山東料理・鲁菜九转大肠
九転大腸(ジョウジュアンダーチャン)レシピ本場山東の配合を徹底解説

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甘酸っぱく、ほんのりピリ辛。とろりとした照りをまとった豚モツの一皿・九転大腸は、山東料理(鲁菜)を代表する看板料理でありながら、その名前の由来は道教の不老不死の霊薬「九転仙丹」にちなむという、なんとも大仰な逸話を持つ。
伝承によれば、この料理が生まれたのは清の光緒年間、済南・大明湖のほとりにあった料亭「九華楼」。経営者は杜姓の富豪商人で、一生仏教を篤く信仰し「九九帰一(すべての物事は巡り巡って一つに帰する)」という教えに心酔していたという。その入れ込みようは徹底しており、実際に9つの店舗を構え、いずれの屋号にも「九」の字を冠したと伝わる(一説には店主の名前自体に「九」の字が含まれる「杜九齢」だったとも)。
もともとこの料理は「紅焼大肠(豚大腸の醤油煮込み)」という素朴な名前だったが、あまりに俗っぽいという理由で改名が検討された。ある宴席で、恰幅の良い老学者が「道家には不老不死の霊薬『九転仙丹』があり、天界には『九重天』、神話には『龍生九子』の故事がある」と述べ、「九転大肠」への改名を提案。杜老板はこの一言に深く感銘を受け「一字千金(この一文字には千金の価値がある)」と称賛し、正式にこの名前を採用したという。以来、済南の街全体に広まり、山東を代表する名菜として今に伝わっている。
調理法も名前に負けず劣らず手が込んでおり、中国語では「一焯・二煮・三炸・四烧(下茹で・本煮込み・揚げる・煮絡める)」という4段階の工程で語られる。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で再現できる本場の配合と手順を公開する。
本場式の配合
材料(2人分)
作り方
豚大腸は塩と白酢でよくもみ洗いし、ぬめりと臭みを取ってから流水で数回すすぐ(下処理済みのものを使う場合はこの工程を簡略化できる)。
鍋に湯を沸かし、大腸をさっと下茹でしてアクを取り、ざるに上げて水気をよく拭く(一焯)。
別の鍋に大腸・生姜・八角・水(かぶるくらい)を入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして40〜50分ほど柔らかくなるまで煮込む(二煮)。煮汁は捨てずに取っておく。
煮た大腸をざるに上げてしっかり水気を切り、粗熱を取る。
フライパンに揚げ油を入れて170〜180℃に熱し、大腸を表面がきつね色になるまで2〜3分揚げる(三炸)。油を切っておく。
フライパンの油を少量残して熱し、砂糖を入れて弱火でカラメル状になるまで炒める。
にんにく・長ねぎ・花椒を加えて香りを立たせ、揚げた大腸を戻し入れる。
醤油・米酢・紹興酒・塩・白胡椒粉、および3で取っておいた煮汁を大さじ2〜3加えて中火で煮絡め、とろみが出て全体に照りが出たら完成(四烧)。
本場と日本の違い
- 本場・済南では豚大腸を1本まるごと使い、内側と外側を折り返して4層に重ねる独特の成形をしてから調理するが、家庭では手に入りやすい輪切りタイプの下処理済み大腸で代用しても味わいは十分再現できる。
- 「甜(甘)・酸(酸)・苦(ほろ苦)・辣(辛)・咸(塩)」の五味を一皿で表現するのが本場の特徴とされ、砂糖の量が日本の煮物よりかなり多め。この甘みの強さこそが九転大肠らしさの決め手になる。
- 日本の中華料理店ではモツ料理自体があまり定番化していないため、この一皿は「ガチ中華」の中でも特に山東料理の個性を体験できるメニューといえる。
参考ページ(写真)
美食天下の「九转大肠的做法」レシピページに、下処理から仕上げの照りが出るまでの手順写真が掲載されています。 https://home.meishichina.com/recipe-27356.html
代用可能な食材
- 豚大腸→下処理済みで販売されているものを中華食材店や通販で入手するのがおすすめ(下処理の手間が大幅に減る)
- 花椒→省略可(辛さがマイルドになる)
- 紹興酒→黄酒または日本酒
保存・アレンジのコツ
- 冷蔵で2日ほど保存可能。温め直すとタレがより大腸になじんでおいしくなる。
- 仕上げに香菜を散らすと、見た目にも本場らしい彩りが加わる。
- 辛さを強めたい場合は、仕上げに乾燥唐辛子の輪切りを一緒に炒め合わせるとよい。
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。