新疆・西北料理・西北菜新疆拌面

新疆拌麺(ラグメン)レシピ本場新疆の配合を徹底解説

皿に盛った太い手延べ麺に、角切りの肉とトマト、ピーマン、玉ねぎの炒め物をかけた新疆拌麺のイラスト
地域
西北(新疆)
分量
2人分
公開

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新疆の拌麺づくりには、包丁も麺棒も出てこない。油を塗って寝かせた生地を、手で引っ張って伸ばし、そのまま湯に落としていく。ゆで上げた麺に羊肉と野菜の炒め物をかけ、皿の上で混ぜて食べる——これが新疆拌麺だ。現地では「拉条子(ラーティアオズ)」の俗称で呼ばれ、日本では「ラグメン」の名で紹介されることもある。

拉条子の起源には諸説ある。中国語の百科事典は、代々引き伸ばし麺を食べてきた甘粛省・河西走廊の人々が新疆北部へ移り住み、その麺食文化が根づいたと説明する。一方、光明日報は、シルクロードを行き来した山西のラクダ隊商が持ち込んだという説、河西走廊から来たという説、新疆で生まれたという説を並べ、定説はないと紹介している。麺と炒め物を「拌(混ぜる)」ことから新疆拌麺の名が生まれ、今では新疆だけでなく西北各省の各民族に愛される大衆的な麺料理になった。

特徴は、麺と具がひと皿で完結する「菜麺合一」のスタイル。具の炒め物には、赤唐辛子・青唐辛子・トマト・皮牙子(ピーヤーズ=玉ねぎ)が欠かせないとされる。中でも定番が、下味をつけた羊肉を油にくぐらせてから野菜と炒め合わせる「過油肉(グオヨウロウ)拌麺」だ。

西北料理の中でも、羊肉と小麦の組み合わせをいちばん素直に味わえる一皿。日本の中華麺とは「切らずに引き伸ばす」という点がまったく違う。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、拉条子の生地配合と過油肉の手順を公開する。

本場の配合

材料(2人分)

麺(拉条子)

  • 中力粉400g
  • 水200ml
  • 塩4g
  • サラダ油(麺に塗る用)15ml
  • 麺をゆでる湯3000ml

羊肉の下味

過油肉(具)

  • サラダ油(過油用)100ml
  • 玉ねぎ1/2個(100g)
  • ピーマン3個(100g)
  • トマト1個(150g)
  • 長ねぎ(みじん切り)10g
  • 生姜(みじん切り)5g
  • にんにく(すりおろし)15g
  • ぬるま湯(にんにく汁用)30ml
  • 生抽15ml
  • 十三香1g
  • 塩3g(小さじ1/2程度)
  • 水50ml
  • 陳醋5ml

作り方

  1. 塩4gを水200mlに溶かす。中力粉400gに数回に分けて加えながら混ぜ、そぼろ状になったら手でひとまとめにする(この段階では表面がでこぼこでよい)。ラップをかけて30分休ませ、再び力を入れて3分こねる。この「休ませる→こねる」をもう一度繰り返し、3回目は表面がなめらかになるまでこねる。

  2. 生地を厚さ1cmに押し広げ、1.5cm幅の棒状に切る。1本ずつ台の上で転がし、箸より少し太い直径1cmほどのひも状にする。サラダ油15mlを全体に塗り、皿に渦巻き状に並べてラップをかけ、室温で1時間休ませる。

  3. 羊もも肉を2cm四方の薄切りにし、塩1g・生抽5mlをもみ込んでから、溶き卵15g・片栗粉5gの順に加えて混ぜ、15分置く。

  4. 玉ねぎとピーマンは一口大、トマトは2cm角に切る。にんにく15gにぬるま湯30mlを加えて混ぜ、にんにく汁を作る。

  5. フライパンにサラダ油100mlを入れて140〜150℃に熱し、羊肉を入れてほぐしながら30秒ほど火を通す。色が変わったらすぐに網じゃくしで引き上げる(過油)。

  6. フライパンの油を15mlだけ残し、中火で長ねぎ・生姜を10秒炒める。強火にして玉ねぎとピーマンを加え、30秒炒める。

  7. トマトを加え、生抽15ml・十三香1g・塩3gを入れて2分炒め、トマトが崩れて赤い汁が出るまで炒める。水50mlを加えてひと煮立ちさせる。

  8. 羊肉を戻し入れて30秒炒め合わせ、にんにく汁を回し入れる。最後に陳醋5mlを鍋肌から加えて火を止める。

  9. 鍋に湯3000mlを沸かす。2の生地を1本ずつ両手で持ち、両端を左右に引っ張りながら台に軽く打ちつけるようにして、直径3〜4mmまで伸ばして湯に落とす。全部入れたら、麺が浮いてからさらに2分ゆでる。

  10. 麺をざるに上げ、冷水でさっと洗ってぬめりを落とし、水気を切る。皿に麺を盛り、8の過油肉を汁ごとかけ、よく混ぜて食べる。

本場と日本の違い

  • 麺は「切る」のではなく「引き伸ばす」。 拉条子は生地をのばしたり押し切ったりせず、手で引いて作るのが定義。油を塗って長く寝かせることで、ちぎれずに細く伸びる。
  • 具と麺がひと皿で完結する。 汁麺ではなく、炒め物をかけて混ぜる「菜麺合一」の料理。具の炒め物にはトマト・玉ねぎ・唐辛子類が欠かせない。
  • 肉は油にくぐらせてから炒める。 過油肉拌麺では、下味と卵・片栗粉をまとわせた羊肉を多めの油で先に火を通し、野菜を炒めた最後に戻す。羊肉が硬くならず、しっとり仕上がる。
  • にんにく汁が香りの決め手。 仕上げにすりおろしにんにくをぬるま湯でのばした汁を回しかけるのが、本場のレシピで強調されるポイント。
  • 具は一種類ではない。 過油肉のほか、牛肉と季節の野菜を炒めたもの、八角・花椒で香りを移した油でトマト煮風に仕上げたものなど、家庭や店ごとに具が変わる。

参考ページ(写真)

美食天下の「新疆过油肉拌面」レシピページに、拉条子の生地作りから過油肉の炒め方までの手順写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-537847.html)

代用可能な食材

  • 羊もも肉:牛もも肉で代用可(本場のレシピにも牛肉版がある)
  • 中力粉:強力粉と薄力粉を同量ずつ混ぜて代用可
  • ピーマン:万願寺唐辛子やししとうでも可。辛みを足すなら生の青唐辛子1本を加える
  • 十三香:五香粉0.5g+クミンパウダー0.5gで代用可
  • 陳醋:黒酢で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 油を塗って休ませた生地は、ラップで包めば冷蔵で翌日まで使える。伸ばす前に室温に30分置いて戻すとちぎれにくい
  • 過油肉は冷蔵で2日保存できる。食べる直前に温め直し、ゆでたての麺にかける
  • 牛肉200gで作る場合は、八角2個と花椒2gを油で炒めて香りを移し、その油で肉と野菜を炒めると、別系統の新疆拌麺になる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。