湖南料理・湘菜香干炒肉

香干炒肉レシピ本場湖南の配合を徹底解説

皿に盛った棒状の香干と豚バラ肉の薄切り、青唐辛子と赤唐辛子の輪切りを炒め合わせた香干炒肉のイラスト
地域
湘菜(湖南)
分量
2人分
公開

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湖南の「肉炒め」なのに、皿の上でいちばん存在感があるのは肉ではなく豆腐――それが香干炒肉です。薄切りにした香干(シャンガン)と豚バラ肉、唐辛子をごく強火で一気に炒め合わせる、湖南の食卓の定番おかずです。

湖南の地元メディア「新湖南」のコラムは、香干炒肉を「経典湘菜」であり湖南人の家常菜だと紹介しています。香干は地域ごとに名産があり、長沙には老舗ブランドの香干、邵陽の武岡・洞口には「卤干子(煮込み豆腐干)」があり、なかでも攸県の香干は「絶品」と称えられるそうです。同じコラムは、寧郷の花猪の豚バラ、攸県の豆腐干、瀏陽の豆豉を「標準装備」として挙げています。澎湃新聞によれば、攸県の豆腐づくりは『攸県志』にも明清時代に産業として栄えたと記される伝統で、香干は豆乳を固めて押したあと、秘伝の卤汁で煮てから焼き上げる20以上の工程を経て作られます。紅網によれば、攸県香干は2012年に国家地理標志商標も取得しました。

本サイトではすでに湖南の「辣椒炒肉」を紹介しています。あちらは青唐辛子と豚肉だけで作る、唐辛子そのものが主役の炒め物。香干炒肉は、豚バラの脂と豆豉・豆瓣醤のうま味を、香ばしい押し豆腐にたっぷり吸わせて味わう料理です。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順を公開します。

本場の配合

材料(2人分)

  • 香干攸県香干または五香豆干200g
  • 豚バラ肉(皮なしのかたまり)150g
  • 料酒10ml
  • 生抽(下味用)5ml
  • 青唐辛子万願寺唐辛子など辛さの穏やかなもの50g
  • 小米辣(赤)15g
  • 葉にんにく30g(1本)
  • にんにく(薄切り)10g
  • 生姜(千切り)5g
  • 豆豉(粗く刻む)5g
  • 郫県豆瓣醤8g
  • 生抽(仕上げ用)10ml
  • 老抽3ml
  • 水30ml
  • 菜種油20ml

作り方

  1. 豚バラ肉は厚さ3mmの薄切りにし、料酒10mlと下味用の生抽5mlをもみ込んで10分おく。

  2. 香干は厚さ5mmの薄切りにする。鍋に湯500mlを沸かして香干を入れ、1分ゆでてざるに上げる(中まで温まり、やわらかく味を吸いやすくなる)。

  3. 青唐辛子と小米辣は斜め切りにする。葉にんにくは白い部分と青い部分に分け、それぞれ3cm長さの斜め切りにする。

  4. 中華鍋に菜種油20mlを入れて中火で熱し、豚バラ肉を広げて入れる。脂が出て縁が少しカリッとするまで2〜3分炒め、いったん鍋の端に寄せる。

  5. 空いたところに郫県豆瓣醤8g・豆豉5g・生姜・にんにくを入れ、弱めの中火で30秒炒めて赤い油と香りを出し、豚肉とからめる。

  6. 強火にして香干と葉にんにくの白い部分を加え、1分炒める。青唐辛子と小米辣を加えてさらに30秒炒める。

  7. 仕上げ用の生抽10ml・老抽3ml・水30mlを鍋肌から加え、汁気を香干に吸わせるように30秒ほど炒め合わせる。葉にんにくの青い部分を加えてひと混ぜし、火を止める。

本場と日本の違い

  • 香干の違い:湖南の香干は、押し豆腐を卤汁(香辛料入りの煮汁)で煮てから焼き上げるため、表面が茶色く、香ばしさと弾力がある。日本の豆腐売り場にある厚揚げや木綿豆腐とは食感がまったく異なり、炒めても崩れない。
  • 主役は豆腐:日本で「肉炒め」というと肉が主役だが、香干炒肉は香干を肉より多めに使うレシピも多い。肉は脂とうま味を豆腐に移す「調味料」に近い役割を担う。
  • 辣椒炒肉との違い:辣椒炒肉は青唐辛子と豚肉の2つだけで作り、唐辛子の香りと辛さを楽しむ料理。香干炒肉は豆豉と豆瓣醤で「家常味」のうま味を加え、豆腐に吸わせるのがポイント。
  • 火力:湖南の「小炒」は強火で短時間に仕上げるのが基本。炒めすぎると香干が固くなり、唐辛子の色も悪くなる。

参考ページ(写真)

美食天下の「【家常菜】香干炒肉」レシピページに、攸県香干と豚肉の切り方から炒め合わせまでの手順写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-42995.html)

代用可能な食材

  • 香干:中華食材店の「五香豆干」「豆腐干」がいちばん近い。入手できなければ、木綿豆腐を重しで1時間しっかり水切りし、5mm厚に切ってフライパンで両面を焼き色がつくまで焼いてから使う
  • 葉にんにく:青ネギの青い部分またはニラで代用可
  • 小米辣:生の赤唐辛子、または輪切り唐辛子1gで代用可
  • 青唐辛子:ししとう、またはピーマンで代用可(辛さは控えめになる)
  • 菜種油:サラダ油で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 作りたてがいちばんおいしいが、冷蔵で翌日まで保存可。温め直すときは水大さじ1を加えてフライパンで炒め直すと、香干がしっとり戻る
  • 豚バラの代わりに湖南の腊肉(中国式ベーコン)を使うと、燻香の効いた「香干炒腊肉」になる
  • 香干と唐辛子だけで作れば、ベジタリアン向けの「小炒香干」になる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。