湖南料理・湘菜擂辣椒皮蛋
擂辣椒皮蛋(焼き唐辛子とピータンの叩き和え)レシピ本場湖南の配合を徹底解説

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「夏至に唐辛子を擂らなければ、暑さで地面から浮き上がってしまう」。湖南にはこんな言い回しがあるという。ここでいう「擂る」とは、陶器のすり鉢(擂鉢)に焼いた青唐辛子を入れ、木の擂り棒でひたすら搗きつぶすこと。そこへピータンを加えて一緒に搗いたものが「擂辣椒皮蛋」だ。火も油もほとんど使わず、長沙の食堂から家庭の食卓まで、夏になればどこでも見かける湖南の定番おかずである。
本来の作り方は豪快だ。湖南の地元メディアによれば、肉厚の青唐辛子をかまどの燃えさしや熱い灰の中に埋めて「煨(うず)み焼き」にし、皮が真っ黒に焦げて膨らんだところを熱いまま擂鉢へ。むいたピータンを加えて搗き、にんにく・豆豉・香醋・醤油で味をつけ、最後に熱した茶油をじゅっと回しかける。ピータンは明末清初に湖南へ伝わったとされ、体を冷やす食べ物として夏の暑気払いに重宝されてきた。
日本でピータンといえば、豆腐にのせて醤油とごま油をかける中華前菜が定番だろう。湖南ではそのピータンが主役ではなく、焦がした唐辛子の香ばしさと辛みを受け止める「まとめ役」になる。黄身のねっとりとしたコクが唐辛子の青い辛さを包み、白飯がいくらでも進む。見た目は地味な緑と黒の塊だが、中国のレシピ記事がこぞって「下飯(ご飯が進む)」と紹介する、湖南の食卓の名脇役だ。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
作り方
螺絲椒と青唐辛子は洗って水気をよくふき、ヘタはつけたままにする。
ガスコンロの直火に焼き網をのせて唐辛子を並べ、強火で転がしながら表面全体が黒く焦げて皮が浮くまで4〜5分焼く。直火が使えない場合は、油をひかないフライパンに並べ、ヘラで押しつけながら中火で両面8分焼いて虎皮状の焼き色をつける。
焼いた唐辛子をボウルに入れてラップをかけ、5分蒸らす。焦げた皮を手で大まかにむき、ヘタと種を除いて手で縦に裂く。
すり鉢ににんにくと豆豉を入れ、すりこぎでつぶしてペースト状にする。
裂いた唐辛子を加え、すりこぎで上から叩くようにして1〜2分搗き、繊維が崩れて汁が出てくるまでつぶす。
ピータンの殻をむいて4等分に切って加え、黄身がつぶれて唐辛子と混ざり、白身が小さな塊で残る程度まで30秒ほど搗く。
生抽15mlと香醋5mlを加えて混ぜる。
小鍋で茶油10mlを煙が出る直前まで熱し、7の上に回しかけて全体を混ぜる。すり鉢のまま食卓に出す。
本場と日本の違い
- ピータンの役割:日本のピータン豆腐はピータンそのものを味わう前菜だが、擂辣椒皮蛋ではピータンは唐辛子のつぶし和えのコク出し役。黄身がとろりと溶けて全体をまとめるソースになる。
- 「焼く」と「搗く」:唐辛子は刻むのではなく真っ黒に焼いてから搗きつぶす。焦げた皮の香ばしさと、搗くことで出る唐辛子の汁が味の核で、包丁で刻んだだけでは同じ味にならない。
- 茶油の香り:本場の紹介では、仕上げに油茶の種から搾った茶籽油を熱してかける。サラダ油とは違う、ナッツのような独特の香りが加わる。
- ご飯のおかず:前菜ではなく、白飯にのせて食べる「下飯菜(ご飯泥棒)」の扱い。味つけも単体で食べるにはやや濃いめになっている。
参考ページ(写真)
美食天下の「擂辣椒皮蛋」レシピページに、唐辛子を焼いて擂鉢で搗く工程の写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-395812.html)
代用可能な食材
- 螺絲椒:万願寺唐辛子やししとう200gで代用可。辛さが足りない分は青唐辛子を1〜2本増やす
- 茶油(茶籽油):太白ごま油またはサラダ油10mlで代用可
- 豆豉:省く場合は生抽を小さじ1(5ml)増やす
- すり鉢:なければ厚手のボウルに入れ、めん棒の先で叩いてつぶす
保存・アレンジのコツ
- 冷蔵で翌日まで保存可能。時間がたつと唐辛子の水分が出るので、食べる前に軽く混ぜる
- 冷やしそうめんや冷ややっこにのせても合う
- ピータンが苦手な人は、ゆで卵2個を代わりに搗き込むと食べやすい
出典
- 新湖南「夏至时节|湖南人祛暑解乏必有一碗擂辣椒皮蛋」
- 搜狐「这才是擂辣椒皮蛋的正确做法,香辣下饭,上桌就抢光,吃了还想吃」
- 貴州網絡広播電視台「詹姆士的厨房|大热天最爱它了!火都不用开,擂一擂就好吃哭!」
- 美食天下「擂辣椒皮蛋 by 苹果的萍」レシピ
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。