜をあらかじめ層状に詰め込み、スープを注いでじっくり煮込む「でき上がった鍋料理」である点が大きく異なります。地域によっては鍋底に酸菜(発酵させた漬け白菜)を敷き込む家庭もあり、酸味と炭火の香りが溶け合った、北方らしい滋味深い一鍋に仕上がります。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合と手順を公開します。

本場のレシピ

材料(3〜4人分)

  • 酸菜(市販の塩漬け発酵白菜)細切り200g
  • 豚バラ肉塊250g
  • 豚ひき肉(肉団子用)150g
  • 塩(肉団子の下味用)1g
  • 生姜汁(肉団子用)5ml
  • 片栗粉(肉団子用)8g
  • 卵肉団子用1/2個分
  • 老抽(肉団子の下味用)5ml
  • 厚揚げまたは揚げ豆腐150g
  • じゃがいも乱切り200g
  • 白菜ざく切り200g
  • 黒きくらげ(乾燥)8g
  • 春雨(乾燥)40g
  • 長ねぎぶつ切り80g
  • 生姜(スープ用、薄切り)15g
  • にんにくみじん切り10g
  • 水(スープ用)800ml
  • 生抽15ml
  • 老抽(スープ用)10ml
  • 黄酒または日本酒15ml
  • 十三香3g
  • 塩8g(小さじ1と1/2)
  • 白こしょう1g

作り方

  1. 豚バラ肉塊は長ねぎ・生姜(分量外)とともに水から下茹でし、アクを取りながら20分ほどゆでる。粗熱が取れたら5mm厚さに切る。

  2. 豚ひき肉に塩1g・生姜汁5ml・片栗粉8g・卵1/2個分・老抽5mlを加えてよく練り混ぜ、直径3cmほどに丸めて170℃の油で揚げる。

  3. じゃがいもは乱切りにし、150℃程度の低温の油でじっくり揚げ、表面に薄く焼き色をつける。厚揚げは熱湯をかけて油抜きし、食べやすい大きさに切る。

  4. 黒きくらげと春雨はそれぞれ水で戻す。

  5. 鍋(本場は炭火用の銅鍋を使うが、家庭では土鍋や卓上IH鍋で代用可)の底に酸菜を敷き詰め、その上に白菜・戻した黒きくらげ・春雨を広げ入れる。

  6. 下茹でした豚バラ肉、肉団子、揚げたじゃがいも、厚揚げを彩りよく並べ入れる。

  7. 鍋に水800mlを沸かし、長ねぎ・生姜・にんにく・生抽15ml・老抽10ml・黄酒15ml・十三香3g・塩8g・白こしょう1gを加えてひと煮立ちさせ、5〜6の鍋に静かに注ぐ。

  8. 鍋にかぶせぶたをして火にかける(本場は鍋中央の煙突状の火筒に炭を入れ、うちわで扇いで火力を保つ。家庭ではコンロや卓上鍋でよい)。沸騰したら弱火にして20〜30分煮込む。

  9. 具材に味が染みたら、卓上で温かいうちに取り分けて食べる。

本場と日本の違い

  • 「銅鍋火鍋」のイメージの違い:日本で中華の銅鍋というと北京式の涮羊肉(しゃぶしゃぶ)を思い浮かべる人が多いですが、大同銅火鍋は具材をあらかじめ鍋に詰め込んで煮込む「でき上がった鍋料理」で、自分で肉をしゃぶしゃぶするスタイルではありません。
  • 加熱方法:本場では鍋の中央に立つ火筒(筒状のパーツ)に炭を入れ、うちわで風を送りながら加熱を続けます。テーブルの上で炭火を扱う独特の食卓風景は、卓上コンロが主流の日本の鍋文化にはあまりない光景です。
  • 由来の格式:日本の「寄せ鍋」が庶民料理として発展してきたのに対し、大同銅火鍋(什锦銅火鍋)はもともと明代の王府でもてなしに使われた官府料理がルーツとされ、旧正月に婿を迎える儀礼食としての側面も残っています。

参考ページ(写真)

下厨房の「山西什锦铜火锅」レシピページに、鍋に具材を並べる手順の写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/100564894/

代用可能な食材

  • 銅鍋(炭火式):入手困難な場合は土鍋や卓上IH鍋で代用可(炭火特有の香りは出ないが、味わいは十分再現できる)
  • 酸菜:入手困難な場合は市販のザワークラウトや白菜の浅漬けで代用可(風味はやや異なる)
  • 黒きくらげ:省略可
  • 黄酒:紹興酒の指定ではないため、日本酒で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 残った汁と具材は冷蔵で2〜3日保存可能。翌日はうどんや春雨を加えて煮込み直すと、味が染みてより美味しくなる
  • 具材は白菜・きのこ類・豆腐など、その時に手に入るものへ自由に置き換えてよい(本場でも家庭ごとに構成は異なる)

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。