福建料理・闽菜面线糊

麺線糊レシピ本場福建・泉州の配合を徹底解説

青い縁の碗のとろみスープに、細い麺線、あさり、干しエビ、細切りの豚肉を入れた麺線糊のイラスト
地域
闽菜(福建・泉州)
分量
4人分
公開

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泉州の朝は、とろりとした麺のスープから始まる。髪の毛ほどに細い手延べの麺線を、豚骨と海鮮のだしで煮崩れる寸前まで煮込み、さつまいもでんぷんでとろみをつけた「麺線糊」だ。

この料理、泉州市では2024年に市の地方標準「泉州小吃 面线糊制作技艺」まで定められている。そこでは麺線糊を「細い麺線と高湯(だし)に食用でんぷんでとろみをつけ、白こしょう・当帰入りの料理酒・ねぎ・香菜などで調味した清らかな糊(とろみスープ)」と定義し、麺線は泉州の手作りで直径1mm以下、仕上がりは「糊にして爛れず、清くして濁らず」――とろみはあっても麺の形が見え、スープは澄んでいることが理想とされる。

麺線糊の楽しみは、トッピングを選ぶことにもある。福建日報によれば、店には煮込んだ大腸や卵、豆腐、揚げた豚肉、海鮮など数十種類の具が並び、地方標準でも具は3種類程度、多くても5種類までが勧められている。そして欠かせない相棒が油条(揚げパン)。ちぎって浸しながら食べる。

本サイトでは以前、台湾の「大腸麵線」を紹介した。台湾の麵線羹は泉州からの移民が持ち込んだ食文化がルーツとされる、いわば親戚にあたる料理だ。ただし麺もだしも味つけも、泉州の麺線糊とはかなり違う。ここから先は、泉州の地方標準と中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(4人分)

スープ

  • 極細の麺線(白麺線)100g
  • 豚骨スープ(無塩)1200ml
  • 干しエビ15g
  • あさり(殻付き・砂抜き済み)200g
  • サラダ油10ml
  • 塩4.5g(小さじ3/4)
  • さつまいもでんぷん(地瓜粉)35g
  • 水(でんぷんを溶く用)70ml

醋肉(酢入り衣の揚げ豚)

仕上げ

  • 白こしょう1g
  • 料理酒黄酒または日本酒8ml
  • 小ねぎ(小口切り)10g
  • 香菜(刻む)5g
  • 油条(揚げパン)1本(約60g)

作り方

  1. 醋肉を作る。豚肩ロース肉200gを3mm厚さ・3cm幅に切り、塩1.5g・生抽5ml・料理酒10ml・香醋20mlを揉み込んで15分置く。さつまいもでんぷん30gを加え、1枚ずつ粉がうろこ状に付くようによく混ぜる。

  2. 揚げ油400mlを170℃に熱し、1を1枚ずつ入れて2〜3分、両面がきつね色になるまで揚げ、キッチンペーパーに取って油を切る。

  3. スープを作る。鍋にサラダ油10mlを熱し、干しエビ15gを中火で30秒炒めて香りを出す。豚骨スープ1200mlを注いで沸かし、あさり200gを加える。殻が開いたらあさりを取り出し、身を殻から外しておく。

  4. 麺線100gを3〜4cm長さに折り、3の鍋に少しずつ散らしながら加えて、菜箸でほぐしながら中火で3分煮る(市販の麺線に塩気があるので、下ゆでせず直接入れる)。

  5. 塩4.5gを加えて味を調える。さつまいもでんぷん35gを水70mlで溶き、弱火にしてから鍋を時計回りにゆっくり混ぜつつ、細く垂らし入れる。全体にとろみがつき、麺がスープに浮かぶ状態になったら火を止める。

  6. 器に盛り、あさりの身と2の醋肉をのせる。白こしょう1gを振り、料理酒8mlを数滴ずつ回しかけ、小ねぎ10g・香菜5gを散らす。油条は3cmほどに切って添え、スープに浸しながら食べる。

本場と日本の違い

  • 台湾の大腸麵線との違い:以前紹介した台湾の大腸麵線は、長時間天日干しして赤褐色にした紅麺線を使い、かつお節(柴魚)のだしに烏醋・にんにく・香菜を効かせ、煮込んだ大腸が主役になる。泉州の麺線糊は白い極細の麺線を豚骨と海鮮のだしで煮崩れ寸前まで煮込み、味つけは塩と白こしょうで淡く澄ませ、具は好みで選ぶ。
  • 朝ごはんの定番:泉州では麺線糊は朝食の代表格で、油条を浸して食べるのが定番の組み合わせ。日本の中華料理店にはほぼ見かけない料理だ。
  • 当帰の香り:地方標準では当帰入りの料理酒で香りをつけることが明記されている。家庭では普通の料理酒で作れるが、漢方の当帰を少量漬けた酒を用意すると、より泉州らしい香りになる。
  • とろみの基準:日本のあんかけスープのようにぽってり固めるのではなく、麺の形が見え、スープが澄んだ状態にとどめる。

参考ページ(写真)

搜狐の「闽南人最温暖的回忆—面线糊」の記事に、麺線糊の仕上がりと具材の写真が掲載されています。

(https://www.sohu.com/a/439158747_99918022)

代用可能な食材

  • 極細の麺線:中華食材店の福建・台湾の白麺線が理想。手に入らなければ細めのそうめん(塩分があるので同様に下ゆでせず使う)で代用可
  • あさり:泉州ではマテ貝(蟶子)やムール貝(淡菜)、牡蠣なども使う。手に入る貝で代用可
  • さつまいもでんぷん(地瓜粉):片栗粉またはコーンスターチでも可(地方標準でも、さつまいも・とうもろこし・じゃがいものでんぷんが挙げられている)
  • 香醋:米酢でも作れるが、香醋のほうが醋肉らしい香りになる
  • 油条:市販の油条がなければ、揚げパンやクルトンで代用

保存・アレンジのコツ

  • 麺線糊は時間が経つと麺がスープを吸って固まるので、作りたてを食べ切る。残った場合は、水を足して温め直す
  • 醋肉は多めに揚げて冷凍しておけば、トースターで温め直して麺線糊や炒飯の具に使える
  • 具はゆで卵、豚レバー炒め、きのこ、揚げ豆腐などに替えてもよい。地方標準にならって、組み合わせは3種類程度にするとスープの味がまとまる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。