雲南料理・滇菜小锅米线

小鍋米線レシピ本場雲南・昆明の配合を徹底解説

取っ手付きの小鍋に米線、ひき肉、ニラ、漬物、青菜をのせた小鍋米線のイラスト
地域
滇菜(雲南・昆明)
分量
1人分・小鍋1杯
公開

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雲南の米線といえば、日本では熱々のスープに生の具を沈める「過橋米線」が有名だ。ところが昆明の人々が毎日のように食べているのは、もっと素朴な「小鍋米線」のほうだという。取っ手のついた小さな銅鍋で、一杯ずつ強火で煮上げる庶民の米線である。

新浪ブログの雲南名小吃の紹介によれば、小鍋米線を昆明に持ち込んだのは翟永安という人物。1920年代の初め、玉溪の「小鍋煮品」の作り方を昆明に伝えて改良を重ね、1938年には端仕街で店を開いたとされる。作家・汪曾祺も随筆『昆明的吃食』で「昆明の米線店はどこも取っ手付きの小さな銅鍋を使う」と書いており、澎湃新聞の雲南紹介記事はこの一節を引いて、銅鍋こそが小鍋米線の象徴だと紹介している。

作り方は単純で、骨でとったスープを銅鍋で沸かし、醤油、豚ひき肉、酸腌菜(雲南の酸っぱい漬物)、ニラ、えんどうの若芽などを次々に入れ、最後に米線を入れて煮る。仕上げに油辣椒をかければ完成だ。当サイトで以前紹介した過橋米線が、脂の膜で熱を閉じ込めたスープに卓上で具を沈める「ハレの米線」だとすれば、小鍋米線は醤油味のスープで具と麺を一緒に煮込む「ケの米線」。酸味・うま味・甘み・辛みがほどよく重なる、昆明の日常の味である。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(1人分・小鍋1杯)

  • 乾燥米線(直径2mm前後の丸い米麺)150g
  • 豚骨スープ(無塩)300ml
  • 豚ひき肉50g
  • 酸腌菜雲南の酸っぱい漬物。細かく刻む20g
  • 緑豆もやし30g
  • ニラ(4cm長さ)30g
  • 豌豆尖(えんどうの若芽)30g
  • 醤油15ml
  • 甜醤油(雲南の甘い醤油)10ml
  • 塩2.5g(小さじ1/2程度)
  • 油辣椒(雲南式の唐辛子油)10ml

作り方

  1. 乾燥米線はたっぷりの水に30分浸けて戻す。鍋に湯を沸かし、弱めの中火で10〜15分、芯がなくなるまでゆでる。冷水にとって洗い、ざるにあげる。

  2. 小鍋(直径16cm前後。あれば銅鍋)に豚骨スープ300mlを入れ、強火で沸騰させる。

  3. 豚ひき肉50gを加え、箸でほぐしながら1分煮る。醤油15ml・甜醤油10ml・塩2.5gを加える。

  4. 酸腌菜20g・もやし30gと、1の米線を加え、再び沸騰したら強火のまま1〜2分煮る。

  5. ニラ30g・豌豆尖30gを加え、色が鮮やかに変わったらすぐに火を止める(30秒ほど)。

  6. 鍋ごと、または器に移し、油辣椒10mlを回しかけて熱いうちに食べる。

本場と日本の違い

  • 過橋米線との違い:過橋米線は鶏と豚骨を長時間煮込んだ澄んだスープに油の膜を張り、生の肉や卵を卓上で沈めて火を通す。小鍋米線は具も麺もスープごと小鍋で一気に煮上げ、醤油と甜醤油で味をつける。スープの色が茶色く、酸腌菜の酸味と油辣椒の辛みが効いているのが特徴だ。
  • 一鍋一杯:小鍋米線は注文を受けてから一杯分ずつ小鍋で煮るのが基本。昆明の店では、客が具の量を好みで増減できる。家庭で2人分作るときも、一杯ずつ煮るほうが麺がのびず、本場の食感に近くなる。
  • 日本では「雲南の米線=過橋米線」のイメージが強く、醤油味の小鍋米線を出す店はまだ限られる。甜醤油のほのかな甘みと、酸っぱい漬物の組み合わせが、本場らしさの決め手になる。

参考ページ(写真)

澎湃新聞の「乐享云南 | 美食·昆明小锅米线」の記事に、銅の小鍋で煮上げる様子や仕上がりの写真が掲載されています。

(https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_19444124)

代用可能な食材

  • 乾燥米線:太めの丸いビーフン150g、または生の米麺350gで代用可(生麺は下ゆで不要、手順4で直接加える)。
  • 酸腌菜:高菜漬けやザーサイを刻んだもの20gで代用できる。高菜漬けのほうが酸味の方向が近い。
  • 甜醤油:醤油10mlに砂糖5gを溶かしたもので代用可。インドネシアのケチャップマニスでもよい。
  • 豌豆尖:豆苗30gで代用する。
  • 油辣椒:ラー油10mlに粉唐辛子1gを混ぜたもので代用可。
  • 豚骨スープ:市販の豚骨スープを使う場合は塩分を含むものが多いので、塩を省く。

保存・アレンジのコツ

  • 米線は戻してゆでた状態で冷蔵1日保存できる。まとめてゆでておけば、朝食にも5分で作れる。
  • 昆明には、同じ具で汁気を飛ばす「小鍋炒米線」もある。手順4でスープを100mlに減らし、強火で汁気がなくなるまで炒め煮にすると、焼きビーフン風の一皿になる。
  • 家庭向けのレシピでは、角切りのトマト30〜50gをひき肉と一緒に炒めてからスープを注ぐ作り方も多い。トマトの酸味が酸腌菜と重なり、よりさっぱりした味になる。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。