インド中華(インディアンチャイニーズ)Chilli Paneer

チリパニールレシピインディアンチャイニーズの配合を徹底解説

角切りの揚げパニールをピーマン、玉ねぎ、乾燥唐辛子と赤いソースで炒め合わせたチリパニールのイラスト
地域
インディアンチャイニーズ
分量
2人分
公開

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以前このシリーズで紹介した「チリチキン」。その鶏肉をパニールに替えたベジタリアン版が、今回のチリパニールです。菜食の人が多いインドでは、インド中華の店でチリチキンと並ぶ定番メニューです。

パニールは、牛乳や水牛の乳をレモン汁などの酸で固めて作る、熟成させないフレッシュチーズ。英語版ウィキペディアは「加熱しても溶けないチーズ」と説明しています。揚げても形が崩れないので、衣をつけてカリッと揚げ、甘辛いソースで和えるインド中華の「チリ」スタイルにぴったりなのです。同じ記事によれば、インド中華の料理は主役を鶏肉からほかの肉や野菜、パニールに替えて作られることが多く、ゴビ・マンチュリアンのようにカリフラワーを使うベジタリアン版も人気です。

インド中華の始まりは、1778年にコルカタ近郊へ製糖工場を開いた中国人移民にさかのぼります。インドのウェブメディアScroll.inによれば、その後コルカタの第二のチャイナタウン・タングラで皮なめし業を営んだ客家系の人々が店を開き、インド人客に合わせて唐辛子をたっぷり使うようになりました。

チリパニールには、ソースを絡める程度のドライ、少し汁気を残すセミドライ、ご飯や麺にかけるグレイビーの3タイプがあります。ここから先は、英語の複数レシピを比較して割り出した、セミドライのインド式の配合と手順を解説します。

インド式の配合

材料(2人分)

パニールと衣

  • パニール2cm角に切る200g
  • 片栗粉大さじ3(24g)
  • 薄力粉大さじ2(16g)
  • にんにく(すりおろし)小さじ1/2(3g)
  • しょうが(すりおろし)小さじ1/2(3g)
  • カシミールチリパウダーまたはパプリカパウダー小さじ1/4(0.5g)
  • 黒こしょう0.5g(小さじ1/4)
  • 塩1g(小さじ1/6)
  • 水50ml
  • サラダ油(揚げ焼き用)大さじ3(45ml)

ソース

  • サラダ油大さじ1(15ml)
  • にんにく(みじん切り)10g
  • しょうが(みじん切り)5g
  • 青唐辛子縦に切り込みを入れる2本(10g)
  • 玉ねぎ2cm角に切ってばらす1/2個(100g)
  • ピーマン2cm角に切る2個(60g)
  • 生抽大さじ1(15ml)
  • トマトケチャップ大さじ2(30g)
  • チリソースまたはスイートチリソース大さじ1(15g)
  • 米酢小さじ1(5ml)
  • 砂糖小さじ1/2(2g)
  • 黒こしょう0.5g(小さじ1/4)
  • 水溶き片栗粉片栗粉小さじ2(6g)
    +水100ml
  • 青ねぎ(小口切り)15g

作り方

  1. ボウルに片栗粉・薄力粉・にんにく・しょうが・カシミールチリパウダー・黒こしょう0.5g・塩1gを入れ、水50mlを少しずつ加えて、スプーンからとろりと落ちるくらいの衣を作る。

  2. パニールを1に入れ、全体に衣をからめる。

  3. フライパンにサラダ油大さじ3を中火で熱し、パニールを並べて3〜4分、転がしながら全面がきつね色でカリッとするまで揚げ焼きにし、網に取り出す。

  4. フライパンの油を拭き、サラダ油大さじ1を強火で熱して、にんにく・しょうが・青唐辛子を30秒炒める。

  5. 玉ねぎとピーマンを加え、強火で1分炒める(野菜の歯ごたえを残す)。

  6. 生抽・トマトケチャップ・チリソース・米酢・砂糖・黒こしょう0.5gを加えて全体にからめる。

  7. 水溶き片栗粉(片栗粉6g+水100ml)をよく混ぜて加え、中火で1〜2分、ツヤととろみが出るまで混ぜる。

  8. 火を止めて3のパニールと青ねぎの半量を加え、手早く和える。器に盛り、残りの青ねぎを散らして完成。

中国本土の原型との違い・インドならではの特徴

  • 「チリ」は料理のスタイル名:インド中華の「チリ」は、衣をつけて揚げた具を唐辛子と一緒に炒め合わせるスタイルのこと。鶏肉ならチリチキン、パニールならチリパニールというように、同じソースで主役だけを替えていく。
  • 中国料理にはないチーズが主役:中国本土の炒め物に乳製品のチーズが使われることはほぼない。加熱しても溶けないパニールを肉の代わりに使うのは、ベジタリアンが多いインドならではの発想。
  • ソースはケチャップと醤油の甘辛味:豆板醤や花椒の辛さではなく、醤油にトマトケチャップとチリソースを合わせた甘辛さに、青唐辛子のフレッシュな辛みを重ねる。ただしケチャップの有無は作り手次第で、インドの有名シェフ、サンジーヴ・カプールのレシピはケチャップを使わず、醤油・青唐辛子ソース・酢だけのきりっとした味に仕上げている。
  • にんにく・しょうがを衣にも入れる:衣そのものにもにんにく・しょうがのペーストとチリパウダーを混ぜるのがインド式。中国の衣は粉と卵だけのことが多い。
  • チリチキンとの違い:チリチキンは卵入りの衣でしっかり揚げるが、今回比較したチリパニールのレシピはいずれも卵を使わない衣で、多くは少なめの油で揚げ焼きにする。パニール自体に味がほとんどないため、衣に下味をつけておくのがポイント。

参考ページ(写真)

Dassana's Veg Recipesのチリパニールのレシピページに、衣づけから仕上げまでの手順写真が掲載されています。

(https://www.vegrecipesofindia.com/chilli-paneer-restaurant-style-recipe/)

代用可能な食材

  • パニール:輸入食材店や通販で冷凍品が手に入る。自作する場合は、牛乳1,000mlを沸騰させてレモン汁45mlを加え、分離したらさらしでこして重しをのせ、1時間水切りすると約200gできる。手軽さを優先するなら、しっかり水切りした木綿豆腐や、焼いても溶けにくいハルーミチーズでも作れる
  • カシミールチリパウダー:色づけが主な役割なので、パプリカパウダーで代用可(辛みが欲しければ一味唐辛子0.2gを足す)
  • 青唐辛子:日本の青唐辛子やししとうで代用可
  • チリソース:日本ではベトナムのチンスチリソースが手に入りやすい(甘めなので、大さじ1につき米酢小さじ1/2を足す)。スイートチリソース大さじ1+豆板醤小さじ1/4でも代用可

保存・アレンジのコツ

  • 揚げ焼きにしたパニールは冷蔵で翌日まで保存できる。フライパンで1〜2分温め直してからソースと和えると衣の食感が戻る
  • ソースを和えた状態は衣がふやけやすいので、食べる直前に和えるのがベスト
  • 衣をよりカリッとさせたいなら、パニールに片栗粉大さじ1(8g)を先にまぶしてから衣にくぐらせる。インドの料理研究家タルラ・ダラルのレシピでも使われている「二度づけ」の方法
  • グレイビータイプにするなら、生抽を大さじ2(30ml)、チリソースを大さじ2(30g)、水溶き片栗粉を片栗粉小さじ4(12g)+水200mlに増やす。フライドライスやハッカヌードルにかけて食べるのがインド流

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。