台湾料理鹽水雞

塩水鶏(台湾式)レシピ本場台湾の配合を徹底解説

皿に並べたゆで鶏の切り身に、ブロッコリーとヤングコーンを添えた塩水鶏のイラスト
地域
台湾料理・台菜
分量
2〜3人分
公開

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台湾の夜市で、ガラスケースの中に鶏肉・ブロッコリー・ヤングコーン・きゅうり・米血糕(もち米の蒸し固め)などがずらりと並ぶ屋台がある。好きな具を選んで渡すと、店主が大きなボウルに入れ、刻んだねぎとにんにく、こしょう、ごま油を加えて、ふたをしてガシャガシャと振り混ぜてくれる。これが台湾の「鹽水雞(鹹水雞)」。言うなれば台湾式のチキンサラダで、冷たい鶏と野菜の和え物だ。

まず断っておきたいのは、本サイトで以前紹介した南京の「塩水鴨」とは名前が似ているだけの別物だということ。塩水鴨は鴨を花椒塩で漬けてから香辛料入りのゆで汁で静かに煮上げ、薄切りにして味わう南京伝統の冷菜。一方の台湾の鹽水雞は、鶏を塩水でゆでて氷水で締め、皮をキュッと縮ませたパリッとした歯ごたえを楽しみ、野菜と一緒に和えて食べる屋台料理だ。

生まれた経緯も台湾らしい。関鍵評論網に掲載された『巷弄裡的台灣味』の抜粋によれば、1960年代以降に養鶏業が拡大し、卵の値崩れで大量の廃鶏(老母鶏)が安く出回ったことが、鹽水雞を手頃な小吃にした背景にあるという。硬めの老鶏を塩水でゆでて冷やすと、かえって締まった食感になる。調理法の源流は広東の鹽焗雞にあるという見方もあり、由来には諸説ある。台南の地名「鹽水」とは関係がないことも同記事は指摘している。

ここから先は、台湾の複数のレシピを比較して割り出した、夜市の味を家庭で再現する配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(2〜3人分)

鶏と下味

  • 鶏もも肉(骨なし・皮付き)2枚(500g)
  • 塩(下味用)3g(小さじ1/2程度)
  • 五香粉1g
  • 花椒粉0.5g
  • 白こしょう1g
  • 米酒15ml

ゆで汁

  • 水2,000ml
  • 塩(ゆで汁用)10g
  • 長ねぎ(青い部分)1本分(30g)
  • 生姜(薄切り)10g
  • 米酒15ml

野菜

  • キャベツ(ざく切り)150g
  • ブロッコリー(小房)100g
  • ヤングコーン6本(60g)
  • きゅうり(乱切り)1本(100g)

冷却用

  • 氷水氷500g+水1,000ml1,500ml

和えだれ

  • 塩(和え用)2.5g(小さじ1/2弱)
  • 砂糖2g
  • 白こしょう1g
  • 長ねぎ(みじん切り)20g
  • にんにく(みじん切り)10g
  • ごま油15ml
  • ゆで汁30ml

作り方

  1. 鶏もも肉の水気をふき、下味の塩・五香粉・花椒粉・白こしょうを全体にすり込み、米酒をまぶす。ポリ袋に入れて冷蔵庫で一晩(最低2時間)おく。

  2. 調理の30分前に鶏肉を冷蔵庫から出して常温に戻す。

  3. 大きめの鍋に水2,000mlと塩10gを入れて沸騰させ、キャベツ・ブロッコリー・ヤングコーンの順にそれぞれ30秒〜1分ゆでて、すぐに氷水に取る。冷えたらざるに上げ、水気をしっかり切る。

  4. 同じ鍋に長ねぎの青い部分・生姜・米酒15mlを加え、再び沸騰させる。鶏肉を皮を下にして入れ、再沸騰したら火を止める。ふたをして15分おき、余熱で火を通す。

  5. 鶏肉を取り出し、すぐに氷水(野菜を冷やした氷水に氷を足してよい)に入れて10分冷やし、皮を引き締める。ゆで汁は30ml取っておく。

  6. 鶏肉の水気をふき、1.5cm幅に切る。

  7. 大きめのボウル(ふた付きの容器なら理想)に鶏肉・ゆで野菜・きゅうりを入れ、和えだれの塩・砂糖・白こしょう・長ねぎ・にんにく・ゆで汁30mlを加える。最後にごま油15mlを回しかける。

  8. ふたをして上下に20回ほどしっかり振り混ぜ、全体に味をなじませる。冷蔵庫で15分冷やしてから器に盛る。

本場と日本の違い

  • 南京の塩水鴨(既存記事)とは別物:塩水鴨は鴨を塩漬けにしてから香辛料入りの滷水で煮上げ、1羽を切り分けて味わう南京の冷菜。台湾の鹽水雞は、鶏を塩水でゆでて氷水で締め、野菜と一緒にねぎ油・こしょう・にんにくで和える屋台スタイル。名前の「塩水」が共通するだけで、素材も調理法も食べ方も異なる。
  • 日本のよだれ鶏・棒棒鶏との違い:日本の中華で出てくるゆで鶏の冷菜は、ごまだれやラー油のたれを上からかけるものが多い。鹽水雞はたれをかけるのではなく、少量の調味料と具を振り混ぜて全体を薄くまとわせる。味の主役は鶏の塩気と、こしょう・にんにく・ごま油の香りだ。
  • 「具を選ぶ」楽しさ:夜市では鶏の部位(もも・むね・手羽・砂肝)に加え、米血糕、甜不辣(台湾式さつま揚げ)、百頁豆腐、苦瓜、きくらげなど、たくさんの具から好きなものを選ぶのが一般的。

参考ページ(写真)

愛料理の「夜市鹽水雞 by 蘿拉廚房」レシピに、鶏をゆでて氷水で締める工程と仕上がりの写真が掲載されています。

(https://icook.tw/recipes/363651)

代用可能な食材

  • 米酒:日本酒で代用可
  • 花椒粉:粉山椒0.3gで代用可(香りはやや弱くなる)
  • ヤングコーン:水煮のヤングコーンでもよい(その場合はゆでずに水気を切って使う)
  • 鶏もも肉:むね肉でもよい(その場合は余熱の時間を12分にしてしっとり仕上げる)

保存・アレンジのコツ

  • 和える前の鶏肉とゆで野菜は、別々に密閉容器に入れて冷蔵で2日保存可能。食べる直前に和えると野菜が水っぽくならない
  • 残ったゆで汁は鶏のだしが出ているので、塩を足さずにスープや鹹粥のベースに使える
  • 和えだれに刻んだ赤唐辛子2本やレモン汁10mlを加えると、夜市の「辣味」「檸檬」風のアレンジになる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。