台湾料理鹹粥
台湾式鹹粥(シェンジョウ)レシピ本場台湾の配合を徹底解説

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「粥」と聞いて、米粒の形がなくなるまで煮込んだ、とろとろのお粥を思い浮かべる人は多いだろう。本サイトで以前紹介した広東の「皮蛋痩肉粥」がまさにその代表だ。ところが台湾の朝ごはんの定番「鹹粥(シェンジョウ)」は、スープの中に米粒がしっかり形を残し、具がごろごろ入った、お粥というより「具だくさんの米入りスープ」に近い一皿だ。
自由時報の食譜サイト「食譜自由配」は、米の崩れ具合で粥を分類している。最も米が溶けているのが広東粥で、米粒が完全に煮崩れて高湯と一体になり、濃厚でとろりとした口当たり。対して台湾の鹹粥や海産粥は、米を汁やスープで軽く煮立てる程度で、米粒が柔らかく崩れる前に仕上げるため、スープは澄んでさらりとしている。硬さの順に並べると「鹹粥>潮州粥>白粥>広東粥」になるという。
とりわけ鹹粥の街として知られるのが台南だ。関鍵評論網の『行走的台南史』によれば、台南周辺では17世紀末にはすでに虱目魚(サバヒー)が泳いでおり、鄭氏政権の時代には「貴品」とされ、清代に入ると養殖池(魚塭)での養殖が盛んになった。今でも台南では、朝の鹹粥に虱目魚の身や腹身を入れ、豚肉・干しえび・油蔥酥(揚げエシャロット)と合わせるのが定番。50年以上続く無名の老舗も少なくない。
ここから先は、台湾の複数のレシピを比較して割り出した、生米から作る台湾式鹹粥の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
作り方
米は洗って浸水用の水300mlに20分浸け、ざるに上げる。干し椎茸は水150mlで30分戻して薄切りにし、戻し汁は取っておく。蝦米はさっと洗って粗く刻む。
豚肉に醤油5mlと片栗粉3gをもみ込む。魚は米酒15mlをまぶしておく。
鍋にサラダ油20mlと紅蔥頭を入れて中弱火にかけ、2〜3分混ぜながら、きつね色になったらすぐに紅蔥頭だけを取り出す(油蔥酥。余熱で色が濃くなるので早めに引き上げる)。
残った油で蝦米と椎茸を中火で1分炒め、豚肉を加えて表面が少し焼き色づくまで炒める。
米を加えて1分炒め合わせ、油を米全体になじませる。
水750mlと椎茸の戻し汁150mlを注いで強火にかけ、沸騰したら弱火にしてふたをずらし、ときどき底から混ぜながら15分煮る。
にんじんとキャベツを加えて5分煮る。米粒の芯がなくなり、形が残っている状態が目安。
醤油5ml・塩7.5g・白こしょうで味を調え、魚を加えて弱めの中火で3分、魚に火が通るまで煮る(魚が崩れるので大きく混ぜない)。
器に盛り、3の油蔥酥とセロリを散らし、ごま油を回しかける。
本場と日本の違い
- 広東粥(既存記事の皮蛋痩肉粥)との違い:広東粥は米粒が完全に溶けるまで煮込み、高湯と一体になったなめらかな口当たりが命。台湾の鹹粥は米粒の形を残し、澄んだスープに具をたっぷり入れる。同じ「粥」の字でも、食感も作り方も正反対だ。
- 日本のお粥・雑炊との違い:日本の白粥は米をじっくり炊いてとろみを出し、雑炊は炊いたご飯をだしで煮る。台湾の鹹粥は生米を油で炒めてから短時間で煮る方法(今回のレシピ)と、炊いたご飯をスープで煮る「飯湯」式の両方があり、見た目は日本の雑炊に近いが、干しえび・椎茸・揚げエシャロット・白こしょうの香りが台湾らしさを決める。
- 台南の魚文化:台南では虱目魚の身・皮・腹身・魚丸を入れた鹹粥や虱目魚粥が朝食の定番。日本では虱目魚の生鮮品は手に入りにくいので、鯛やタラなどの白身魚で代用するのが現実的。
参考ページ(写真)
食譜自由配(自由電子報)の「台式鹹粥」レシピに、材料と完成の写真が掲載されています。
(https://food.ltn.com.tw/article/8201)
代用可能な食材
- 虱目魚:鯛・タラ・スズキなどの白身魚の切り身で代用可。えびやあさりにすると海産粥風になる
- 紅蔥頭:市販の油蔥酥(フライドエシャロット)10gで代用可。その場合は手順3を省き、サラダ油で直接蝦米を炒める
- 米酒:日本酒で代用可
- セロリ:台湾の芹菜は日本のセロリより細く香りが強い。三つ葉や小ねぎでもよい
保存・アレンジのコツ
- 時間が経つと米がスープを吸って粥状になるので、温め直すときは水100mlを足して一煮立ちさせる
- 炊いたご飯300gを使う「飯湯」式なら、手順6の煮込みを水600ml+戻し汁150mlで5分に短縮できる(塩は6gに減らす)
- 台湾風に芋(里芋やタロイモ)100gを角切りにして米と一緒に煮ると、ほっくりとした甘みが加わる
出典
- 食譜自由配(自由電子報)「潮州粥、廣東粥差在哪?跟著美食達人認識各種粥品!」
- 關鍵評論網「《行走的台南史》:虱目魚豐饒了魚塭,也豐饒了府城人的早晨與胃」
- 倫敦男孩の台南美食旅遊記事「台南 16 間必吃「鹹粥」懶人包」
- 食譜自由配(自由電子報)「台式鹹粥|生米煮出完美濃稠度!高麗菜+芋頭好料大滿足」
- 愛料理「台式鹹粥 by 姆士流」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。