新疆・西北料理・西北菜羊肉串

羊肉串レシピ本場新疆の配合を徹底解説

燃え盛る炭火を背に、スパイスをまぶしてこんがり焼いた金串の羊肉串のイラスト
地域
西北(新疆)
分量
2人分
公開

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夜市の煙と炭の香り、じゅうじゅうと脂が弾ける音——「羊肉串(ヤンロウチュアン)」は、新疆を代表する存在として日本でもすっかりおなじみになった串焼きです。ですが実はこの料理、その歴史は新疆だけにとどまらず、中国の焼き肉文化そのものの古い起源にまでさかのぼります。

考古学的な証拠として、江蘇省・徐州で出土した東漢(後漢)時代の画像石(高さ78cm×幅70cmの石板)には、一人が扇で火を扇ぎ、もう一人が串に刺した肉を炙る様子がはっきりと描かれています。当時の主な食材はやはり羊肉でしたが、まだ西域から伝わる香辛料が中国全土には普及しておらず、塩辛い味噌だれにつけて食べるのが一般的だったそうです。焼き肉はもともと貴族だけが口にできるごちそうでしたが、漢代になるとより広く庶民の間にも普及していったと考えられています。

その後、シルクロードを通じてクミンなどの西域の香辛料が伝わったことで、現在のような「塩・クミン・唐辛子粉」で味付けするスタイルが確立されました。ウイグル族の伝統料理では羊肉串は「喀瓦甫(カワプ)」と呼ばれ、庫車(クチャ)では1メートルもの長さがある豪快な串「米特尔喀瓦甫」が名物として知られています。古代の宮廷料理が、いつしか庶民の屋台グルメへと姿を変えた——そんなロマンを感じさせる一皿です。ここから先では、中国語の複数レシピを比較して割り出した「本場の配合と手順」を解説します。

本場のレシピ

材料(2人分)

  • 羊肉もも肉など、脂身が少し付いたもの400g
  • 玉ねぎすりおろすか、すりおろし器でおろす1/2個
  • 卵白1個分
  • 塩下味用小さじ1/3
  • 白こしょう少々
  • 薄力粉小さじ1
  • クミン粉(孜然粉)焼き上げ用大さじ1
  • 唐辛子粉辣椒粉。お好みで調整小さじ1
  • 塩仕上げ用、味を見ながら調整小さじ1/3
  • サラダ油焼き上げ用適量

作り方

  1. 羊肉は2〜3cm角の一口大に切る。

  2. 玉ねぎをすりおろし、軽く塩をふって少し置き、出てきた汁を絞り出しておく。

  3. ボウルに羊肉、玉ねぎの搾り汁、卵白、塩(下味用)、白こしょう、薄力粉を入れてよく揉み込み、冷蔵庫で30分ほど漬け込む。

  4. 下味をつけた羊肉を串に刺す。可能であれば赤身と脂身を交互に刺すと、焼いたときに脂がジューシーに絡む。

  5. グリルまたは焼き網で串を焼き、表面の色が変わってきたら塩(仕上げ用)・クミン粉・唐辛子粉を全体にふりかける。

  6. 途中で油を薄く塗りながら、さらに焼き色がしっかりつくまで焼く。

  7. 中まで火が通ったら器に盛り、お好みでさらにクミン粉をふって完成。

本場と日本の違い

  • 呼び方:新疆の本場では単に「烤肉(カオロー)」と呼ぶのが定番で、わざわざ「羊肉串」「烤羊肉串」と言うのは実は外地者(新疆以外の人)の証だとされています。日本では「羊肉串」という名前でメニューに載ることがほとんどです。
  • 肉の刺し方とサイズ:本場では鉄串や紅柳(コウリュウ)の枝に、赤身と脂身を交互に大きめに刺すのが定番で、他地域の串の2倍以上のサイズになることもあります。日本の焼肉店などで出る羊肉串は、それに比べるとコンパクトで食べやすいサイズのものが多いです。
  • 調味料のシンプルさ:本場は塩・クミン・唐辛子粉のみといたってシンプルな味付けが基本で、羊肉自体の脂が天然の油の役割を果たします。日本ではニンニクや醤油などを加えた、より複雑な下味のレシピも見られます。
  • 添え物・食べ方:本場では焼きたての羊肉串を、馕(ナン)や格瓦斯(クワス、新疆式の自家製発酵飲料)と一緒に楽しむのが定番です。日本ではビールのお供として単品で提供されることが多く、こうした本場ならではの組み合わせはあまり知られていません。

参考ページ(写真)

下厨房の「新疆羊肉串」レシピページに手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/107584459/

代用可能な食材

  • 羊肉:入手困難な場合は牛肉の赤身と脂身の組み合わせで代用可(風味は変わる)
  • クミン粉:クミンシード(ホール)を軽く炒って挽いても代用可、香りがより強くなる
  • 紅柳の枝・鉄串:入手できない場合は一般的な竹串や金属串で代用可(竹串は水に浸してから使うと焦げにくい)

保存・アレンジのコツ

  • 下味をつけた状態で冷凍保存も可能。解凍後すぐ焼ける
  • 焼き上がりにクミン粉を追いがけすると、より本場らしい香りが際立つ

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。