福建料理・闽菜同安封肉
同安封肉レシピ本場福建・厦門の配合を徹底解説

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「封肉がなければ宴にならない(無封肉、不成席)」――厦門の同安では、そう言われるほど祝いの席に欠かせない肉料理がある。皮付きの豚肉を四角い大きな塊のまま布で包み、椎茸・干しエビ・栗と一緒に何時間も煮込む「同安封肉」だ。
名前の「封」にはいわれがある。澎湃新聞の記事によれば、起源は五代十国の後梁・開平4年(910年)にさかのぼるという。閩の地を治めた王審知が「閩王」に封じられたことを祝う宴で、地元の役人が豚肉を四角く切り、調味料とともに布で包んで蒸した料理を出した。その四角い形が官印に似ていたことから「封肉」と名づけられた、と伝えられている。封には「封じる(包んで閉じる)」と「封ぜられる(位を授かる)」の両方の意味が重なっているわけだ。
伝統的には、蓋をしたまま蒸し上げて食卓に運び、客の前で布を開けて取り分ける。上等なものは、箸を落とすだけで肉が切れるほど柔らかいという。結婚式や新居祝いなど閩南の人生の節目に供される料理で、台湾や海外の閩南系華僑の家庭でも、祝日には故郷の味としてこの封肉が作られてきた。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭の鍋で作れる同安封肉の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(4〜6人分)
肉
- 豚肩肉(皮付きの塊。前脚側の肉)1kg
- サラダ油30ml
包む具
煮汁
仕上げ
- 片栗粉5g
- 水(片栗粉を溶く用)10ml
道具
- 蒸し布(ガーゼ)たこ糸50cm角1枚
作り方
干し椎茸はぬるま湯200mlに30分浸けて戻し、軸を取る。戻し汁は取っておき、水を足して500mlにする。干しエビはさっと洗う。
豚肉は皮の表面に残った毛を包丁でこそげ取り、たっぷりの湯で5分下ゆでして水気を拭く。皮を下にして置き、肉側に深さ2/3まで、縦2本・横2本の格子(井の字)の切り込みを入れる(煮汁が中までしみ、取り分けやすくなる)。
フライパンにサラダ油30mlを中火で熱し、2を皮側から焼く。はねるのでふたを半分かぶせ、皮がきつね色になったら返して、全面に焼き色をつける(計10分ほど)。
蒸し布を水でぬらして固く絞り、中央に3の肉を皮を上にしてのせる。周りと上に椎茸・干しエビ・栗を置き、布の四隅を持ち上げて肉ごと四角く包み、たこ糸でしっかり縛る。
肉がぴったり入る深めの鍋に4を皮側を上にして入れ、1の戻し汁(水と合わせて500ml)・八角2個・桂皮3g・香葉2枚・生抽50ml・老抽10ml・料理酒30ml・麦芽糖40gを加える。強火で沸かしたらふたをして、ごく弱火で2時間30分〜3時間煮込む。30分おきに煮汁を上から回しかけ、焦げつかないよう鍋底に箸を2本渡して包みを浮かせておくとよい。
竹串がすっと通るくらい柔らかくなったら、包みごと深めの器に移す。
煮汁は漉してスパイスを除き、中火で150mlほどまで煮詰める。片栗粉5gを水10mlで溶いて加え、軽くとろみをつける。
食卓ではさみで布を十字に切り開き、7の煮汁をかけて、椎茸・栗と一緒に取り分けて食べる。
本場と日本の違い
- 東坡肉・角煮との違い:日本の豚の角煮や東坡肉は、豚バラ肉を一口大〜拳大に切って煮込むのが一般的。同安封肉は1kg前後の塊を切らずに布で包んで仕上げ、食卓で開けて取り分ける「大きな一品」で、宴の中盤に出されるごちそうだ。
- 具も一緒に「封じる」:椎茸・干しエビ・栗を肉と一緒に包み込むため、干物のうま味と栗の甘みが肉にしみ込み、具も煮汁を吸って主役級の味になる。
- 伝統の蒸し方:本来は肉を器に入れて蓋をし、蒸籠で長時間蒸し上げて、食卓で蓋を開ける。家庭では今回のように鍋で煮込む方法や、圧力鍋で30分加圧する方法も行われている。
参考ページ(写真)
下厨房の「厦门同安封肉」レシピページに、肉の焼き付けから布で包み、はさみで切り開くまでの手順写真が掲載されています。
(https://m.xiachufang.com/recipe/104121679/)
代用可能な食材
- 皮付き豚肩肉:日本では入手しにくいため、皮なしの肩ロースの塊、または豚バラの塊で代用可(バラはより脂が多く、とろける食感になる)。皮付きが欲しい場合は精肉店に注文するか、中国食材店の冷凍品を探す
- 麦芽糖:水飴で代用可。なければ氷砂糖30gでも作れるが、照りはやや弱くなる
- 干しエビ:桜エビの素干しで代用可
- 蒸し布:さらし、または目の粗いガーゼで代用可
保存・アレンジのコツ
- 煮汁ごと保存容器に入れ、冷蔵で4日ほど保存できる。表面に固まった脂を取り除いてから温め直すと、しつこくならない
- 翌日は薄切りにして、煮汁と一緒にご飯にのせれば封肉丼に。刈包(台湾式の蒸しパン)に挟んでもよい
- 圧力鍋を使う場合は、5の工程で加圧30分、自然放置で圧を抜いた後、ふたを開けて10分煮て煮汁を回しかける
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。