台湾料理蚵嗲

蚵嗲(オアデー)レシピ本場台湾の配合を徹底解説

白い皿に牡蠣とニラ入りの丸い揚げ物2枚を盛り、赤いたれと刻みねぎを添えた蚵嗲のイラスト
地域
台湾料理・台菜
分量
4個分・2〜3人分
公開

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台湾南部の夜市や廟口で、ジュワッという揚げ油の音とともに売られる「蚵嗲」。ラグビーボールのような形の衣の中に、ぷりぷりの牡蠣とニラ、キャベツがぎっしり詰まった台湾を代表する揚げ物です。その由来としてよく語られるのが、1661年に鄭成功が台南を攻略した際、軍糧の米が不足したため、さつまいも粉と水を練った衣に現地で獲れた牡蠣を包んで揚げたのが始まり、という言い伝えです。ただし別の説では、福建からの移民がすでに故郷で似たような揚げ物を作っていて、それが台湾に持ち込まれたともいわれており、はっきりとした起源はまだ定まっていません。

おもしろいのは、同じ台湾でも澎湖では「蚵嗲」と呼ぶと店主に嫌がられること。澎湖の「炸粿」は牡蠣の代わりに現地で採れるクマエビを使い、泉州方言に由来する呼び名で区別されているのです(「蚵嗲」という呼び方自体は、福州方言の「海蠣餅」が訛って変化したものとされています)。閩南方言でいう「蚵仔煎」「蚵捲」と並ぶ「蚵仔三大料理」のひとつとして、蚵嗲は台湾の海辺の食文化を今に伝えています。

ここから先は、繁体字の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合と手順を公開します。

本場の配合

材料(4個分・2〜3人分)

衣

  • 中力粉200g
  • もち米粉50g
  • 塩小さじ1(約5.5g)
  • 白こしょう小さじ1(約2g)
  • ごま油5ml(小さじ1)
  • 水320ml

牡蠣の下味

  • 生牡蠣(洗って水気を切る)300g
  • 米酒5ml(小さじ1)
  • 塩小さじ1(約5.5g)
  • ごま油15ml(大さじ1)

野菜だね

  • ニラ(3cm長さに切る)150g
  • キャベツ(せん切り)150g
  • 長ねぎ(小口切り)20g
  • 紅蔥酥(フライドエシャロット)5g
  • 揚げ油フライパンに深さ4cm程度約700ml

作り方

  1. 生牡蠣はたっぷりの塩水(分量外)で優しく振り洗いし、水気をしっかり切る。ボウルに入れ、米酒・塩・ごま油をまぶして下味をつけ、冷蔵庫で10分ほどおく。

  2. ニラ・キャベツ・長ねぎはそれぞれ切って混ぜ合わせ、紅蔥酥を加えて野菜だねを作る。

  3. 別のボウルに中力粉・もち米粉・塩・白こしょう・ごま油・水を入れ、ダマがなくなるまでよく混ぜて衣を作る。

  4. 揚げ油をフライパンに深さ4cm程度入れ、170〜180℃に熱する。

  5. 浅い穴あきのお玉(レードル)を油にくぐらせて温め、衣を大さじ2ほど流し入れて薄く広げる。

  6. ②の野菜だねをひとつかみのせ、①の牡蠣を3〜4個のせたら、上からさらに衣を大さじ1〜2かけて具材を覆う。

  7. お玉ごと油の中に静かに沈める。周囲が固まってお玉から自然に外れたら、そのまま油の中で揚げ続ける。

  8. 途中で裏返しながら、中まで火が通り表面がきつね色になるまで4〜5分揚げ、油を切る。

  9. 器に盛り、好みで辣椒醤や甜辣醤を添える。

本場と日本の違い

  • 見た目は天ぷらやかき揚げに似ていますが、衣にもち米粉を加えることで、天ぷらのサクサク感とは違う、もちっとした弾力のある食感に仕上がるのが本場の特徴です。
  • 専用の浅い穴あき杓子を油にくぐらせて温めてから使い、具材を衣で「挟んで包む」ように成形しながら揚げる技法は、天ぷらのように具材を衣にくぐらせるだけの日本の揚げ方にはない、台湾独自のものです。
  • 同じ台湾でも地域によって別物として扱われます。澎湖の「炸粿」は牡蠣の代わりにクマエビを使い、高麗菜(キャベツ)中心の餡になるなど、具材も名前の由来も異なります。
  • 食べ方も異なり、日本の天ぷらは天つゆや塩でさっぱり食べることが多いのに対し、本場では辣椒醤や甜辣醤など、ピリ辛・甘辛系のたれをたっぷりつけて食べるのが定番です。

参考ページ(写真)

「食譜自由配(自由電子報)」の「古早味炸物|蚵嗲」記事に、衣の作り方から油の中での成形まで、手順写真つきで詳しく紹介されています。 https://food.ltn.com.tw/article/10810

代用可能な食材

  • 生牡蠣:加熱用のむき牡蠣で代用可(生食用より小ぶりのものでも問題ない)
  • 紅蔥酥(フライドエシャロット):市販のフライドオニオンで代用可
  • もち米粉:入手困難な場合は中力粉のみでも作れるが、もちもちとした弾力はやや弱まる

保存・アレンジのコツ

  • 揚げたてが一番おいしいが、残った場合は冷蔵保存し、食べる直前に200℃のオーブントースターで温め直すとカリッとした食感が戻りやすい
  • 衣がうまく成形できない場合は、お玉の代わりに小さめのフライパンや玉じゃくしの背を使っても代用できる
  • 牡蠣の代わりに豚肉やエビに替えた「肉嗲」「蝦嗲」というバリエーションも台湾では人気がある

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。