湖南料理・湘菜湘西外婆菜
湘西外婆菜レシピ本場湖南・湘西の配合を徹底解説

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。
「外婆」は中国語で母方の祖母のこと。直訳すれば「おばあちゃんのおかず」という、なんとも温かい名前の料理が、湖南省西部・湘西の「外婆菜」だ。
正体は、山で採れる野草や畑の青菜、大根などを天日で干し、甕(かめ)に詰めて塩漬けにした刻み漬物。これを豚ひき肉や唐辛子と炒めると、しょっぱくて少し酸っぱく、噛むほどに味の出る「下飯菜(ご飯泥棒)」になる。開胃(食欲をそそる)で下飯なおかずとして、白飯のお供に欠かせない存在だ。
名前の由来として語られるのが、湘西の嫁入りにまつわる言い伝えだ。昔の湘西は山深く交通が不便で、嫁いだ娘はめったに里帰りができなかった。そこで母親は、しょっぱさ・酸っぱさ・辛さ・歯ごたえ・甘みのすべてが詰まった「家を離れる娘のためのおかず」を漬けて持たせた。人生の甘さも辛さも味わってほしいという母心の漬物は、やがて娘の子どもたちにとって「外婆(おばあちゃん)の味」になり、外婆菜と呼ばれるようになったという。
一方で、今のように瓶詰めや袋入りの「湘西外婆菜」として全国に広まったのは2000年代に入ってからという話もある。新浪の記事では、2002年に長沙からの観光客が湘西の鳳凰古城で山菜の漬物を食べ、それをもとに改良した商品が始まりだと紹介されている。古くからの家庭の味と、商品名としての「外婆菜」。どちらの側面もあるのが、この料理の面白いところだ。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
作り方
外婆菜は袋から出し、汁気が多い場合は軽く絞る。塊があれば手でほぐしておく。
中華鍋にサラダ油20mlを熱し、豚ひき肉を中火で3分炒める。肉の色が変わり、脂が出て少しカリッとするまで焼きつけるように炒める。
にんにく・豆豉・乾燥赤唐辛子を加え、香りが立つまで30秒炒める。
外婆菜を加えて中火で3分炒め、全体の水分を飛ばしながら肉とよくなじませる。
生の青唐辛子・赤唐辛子を加えて強火で30秒炒め、生抽5mlを鍋肌から回し入れる。
火を止めて花椒油3mlを回しかけ、ざっと混ぜて器に盛る。
本場と日本の違い
- 漬物を「炒めて」食べる:日本では漬物はそのまま食べるのが基本だが、湘西では干して漬けた菜をひき肉や唐辛子と炒めて、温かいおかずにする。脂を吸った漬物が香ばしく、ご飯にのせて食べるのが本場のスタイル。
- 一種類の漬物ではない:外婆菜は特定の野菜の名前ではなく、野草・青菜・大根など何種類もの干し野菜を刻んで漬け込んだものの総称。店や家ごとに中身が違う。
- 高菜炒めとの違い:日本の高菜炒めは高菜漬け単体の酸味が主役だが、外婆菜は大根の干し漬けや芽菜のような歯ごたえのある菜が混ざり、咀嚼するほどに複雑な味が出る。唐辛子と豆豉を効かせた湖南らしい辛さも特徴。
- 塩を足さない:外婆菜そのものがしっかり塩漬けされているため、中国のレシピでも追加の塩は加えないか、ごく控えめにする。
参考ページ(写真)
美食天下の「湘西家常菜----外婆菜」レシピページに、干し野菜を戻して刻み、ひき肉と炒めるまでの手順写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-154479.html)
代用可能な食材
- 湘西外婆菜:中華食材店や通販で「湘西外婆菜」の名で売られている。手に入らない場合は、蘿卜干60g・芽菜60g・高菜漬け80gをぬるま湯に20分浸けて絞り、細かく刻んで混ぜたもので代用可(中国のレシピでも蘿卜干と芽菜で自作する方法が紹介されている)
- 生の青唐辛子・赤唐辛子:ししとう30gと一味唐辛子0.5gで代用すると辛さが穏やかになる
- 花椒油:ごま油3mlで代用可(痺れはなくなる)
保存・アレンジのコツ
- 炒めたものは冷蔵で4日保存可能。常備菜として作り置きし、食べる分だけ温め直す
- 溶き卵3個分を加えて炒め合わせると、外婆菜の卵炒めになる
- 炒めた外婆菜を炒飯の具にしたり、麺にのせたりしてもよい
出典
- 新浪新聞「[美食] 湘西外婆菜,藏在心里的温暖…」
- 新浪ブログ「外婆菜的来源」
- 美食天下「湘西家常菜----外婆菜 by 明月舞青衣」レシピ
- 下厨房「湘西外婆菜 by 坨坨妈」レシピ
- 下厨房「时尚湘菜外婆菜」レシピ
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。