湖南料理・湘菜长沙臭豆腐
長沙臭豆腐(长沙臭豆腐)レシピ本場長沙の配合を徹底解説

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湖南省長沙の夜市を歩けば、独特の匂いに必ず出くわす。真っ黒に揚がった豆腐から立ちのぼる、あの強烈な発酵臭。長沙の人々はこれを「臭干子(チョウガンズ)」と呼び、においの強さと引き換えに得られる香ばしさとうま味を、街の誇りとして楽しんでいる。臭豆腐そのものの歴史は千年近くにさかのぼるとされ、清代には西太后(慈禧太后)がこれを気に入り「青方」という雅な名を与えたことで、一気に天下に名を知られるようになったという逸話も伝わっている。
長沙における臭豆腐の聖地といえば、坡子街にある「火宮殿」だ。この老舗の屋台が長沙臭豆腐の代名詞的存在になっている。さらに語り草になっているのが、毛沢東にまつわる逸話である。長沙の中国共産党歴史館の解説員によれば、「においは臭いが、食べればうまい(闻起来臭、吃起来香)」という、今では臭豆腐の代名詞となった名言は、もともと毛沢東の言葉に由来するとされている。真偽のほどを断定できる一次資料までは確認できなかったが、この言葉は今も長沙の屋台や土産物の宣伝文句として使われ続けている。
肝心の「臭さ」の正体は、豆豉や香辛野菜、時には筍や高菜まで加えて仕込む「卤水(発酵液)」にある。本場では豆乳の煮汁に黒豆豉・干し椎茸・高菜・筍・食用重曹などを加え、気温25度以上の環境で20〜30日もかけてじっくり発酵させるという、手間と時間のかかる工程を経る。家庭でこの発酵液を一から仕込むのは現実的ではないため、今回は市販の発酵済み臭豆腐(臭豆腐胚)を使い、揚げ方と辣油だれの配合にこだわる家庭向けのレシピを紹介する。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。
本場式の配合
材料(2人分)
主材料
- 臭豆腐発酵済みの市販品・臭豆腐胚。1個あたり4〜5cm角が目安8〜10個
- 揚げ油鍋の深さ3〜4cm程度、臭豆腐が半分以上浸る量400〜500ml
辛味だれ
仕上げの調味
作り方
臭豆腐の下ごしらえ。市販の臭豆腐を流水で2〜3回しっかり洗い、清水に2時間以上浸けて余分な発酵液と塩気を抜く。水気をしっかりきる。
辛味だれを作る。鍋にサラダ油大さじ2を熱し、生姜とにんにくのみじん切りを弱火で香りが立つまで炒める。小米辣と豆豉を加え、さらに弱火でじっくり炒めて香りを油に移す。
調味する。2に生抽・オイスターソース・塩・鶏がらスープの素を加えて混ぜ、火を止めて香油を回し入れる。
臭豆腐を揚げる。揚げ油を180℃前後の高温に熱し、水気をきった臭豆腐を入れて強火でカリッと両面色よく揚げる。中はふんわり、外はカリカリになるのが理想。
味を含ませる。揚げたての臭豆腐を3の辛味だれに絡め、30分以上味を含ませる(すぐ食べても美味しいが、本場の屋台では下味をしっかりつける)。
器に盛り、香菜または万能ねぎを散らして、お好みでさらに辣油を追いがけして完成。
本場と日本の違い
- 「臭い」は失敗ではなく完成の証。 発酵臭の強さは品質の欠陥ではなく、時間をかけて仕込んだ証。日本の感覚で「臭みを消す」方向に調整すると、まったく別の食べ物になってしまう。
- 本場の発酵は20〜30日がかり。 豆乳の煮汁に豆豉・椎茸・高菜・筍などを加えて仕込む卤水を、気温25度以上で3〜4週間かけて発酵させる。家庭で一から作るのは非常に時間がかかるため、発酵済みの市販品を使うのが現実的。
- 屋台グルメであり、皿の上の料理ではない。 長沙では串に刺して立ち食いするのが定番のスタイルで、レストランで丁寧に盛り付けて食べるものというより、街角で気軽につまむおやつという位置づけが強い。
- 「臭豆腐」でも地域によって色・味が違う。 長沙のものは真っ黒に揚げるのが特徴だが、他の地域(南京や紹興など)の臭豆腐は色や味付けが異なり、同じ名前でも別物として扱われる。
- 辣味だれをたっぷり絡めるのが長沙流。 揚げただけで食べる地域もあるが、長沙では辛味の効いたたれをしっかり絡めて食べるスタイルが主流。
参考ページ(写真)
下厨房の「湖南长沙特色小零食~臭豆腐」レシピページでは、豆腐の下ごしらえから辛油作り、揚げ方までの手順が写真つきで紹介されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/103702613/
代用可能な食材
- 発酵済みの臭豆腐が手に入らない場合→中華食材店や通販で「臭豆腐」「臭豆腐胚」の名前で冷凍品が販売されていることが多いので、そちらを探すのが近道(自家製の発酵は衛生管理が難しいため、家庭では市販品の利用を推奨する)
- 小米辣→小米辣または青唐辛子で代用可
- 豆豉→省略も可能だが、風味が単調になるためできれば入れたい
保存・アレンジのコツ
- 揚げた臭豆腐はできたてが一番美味しいので、揚げてからなるべく早く食べきる。
- 辛味だれは多めに作っておくと、次回はたれを絡めるだけで手早く仕上がる。
- 辛さを抑えたい場合は小米辣を減らし、代わりに甘酢だれを添えると食べやすくなる。
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。