新疆・西北料理・西北菜烤包子
烤包子(新疆式羊肉パイ)レシピ本場新疆の配合を徹底解説

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「包子」と聞いて蒸したふかふかの肉まんを思い浮かべると、新疆の烤包子には驚かされる。生地は発酵させない薄い皮で、四辺を折りたたんで正方形に包み、ナンを焼く土窯「馕坑」の内壁に貼りつけて焼き上げる。見た目も食感も、肉まんよりむしろミートパイに近い。
ウイグル語では「萨木萨(サムサ)」と呼ばれ、中央アジア各地に広がるサムサと同じ系統の食べ物だ。喀什地区行政公署のサイトは、その歴史を紀元前2世紀のシルクロードの交流にまでさかのぼらせ、2016年には「首届中国金牌旅游小吃」に選ばれ、自治区級の無形文化遺産にも登録されたと紹介している。一方、光明日報系の『文摘報』のコラムは、清代以前の漢族の食文化にはほとんど登場せず、記録も乏しいと書いており、古さについては諸説あるというのが正直なところだ。
地域でいえば西北料理、なかでも新疆の定番小吃。吐魯番市政府の紹介によれば、伝統的なあんは新鮮な羊肉と羊の尾の脂(羊尾油)を同量ずつ、白玉ねぎとともに小さな角切りにし、クミン・塩・胡椒で調味するもので、270℃に達した馕坑で十数分焼くと、表面はこんがり、中からは羊の脂と玉ねぎの汁がじゅわっとあふれ出す。北疆は羊肉一本、南疆はあんのバリエーションが豊かだとも言われる。
日本の「羊肉まん」や焼き小籠包を想像すると、脂の量と皮の薄さ、そして玉ねぎの甘みの強さに面食らうはずだ。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭のオーブンで作る烤包子の配合と包み方を公開する。
本場の配合
材料(12個分・4人分)
皮(無発酵生地)
- 中力粉300g
- 水165ml
- 塩3g(小さじ1/2程度)
あん
- 羊肩肉(脂身つき)250g
- 羊の脂身なければ牛脂80g
- 玉ねぎ(白)300g
- クミンパウダー4g
- 黒胡椒(粗挽き)2g
- 塩6g(小さじ1程度)
仕上げ
- 溶き卵1個分(50g)
- 白ごま5g
- サラダ油(天板用)5ml
作り方
皮を作る。中力粉300gに塩3gを混ぜ、水165mlを3回に分けて加えながら箸で混ぜ、まとまったら手で5分こねる。ラップをかけて室温で30分休ませる。
あんを作る。羊肩肉と羊の脂身を、それぞれ5〜7mm角に包丁で切る(ひき肉にしない)。切りやすいように、冷凍庫で30分ほど半冷凍にしておくとよい。
玉ねぎも5〜7mm角に切る。
ボウルに羊肉・脂身・玉ねぎを入れ、クミンパウダー4g・黒胡椒2g・塩6gを加えて、粘りが出ない程度にさっくり混ぜ、10分置いてなじませる。
オーブンを230℃に予熱する。
生地を12等分(1個約39g)して丸め、麺棒で直径13cm前後の円形に薄くのばす。
生地の中央にあんを12等分(1個約52g)してのせ、上下の辺を中央に折り重ね、続いて左右の辺を折り重ねて正方形に包む。合わせ目はしっかり押さえ、閉じ目を下にする。
天板にオーブンシートを敷いてサラダ油5mlを薄く塗り、包子を並べる。表面に溶き卵を塗り、白ごま5gを散らす。
230℃のオーブンの中段で20分焼く。表面がこんがりきつね色になり、底から脂がじゅくじゅくと音を立てていれば焼き上がり。色づきが淡い場合は、さらに5分焼く。
焼きたての熱いうちに食べる。中の脂が熱いので、かじるときは注意する。
本場と日本の違い
- 発酵させない薄皮。 日本の肉まんのような発酵生地ではなく、無発酵の薄い皮で包む。焼くとパリッと香ばしく、あんの肉汁と脂を皮が受け止める。
- ひき肉ではなく「角切り」。 羊肉・脂・玉ねぎをすべて小さな角切りにするのが本場流。ひき肉で作ると肉汁が流れやすく、食感も単調になる。
- 脂を「足す」料理。 伝統的なあんは羊肉と羊尾油が同量。日本では脂を控えがちだが、脂が焼ける香りと玉ねぎの甘みこそが烤包子の味の芯になる。
- 本来は馕坑(土窯)で焼く。 高温の窯の内壁に貼り付けて焼くため、底まで香ばしく焼き上がる。家庭のオーブンでは、天板ごとしっかり予熱し、高温で一気に焼くのが近づけるコツ。
- 日本のサムサとの関係。 日本で見かける「サムサ」は中央アジア(ウズベキスタンなど)系の三角形のものが多い。新疆の烤包子は同系統だが、正方形に包むのが一般的。
参考ページ(写真)
下厨房の「新疆烤包子(超详细)」レシピページに、あんの切り方から正方形の包み方、焼き上がりまでの手順写真が掲載されています。
(https://m.xiachufang.com/recipe/106903093/)
代用可能な食材
- 羊の脂身:牛脂(精肉店・スーパーの無料のものでも可)、または豚の背脂で代用可(豚の場合は風味が変わる)
- 羊肩肉:ラムのもも肉でも可。その場合は脂身を100gに増やすとジューシーさを保てる
- 中力粉:強力粉と薄力粉を同量ずつ混ぜて代用可
- 白玉ねぎ:普通の黄玉ねぎで問題ない(本場でも紫玉ねぎを使うレシピがある)
保存・アレンジのコツ
- 焼く前の包んだ状態で冷凍保存でき(2〜3週間)、凍ったまま230℃で25分焼けばよい
- 焼いたものは冷蔵で2日。温め直しはオーブントースターで5分ほど焼くと皮のパリッと感が戻る
- 南疆では、あんに野菜や豆腐を加えるバリエーションもあるとされる。羊肉の一部を角切りの豆腐や野菜に置き換えると、脂の重さが和らいだ軽い仕上がりになる
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。