台湾料理鹹粥

台湾式鹹粥(シェンジョウ)レシピ本場台湾の配合を徹底解説

白い粥に白身魚、豚バラ肉、椎茸、揚げエシャロット、青ねぎをのせた鹹粥のイラスト
地域
台湾料理・台菜
分量
2人分
公開

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。

「粥」と聞いて、米粒の形がなくなるまで煮込んだ、とろとろのお粥を思い浮かべる人は多いだろう。本サイトで以前紹介した広東の「皮蛋痩肉粥」がまさにその代表だ。ところが台湾の朝ごはんの定番「鹹粥(シェンジョウ)」は、スープの中に米粒がしっかり形を残し、具がごろごろ入った、お粥というより「具だくさんの米入りスープ」に近い一皿だ。

自由時報の食譜サイト「食譜自由配」は、米の崩れ具合で粥を分類している。最も米が溶けているのが広東粥で、米粒が完全に煮崩れて高湯と一体になり、濃厚でとろりとした口当たり。対して台湾の鹹粥や海産粥は、米を汁やスープで軽く煮立てる程度で、米粒が柔らかく崩れる前に仕上げるため、スープは澄んでさらりとしている。硬さの順に並べると「鹹粥>潮州粥>白粥>広東粥」になるという。

とりわけ鹹粥の街として知られるのが台南だ。関鍵評論網の『行走的台南史』によれば、台南周辺では17世紀末にはすでに虱目魚(サバヒー)が泳いでおり、鄭氏政権の時代には「貴品」とされ、清代に入ると養殖池(魚塭)での養殖が盛んになった。今でも台南では、朝の鹹粥に虱目魚の身や腹身を入れ、豚肉・干しえび・油蔥酥(揚げエシャロット)と合わせるのが定番。50年以上続く無名の老舗も少なくない。

ここから先は、台湾の複数のレシピを比較して割り出した、生米から作る台湾式鹹粥の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(2人分)

  • 米(うるち米)150g(1合)
  • 水(米の浸水用)300ml
  • 豚バラ薄切り肉(細切り)80g
  • 醤油(豚肉の下味用)5ml
  • 片栗粉(豚肉の下味用)3g
  • 虱目魚(サバヒー)の腹身、または鯛の切り身(一口大)100g
  • 米酒(魚の下味用)15ml
  • 干し椎茸水150mlで戻す2枚(4g)
  • 蝦米(干しえび)10g
  • 紅蔥頭(エシャロット、薄切り)15g
  • サラダ油20ml
  • キャベツ(1cm幅の細切り)120g
  • にんじん(細切り)30g
  • 水750ml
  • 椎茸の戻し汁150ml
  • 醤油5ml
  • 塩7.5g(小さじ1と1/4程度)
  • 白こしょう1g
  • ごま油5ml
  • セロリの葉と茎みじん切り、台湾の芹菜の代わり15g

作り方

  1. 米は洗って浸水用の水300mlに20分浸け、ざるに上げる。干し椎茸は水150mlで30分戻して薄切りにし、戻し汁は取っておく。蝦米はさっと洗って粗く刻む。

  2. 豚肉に醤油5mlと片栗粉3gをもみ込む。魚は米酒15mlをまぶしておく。

  3. 鍋にサラダ油20mlと紅蔥頭を入れて中弱火にかけ、2〜3分混ぜながら、きつね色になったらすぐに紅蔥頭だけを取り出す(油蔥酥。余熱で色が濃くなるので早めに引き上げる)。

  4. 残った油で蝦米と椎茸を中火で1分炒め、豚肉を加えて表面が少し焼き色づくまで炒める。

  5. 米を加えて1分炒め合わせ、油を米全体になじませる。

  6. 水750mlと椎茸の戻し汁150mlを注いで強火にかけ、沸騰したら弱火にしてふたをずらし、ときどき底から混ぜながら15分煮る。

  7. にんじんとキャベツを加えて5分煮る。米粒の芯がなくなり、形が残っている状態が目安。

  8. 醤油5ml・塩7.5g・白こしょうで味を調え、魚を加えて弱めの中火で3分、魚に火が通るまで煮る(魚が崩れるので大きく混ぜない)。

  9. 器に盛り、3の油蔥酥とセロリを散らし、ごま油を回しかける。

本場と日本の違い

  • 広東粥(既存記事の皮蛋痩肉粥)との違い:広東粥は米粒が完全に溶けるまで煮込み、高湯と一体になったなめらかな口当たりが命。台湾の鹹粥は米粒の形を残し、澄んだスープに具をたっぷり入れる。同じ「粥」の字でも、食感も作り方も正反対だ。
  • 日本のお粥・雑炊との違い:日本の白粥は米をじっくり炊いてとろみを出し、雑炊は炊いたご飯をだしで煮る。台湾の鹹粥は生米を油で炒めてから短時間で煮る方法(今回のレシピ)と、炊いたご飯をスープで煮る「飯湯」式の両方があり、見た目は日本の雑炊に近いが、干しえび・椎茸・揚げエシャロット・白こしょうの香りが台湾らしさを決める。
  • 台南の魚文化:台南では虱目魚の身・皮・腹身・魚丸を入れた鹹粥や虱目魚粥が朝食の定番。日本では虱目魚の生鮮品は手に入りにくいので、鯛やタラなどの白身魚で代用するのが現実的。

参考ページ(写真)

食譜自由配(自由電子報)の「台式鹹粥」レシピに、材料と完成の写真が掲載されています。

(https://food.ltn.com.tw/article/8201)

代用可能な食材

  • 虱目魚:鯛・タラ・スズキなどの白身魚の切り身で代用可。えびやあさりにすると海産粥風になる
  • 紅蔥頭:市販の油蔥酥(フライドエシャロット)10gで代用可。その場合は手順3を省き、サラダ油で直接蝦米を炒める
  • 米酒:日本酒で代用可
  • セロリ:台湾の芹菜は日本のセロリより細く香りが強い。三つ葉や小ねぎでもよい

保存・アレンジのコツ

  • 時間が経つと米がスープを吸って粥状になるので、温め直すときは水100mlを足して一煮立ちさせる
  • 炊いたご飯300gを使う「飯湯」式なら、手順6の煮込みを水600ml+戻し汁150mlで5分に短縮できる(塩は6gに減らす)
  • 台湾風に芋(里芋やタロイモ)100gを角切りにして米と一緒に煮ると、ほっくりとした甘みが加わる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。