山東料理・鲁菜锅塌豆腐
鍋塌豆腐レシピ本場山東の配合を徹底解説

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炒める、揚げる、蒸す、煮る――中国料理の調理法は数あれど、「塌(ター)」という技法を知っている人は日本ではまずいないだろう。これは山東料理(鲁菜)が生んだ独自の技法で、その代表作が「鍋塌豆腐」だ。
「鍋塌」とは、平たく切った素材に卵の衣をまとわせ、少量の油で両面をこんがり焼いたあと、調味したスープを注いでふたをし、汁をすっかり吸わせきる調理法のこと。北京の老舗・豊沢園の鲁菜技法を紹介する記事によれば、仕上がりは「色は黄金色でつやがあり、やわらかくて香り高い」。焼き物の香ばしさと煮物のしっとり感を一皿で両立させる、手間のかかった家庭料理の知恵でもある。
同じ記事は、鍋塌豆腐が明代の済南にすでに現れ、清の乾隆年間には宮廷料理に取り入れられたと伝えている。済南の地元メディアも、爆炒腰花や糖醋里脊と並べて鍋塌豆腐を「済南府の伝統名菜」に数える。鍋塌の技法は豆腐以外にも応用され、済南の老舗・九華楼の品書きには蒲菜(ガマの若芽)を使った「鍋塌蒲菜」も並んでいた。
見た目は日本の豆腐のピカタに近いが、食べるとまるで別物。卵の衣がスープを吸ってふるふるとやわらかくなり、中の豆腐まで鶏スープのうま味がしみている。揚げ出し豆腐のように汁に浸して出すのでもなく、汁は豆腐がすべて吸い込んでいるのが理想の仕上がりだ。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
豆腐と衣
- 木綿豆腐400g
- 塩(下味用)1g
- 白こしょう0.2g
- 小麦粉20g
- 卵2個
- サラダ油大さじ2(30ml)
塌のスープ
作り方
豆腐は厚さ7mm・長さ5cm・幅3cmに切る(約16枚)。蒸気の上がった蒸し器で5分蒸して余分な水分を出し、キッチンペーパーに並べて5分おき、表面の水気をふき取る。
豆腐の両面に塩1gと白こしょう0.2gを均一にふる。
鶏スープ150ml・生抽10ml・黄酒10ml・砂糖2g・塩3gを混ぜてスープを作っておく。卵はボウルに溶きほぐす。
豆腐の両面に小麦粉を薄くまぶし、余分な粉をはたいてから溶き卵にくぐらせる。
直径26cmのフライパンにサラダ油30mlを中火で熱し、豆腐を重ならないように並べる。残った溶き卵を豆腐のすき間に流し入れ、豆腐同士をつなげるようにして2分、底面が薄いきつね色になるまで焼く。
フライ返しを使い、全体を1枚の板のように返して(難しければ1枚ずつ返す)、裏面も2分焼く。
長ねぎと生姜の千切りを豆腐の上に散らし、3のスープを鍋肌から回し入れる。ふたをして弱火で5〜6分、スープがほとんどなくなるまで豆腐に吸わせる。
ふたを取ってごま油3mlを回しかけ、フライパンを揺すって底から離し、そのまま皿に滑らせるように移す。
本場と日本の違い
- ピカタや揚げ出し豆腐との違い:日本の豆腐ピカタは焼いて終わり、揚げ出し豆腐は揚げてからつゆに浸す。鍋塌豆腐は焼いたあとスープを吸わせきる「焼く+煮る」の二段構えで、衣はふんわり、豆腐の中まで味がしみる。
- 汁を残さない:「塌」の完成形は、スープを豆腐がすべて吸い込み、皿に汁が流れない状態。スープが残っていたら、ふたを取って弱火で少し煮詰める。
- 一枚板に仕上げる:本場の作り方では、豆腐を卵の衣の上に並べ、さらに卵液を塗って一枚の板のように焼き上げる。家庭では難しいので1枚ずつ返してもよいが、盛り付けは崩さず平らに滑らせるのが美しい。
- 味つけはあっさり:塩味と鶏スープのうま味が主役で、甘辛い濃い味ではない。鲁菜が重視する「湯(スープ)」の考え方がそのまま生きている。
参考ページ(写真)
下厨房の「最下饭的锅塌豆腐」レシピページに、豆腐に卵をまとわせて焼き、汁を吸わせるまでの手順写真が掲載されています。
(https://m.xiachufang.com/recipe/101863957/)
代用可能な食材
- 木綿豆腐:中国の北豆腐に近い、かための木綿豆腐を選ぶ。絹ごし豆腐は崩れやすいので向かない
- 鶏スープ(無塩):市販の鶏がらスープの素を使う場合は、湯150mlに顆粒2gを溶かし、塩を1.5gに減らす
- 小麦粉:片栗粉20gでも可(衣がややもっちりする)
保存・アレンジのコツ
- 作りたてが最もおいしい。冷蔵で翌日まで保存でき、電子レンジで温め直す
- 豆腐の代わりに白身魚の切り身やなすの輪切りを使っても、同じ手順で「鍋塌」になる
- スープに干しえび5gを加えると、うま味の強い家庭風の仕上がりになる
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。