福建料理・闽菜莆田卤面

莆田滷麺レシピ本場福建・莆田の配合を徹底解説

湯気の立つ碗に太麺とあさり、牡蠣、豚バラ肉、白菜が入った莆田滷麺のイラスト
地域
闽菜(福建・莆田)
分量
3人分
公開

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「滷麺」と聞いて、本サイトで以前紹介した河南の蒸滷麺を思い浮かべた方もいるかもしれない。だが福建省莆田の滷麺は、名前が同じだけのまったくの別物だ。河南のものが麺を二度蒸して煮汁を吸わせる汁なし麺なのに対し、莆田の滷麺は、あさり・牡蠣・干しえび・干し貝柱といった海の幸をたっぷり使ったスープで麺を直接煮込み、麺から溶け出すでん粉でとろりと仕上げる汁あり麺である。

中文版ウィキペディアによれば、福建の滷麺は漳州・泉州・興化(莆田の旧称)・福州一帯に広がり、もともとは閩南で神様の誕生日に供える麺料理だったという。起源については、唐代に北方から移り住んだ人々の麺と漁民の海産物が結びついたとする説、戦乱を避けて南下した中原の人々が伝えたとする説などがあり、諸説ある。今では莆仙(莆田・仙遊)の人々にとって、大切な客をもてなす席や年越し、結婚の祝宴に欠かせない一品とされている。

地元の料理記事が口をそろえて強調するのは「できたらすぐ食べる」こと。麺がスープを吸ってのびてしまうため、鍋から下ろして3〜5分以内に食べるのが鉄則だという。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(3人分)

  • 中華生麺(かん水入りの太麺)450g
  • 豚バラ肉(薄切り)150g
  • 醤油(下味用)5ml
  • 料酒(下味用)5ml
  • 地瓜粉(さつまいもでん粉、下味用)5g
  • あさり(殻付き、砂抜きしたもの)300g
  • 生牡蠣(むき身)120g
  • 干しえび(蝦米)15g
  • 干し貝柱15g
  • 干ししいたけ4枚(12g)
  • 白菜200g
  • にんじん50g
  • 紅葱頭(エシャロット、薄切り)20g
  • 生姜(薄切り)5g
  • 葉にんにく(斜め切り)30g
  • セロリ(小口切り)30g
  • ピーナッツ油20ml
  • 料酒15ml
  • 醤油15ml
  • 水うち200mlは乾物の戻し用1,200ml
  • 塩6g(小さじ1程度)
  • 白こしょう1g

作り方

  1. 干ししいたけ・干し貝柱・干しえびを水200mlに20分浸けて戻す。しいたけは薄切りに、貝柱は手でほぐす。戻し汁は捨てずにとっておく。

  2. 豚バラ肉は3cm幅に切り、醤油5ml・料酒5ml・地瓜粉5gをもみ込む。白菜は軸と葉に分けてざく切り、にんじんは細切りにする。

  3. 鍋にピーナッツ油20mlを中火で熱し、紅葱頭を薄く色づくまで2分炒める。生姜・しいたけ・干しえび・貝柱を加えて1分炒め、香りが立ったら豚肉を入れて色が変わるまで炒め、料酒15mlを回し入れる。

  4. にんじんと白菜の軸を加えて1分炒め、戻し汁と残りの水(合わせて1,200ml)を注ぐ。強火で沸騰させたら中火にして5分煮て、スープに乾物のうま味を移す。醤油15ml・塩6gで味をととのえる。

  5. 麺をほぐしながら加え、底からときどき混ぜて中火で3〜4分(袋の表示時間より1分短め)煮る。麺から溶け出したでん粉でスープにとろみがつく。

  6. あさりと白菜の葉を加え、あさりの口が開いたら牡蠣を入れて1分煮る。

  7. 葉にんにく・セロリ・白こしょうを加えてひと混ぜし、すぐに器に盛る。3〜5分以内に食べきる。

本場と日本の違い

  • 河南蒸滷麺との違い:同じ「滷麺」でも、既存記事の河南蒸滷麺は豚肉といんげんの煮汁を麺に吸わせて蒸し上げる、汁気のない内陸の家庭麺。莆田滷麺は海産物のスープで麺を煮込むとろみのある汁麺で、調理法も主役の食材もまったく違う。
  • 麺を別ゆでしない:日本のラーメンのように麺をゆでてスープに入れるのではなく、スープの中で麺を煮るのが莆田式。麺のでん粉がスープにとろみをつけ、麺にはスープの味が染みる。福建の地元の料理記事でも「面筋(麺のコシ)・高湯(スープ)・配料(具)・火加減」が味の決め手とされる。
  • 具の豪華さ:地元では豚骨を白く煮出したスープに、赤身肉・しいたけ・干しえび・干し貝柱・牡蠣・マテ貝などを入れ、正式なものには福建特産の高級きのこ「紅菇」も加える。祝いの席の料理らしく、具を惜しまないのが本場流だ。

参考ページ(写真)

美食天下の「【閩菜】莆田海鮮卤面」レシピページに、具の下ごしらえから麺を煮込むまでの手順写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-29005.html)

代用可能な食材

  • 中華生麺:長崎ちゃんぽん用の太麺がいちばん近い。なければ太めの中華生麺やゆでうどんでも可(うどんの場合は煮る時間を2分に短縮)
  • 紅葱頭:玉ねぎ30gで代用可
  • 葉にんにく:青ネギの青い部分またはニラで代用可
  • 生牡蠣:加熱用の冷凍むき牡蠣で代用可。マテ貝やむきえびを加えても本場らしくなる
  • 干し貝柱:割れ貝柱(徳用品)で十分。入手できなければ干しえびを25gに増やす
  • 紅菇:日本では入手が難しいため、このレシピでは使っていない。中華食材店で見つけたら2〜3個を戻して手順5で加えると、スープがほんのり赤く色づき、香りが増す

保存・アレンジのコツ

  • 麺がスープを吸い続けるため、作り置きには向かない。まとめて作る場合は手順4のスープまでを冷蔵(2日程度)しておき、食べる直前に麺と貝類を煮る
  • 麺の代わりにビーフンを使えば、同じスープで「滷米粉」風の一杯になる(水で戻したビーフンを手順5で麺の代わりに入れ、2分煮る)。溶き卵を最後に回し入れてかき玉風にするアレンジもある

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。