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肉夾饃(ロージャーモー)レシピ本場陝西・西安の配合を徹底解説

丸い白吉饃に、緑の薬味を混ぜた刻み煮込み肉を挟んだ肉夾饃2個のイラスト
地域
西北(陝西・西安)
分量
4個分
公開

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「世界最古のハンバーガー」。陝西省・西安の名物「肉夾饃(ロージャーモー)」は、ときにそんな呼び名で紹介される。香ばしく焼いた丸いパン「白吉饃」に切れ目を入れ、香辛料で煮込んだ豚肉「腊汁肉」を刻んで挟んだ、西安の街角の定番軽食だ。

起源には諸説ある。中文版ウィキペディアは、肉は周代、パンは秦代にさかのぼるという説を紹介し、西安の地元メディア・華商網は、腊汁肉の起源を『周礼』の「周代八珍」に求めつつ、肉夾饃の原型ができたのは唐代だとしている。どちらも伝承の域を出ない。はっきりしているのは近代で、同じ記事によれば、1920年代に樊鳳祥父子が西安で「樊記腊汁肉」の看板を掲げ、民国時代に腊汁肉夾饃が広まったという。

面白いのは名前の由来だ。「肉を饃に挟む」なら、現代中国語の語順では「饃夾肉」になるはず。なぜ「肉夾饃」なのかというと、古代中国語の「肉夾於饃(肉を饃に挟む)」という表現を略したものだから、と説明される。この説明は華商網や封面新聞の記事でも共通している。「肉夾」と「饃」の間にあった「於」が落ち、古い語順だけが残ったというわけだ。

主役の腊汁肉は、豚肉を大鍋で長時間煮込んだもの。煮汁の表面を厚い脂の層が覆い、熱と香りを閉じ込める。白吉饃は発酵させた生地をよくこねて硬さを整え、平たく焼き上げたパンで、昔は炭火で焼いていたが、今はガス火が主流だという。

当サイトで紹介した台湾の刈包(グアバオ)は、この肉夾饃が南へ伝わって変化したものではないかという説もある。蒸したパンに角煮を挟む刈包に対し、焼いたパンに刻んだ煮込み肉を挟むのが肉夾饃。似ているようで、食感はまったく違う。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(4個分)

腊汁肉

  • 豚バラ肉(皮付きのブロック)600g
  • 水1500ml
  • 醤油45ml
  • 老抽15ml
  • 氷砂糖30g
  • 塩6g(小さじ1程度)
  • 八角2個
  • 桂皮5g
  • 草果軽く割る1個
  • 花椒2g
  • 白胡椒(ホール)2g
  • 生姜(薄切り)20g
  • 長ねぎ(青い部分も含めてぶつ切り)1本(40g)

白吉饃

  • 中力粉300g
  • ぬるま湯(35℃)170ml
  • ドライイースト3g
  • 砂糖20g
  • 食用碱(粉末かんすい)1g
  • 水(食用碱を溶かす用)5ml

仕上げ

  • 青唐辛子(みじん切り)20g
  • パクチー(刻む)10g

作り方

  1. 腊汁肉を作る。豚バラ肉は5cm幅に切り、たっぷりの水から5分ゆでてアクを出し、流水で洗う。

  2. 八角・桂皮・草果・花椒・白胡椒をお茶パックに入れる。鍋に豚肉・水1500ml・醤油45ml・老抽15ml・氷砂糖30g・塩6g・香辛料の袋・生姜・長ねぎを入れ、強火で沸騰させる。

  3. アクを取り、弱火で2時間煮る。箸がすっと通るほど柔らかくなったら火を止め、そのまま煮汁に浸して30分以上置く(圧力鍋なら加圧30分)。

  4. 白吉饃を作る。ぬるま湯170mlにドライイースト3gを溶かし、5分置く。ボウルに中力粉300gと砂糖20gを入れ、イースト液を少しずつ加えて混ぜ、ひとまとめにしてこねる。

  5. 食用碱1gを水5mlに溶かす。手に碱水をつけながら、生地がなめらかでコシが出るまで10分ほどこねる。ラップをして15分休ませる。

  6. 生地を4等分する。1個ずつ細長く薄く伸ばし、手前からくるくると巻いて棒状にする。両端を軽くねじって円すい形にし、再び細長く伸ばして巻き、渦巻きを上にして手で押しつぶす。麺棒で直径10cm・厚さ1.5cmの円形にのばす。

  7. フライパンを弱火で温め、油をひかずに生地を並べる。指で中央を軽く押しながら生地を回し、全体を均一に押さえる。蓋をして弱火のまま片面6〜7分、裏返して6〜7分、両面がきつね色になり、押しても形が戻るまで焼く。

  8. 仕上げる。煮た豚肉を1個分100gずつ取り出し、まな板の上で青唐辛子・パクチーと一緒に包丁で粗く刻む。刻みながら腊汁(煮汁)を大さじ1(15ml)ずつかけて混ぜる。

  9. 焼きたての白吉饃の側面から、端を1cmほど残して横に切り込みを入れる。刻んだ肉を詰め、上から腊汁を小さじ2(10ml)かけて完成。

本場と日本の違い

  • 刈包や日本の角煮まんとの違いは、パンと肉の扱い方。肉夾饃のパンは蒸さずに焼く白吉饃で、外はカリッと、中はほんのり層になっている。肉は塊のまま挟まず、腊汁と一緒に刻んで詰めるため、肉汁がパンにしみ込む。
  • 本場では、煮込んだ肉を注文ごとにまな板の上で刻み、青唐辛子やパクチーを一緒に刻み込んでから饃に詰める。刻むことで脂身と赤身が混ざり合い、腊汁がパンの内側までしみ込む。
  • 白吉饃にアルカリ(食用碱)を加えるのは、発酵生地の酸味を抑え、こんがりとした焼き色と歯切れのよさを出すため。日本のパンにはない、少し素朴な香ばしさが生まれる。

参考ページ(写真)

美食天下の「肉夹馍(自创腊汁肉…)」レシピページに、生地の成形から焼き上げ、肉を挟んだ仕上がりまでの写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-175289.html)

代用可能な食材

  • 中力粉:薄力粉と強力粉を半量ずつ混ぜたもので代用できる。
  • 食用碱:重曹0.5gで代用可(入れすぎると苦みが出るので量を守る)。省いても作れるが、焼き色がやや薄くなる。
  • 老抽:なければ醤油を15ml増やし、氷砂糖を5g増やして色とコクを補う。
  • 豚バラ肉(皮付き):皮なしの豚バラ肉や豚肩ロースでも作れる。肩ロースの場合は赤身中心のあっさりした味になる。
  • 青唐辛子:ピーマン20gで代用すると辛みのない仕上がりになる。

保存・アレンジのコツ

  • 腊汁肉は煮汁ごと冷蔵で4日、冷凍で1か月保存できる。煮汁は脂ごと保存し、次に肉を煮るときに継ぎ足して使うと、どんどん味が深くなる。
  • 白吉饃は焼いて冷ましたものを冷凍し、食べる前にトースターで温め直すと、表面のカリッとした食感が戻る。
  • 腊汁肉は刻んでご飯にのせ、腊汁をかければ丼にもなる。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。