台湾料理擔仔麵

担仔麺(タンツーメン)レシピ本場台湾の配合を徹底解説

器に盛った麺に豚そぼろ、むきエビ、半分に切ったゆで卵、香菜をのせた担仔麺のイラスト
地域
台湾料理・台菜
分量
4人分・小どんぶり4杯分
公開

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台南発祥の「擔仔麵」は、名前の由来を知ると一気に味わい深くなる料理だ。「擔」とは天秤棒(てんびんぼう)のこと。1895年前後、福建・漳州から台湾に渡った洪芋頭という人物が、もともと渡し船や漁で生計を立てていたが、旧暦の清明から中秋にかけての台風シーズンは海に出られず収入が激減した。台湾では商売人がこうした閑散期を「小月(しょうげつ)」と呼ぶ。洪芋頭はこの苦しい時期をしのぐため、天秤棒に鍋と道具を担いで街を歩き、肉臊(甘辛い豚そぼろ)をのせた麺を売り歩いた。やがて台南・水仙宮の廟前に落ち着き、「度小月」と書いた提灯を掲げた。「小月を乗り切るための商い」という意味を込めたこの屋号が、今も名店の名前として残っている。

擔仔麵の作り手は、少量ずつ丁寧に仕上げるため、麺を茹でる・味付けをする・スープを注ぐという工程をすべて座ったまま行う「坐煮」というスタイルを守ってきたとされる。一杯の量が小さいのはこのためだ。名前が似ているためよく混同されるが、四川・自貢生まれの「擔擔麵」(1841年に陳包包が創始したとされる、ラー油ベースの汁なし麺)とは発祥もスープも味付けもまったくの別物。台南の擔仔麵は、蝦の頭と殻からじっくり取った澄んだ出汁に、甘辛い肉臊をのせる、辛さゼロの繊細な一杯である。ここから先は、台湾の複数の食譜サイトを比較して割り出した、本場・台南の擔仔麵の配合と作り方を公開する。

本場の配合

材料(4人分・小どんぶり4杯分)

肉燥(豚そぼろ)

  • 豚ひき肉300g
  • 紅蔥頭(みじん切り)または市販の油蔥酥15g30g
  • 醤油50ml
  • 氷砂糖小さじ2(10g)
  • 白こしょう小さじ1/4(0.5g)
  • 五香粉小さじ1/4(0.5g)
  • 水200ml

エビだし

  • 有頭エビの頭と殻(むきエビ用の分を含む)200g
  • 長ねぎ1本
  • 米酒大さじ1(15ml)
  • 塩小さじ2(約11g)
  • 水1200ml

具材・仕上げ

  • 油麺中華麺。なければ中太の縮れ麺で代用可4人分(320g)
  • 緑豆もやし80g
  • ニラ(ざく切り)40g
  • むきエビ(ゆでる)8尾(120g)
  • うずらの卵(ゆで)8個
  • にんにく(すりおろし)小さじ1(5g)
  • 香菜8g
  • 黒酢烏醋大さじ1(15ml)

作り方

  1. 鍋に油少量を熱し、紅蔥頭を香りが立つまで炒め、豚ひき肉を加えてほぐしながら炒める。

  2. 醤油・氷砂糖・白こしょう・五香粉を加えて炒め合わせ、水200mlを注いで煮立たせる。

  3. 弱火にして30〜40分、汁気がとろりとするまで煮詰めて肉燥を仕上げる。

  4. 別の鍋にエビの頭と殻、長ねぎ、米酒を入れて軽く炒め、香りが立ったら水1200mlを加える。

  5. 中火で15〜20分煮出し、塩を加えて味を調え、殻と長ねぎを漉して取り除く。

  6. むきエビはこのだしでさっと火を通し、取り出しておく。

  7. 別鍋で湯を沸かし、油麺を1分ほど茹で、もやしとニラをさっと湯通しする。

  8. 小どんぶりに麺を盛り、肉燥・エビだし・むきエビ・うずらの卵・もやし・ニラをのせ、にんにく・香菜・黒酢を添えて完成。

本場と日本の違い

  • 名前の混同:日本では「担仔麺」を四川の「担担麺」(辛いごまだれの汁なし麺)と同じものと誤解している人が多いが、由来も味もまったく別の料理。台南の担仔麺は辛さゼロで、エビだしの繊細な旨みが主役になる。
  • 分量とスタイル:本場・台南の擔仔麵は小どんぶりで少量ずつ提供される軽食スタイルだが、日本の中華料理店で提供される「担仔麺」は一人前としてボリュームのある一杯になっていることが多く、本来の「小腹を満たす軽食」という位置づけとは異なる。
  • だしの主役:本場ではエビの頭と殻から取る繊細な出汁が要だが、日本の店舗では豚骨や鶏がらだしをベースにするなど、より濃厚な味付けにアレンジされることが多い。

参考ページ(写真)

度小月「度小月擔仔麵料理食譜」のページに、肉燥・エビだしそれぞれの調理過程の写真が掲載されています。

(https://www.doshee.com.tw/blogs/dosheekitchen/199935)

代用可能な食材

  • 有頭エビ:殻付きエビの殻と頭だけを別途手に入れられる場合はそちらでも良い(冷凍のエビ殻が売られていることもある)
  • 紅蔥頭:なければ市販の油蔥酥で代用可
  • ニラ:なければ万能ねぎで代用可(香りの方向性はやや変わる)
  • 油麺:なければ中華そば用の生麺やラーメン用の縮れ麺で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 肉燥は多めに作って冷凍保存可能(1ヶ月ほど)。滷肉飯やチャーハンの味付けにも転用できる
  • エビだしは冷蔵で2〜3日保存可能。多めに作ってワンタンスープや炒め物の出汁として使い回すと無駄がない
  • お好みで辣椒醬(チリソース)を添えると、辛さゼロの本来の味とは別のアレンジとして楽しめる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。