湖南料理・湘菜东安子鸡
東安子鶏レシピ本場湖南・東安の配合を徹底解説

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1972年2月、北京を訪れたニクソン米大統領をもてなす宴席に、湖南の片田舎の名を冠した鶏料理が並んだ。大統領が大いに称賛したと伝えられるこの一皿こそ「東安子鶏」。以来、国宴の料理に数えられ、「八大湘菜の筆頭」とまで呼ばれるようになった。
東安は湖南省南部、永州市の県の名前で、「子鶏」は若鶏のこと。ゆでた若鶏を細切りにして、米酢・唐辛子・花椒・たっぷりの生姜で強火で炒め上げる。湖南料理といえば激辛のイメージが強いが、この料理の主役は酸味。米酢の香りと生姜のさわやかな辛みが、淡泊な鶏を引き立てる。
名前の由来には諸説ある。中国のレシピサイトでは、唐の開元年間に東安の小さな食堂の主人が夜更けに訪れた旅の商人のため、ゆでておいた鶏を炒めて出したのが始まりで、後に県の役人が「若鶏を使うとなおよい」と勧めて「東安子鶏」と呼ばれるようになった、という伝説が紹介されている。一方で、料理人がうっかり酢を入れすぎたことから生まれた「醋鶏(酢鶏)」がルーツで、清末には「官保鶏」とも呼ばれ、民国期に東安出身の軍人・唐生智が宴席でふるまったことで「東安鶏」の名が広まった、とする説もある。唐生智が長沙で客人にこの鶏をふるまったことは、郭沫若の著作にも記されているという。
2017年には東安県の美食祭で1001人の料理人が一斉に東安鶏を作るイベントが開かれるなど、今も地元の誇りであり続けている。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2〜3人分)
鶏をゆでる
- 骨付き鶏もも肉2本(約600g)
- 水1500ml
- 生姜薄切り10g
- 長ねぎ(青い部分)10g
炒める
作り方
鍋に水1500ml・生姜10g・長ねぎの青い部分10gを入れて沸かし、鶏もも肉を入れる。再沸騰したらアクを取り、ふたをして弱火で12分ゆでる(中心がほんのりピンクの八分通りの火入れ)。
鶏を取り出して冷水に取り、身を締める。ゆで汁は100ml取り分けておく。
鶏の骨を外し、皮ごと長さ5cm・幅1cmの細切りにする。
中華鍋にラード30gを入れて強火で熱し、生姜の千切り・乾燥赤唐辛子・花椒を入れて30秒炒め、香りを立てる。
鶏肉を加えて強火で1分炒め、鍋肌から黄酒15mlを回し入れる。
米酢30ml・塩5g・砂糖3gを加えて炒め合わせ、鶏のゆで汁100mlを注いで中火で2分煮て、鶏に酸味をしみ込ませる。
赤パプリカ・長ねぎを加えて強火で30秒炒め、水溶き片栗粉でごく薄くとろみをつける。
火を止める直前に残りの米酢15mlを鍋肌から回し入れ、ごま油5mlをたらして全体を混ぜ、すぐに皿に盛る。
本場と日本の違い
- 酸味が主役の湖南料理:日本で湖南料理というと剁椒魚頭や辣椒炒肉のような唐辛子の辛さが前に出る料理が知られているが、東安子鶏は米酢の酸味と生姜の香りが中心。唐辛子と花椒は脇役にとどまる。
- ゆでてから炒める:本場では鶏を先にゆでて七〜八分通り火を通し、冷ましてから細切りにして炒める。生の鶏を炒める日本の鶏炒めとは食感がまったく違い、しっとりやわらかい。
- 酢の選び方:本場のレシピでは米酢(中国の米から作る酢)をたっぷり使う。中国の料理人は「米酢と鶏の脂がこの料理の鍵」と言い、酢が肉をやわらかくし臭みを消すとされる。黒酢を使うと色も香りも別物になる。
- 皮ごと切る:皮を外さずに細切りにすることで、ゆでた皮のぷるんとした食感と鶏の脂のコクが残る。
参考ページ(写真)
美食天下の「千年历史名菜“东安子鸡”」レシピページに、鶏の切り方から炒め上がりまでの手順写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-30998.html)
代用可能な食材
- 骨付き鶏もも肉:本場は若鶏を丸ごと使う。丸鶏(約1kg)の半身でもよい。骨なしもも肉なら500gを使い、ゆで時間を8分にする
- 米酢:日本の米酢でも代用可。穀物酢は酸味が鋭くなるので40mlに減らす
- ラード:サラダ油30mlで代用可
- 赤パプリカ:生の赤唐辛子2本で代用すると、より本場に近い辛さになる
保存・アレンジのコツ
- 冷蔵で2日保存可能。酸味がなじむので、冷めたまま前菜としてもおいしい
- 残った鶏のゆで汁は塩で味を調えて、ねぎを散らしたスープにするとよい
- 鶏むね肉で作るとさっぱり仕上がるが、ゆで時間は8分にして火を入れすぎないようにする
出典
- 長沙晩報網「世界最大东安鸡宴亮相永州 千余市民畅享舌尖上的狂欢」
- 新湖南「湖南七大名菜的历史故事,99%你绝对没听过!」
- 美食天下「千年历史名菜“东安子鸡” by 大炒勺」レシピ
- 美食天下「【湘菜】东安子鸡 by 薄灰」レシピ
- 新浪新聞「东安鸡制作秘诀,米醋要多,姜是多,辣椒要多」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。