フィリピン中華(チノイ料理)Siopao

シオパオ(フィリピン式肉まん)レシピフィリピン中華の配合を徹底解説

蒸籠に白い肉まんを並べ、割った一つから角切りの甘辛い豚肉がのぞくシオパオのイラスト
地域
フィリピン中華(チノイ料理)
分量
10個分
公開

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フィリピンで、いつでも手軽に食べられる軽食として親しまれている大きな白い肉まん。それが「シオパオ(siopao)」です。

英語版ウィキペディアによれば、名前はフィリピンの福建語「燒包(sio-pau)」、つまり「熱い包子」から来ています。スペイン統治時代に福建系の移民が持ち込んだ包子が、フィリピンで独自に変化したものだとされます。一方、フィリピンのレシピサイトPanlasang Pinoyは、甘辛い豚肉入りの「シオパオ・アサード」を、広東の叉焼包(チャーシューまん)をフィリピン風にした、本家より甘めの味だと説明しています。名前は福建語、中身は広東風という、フィリピン中華らしい一品です。

同じ記事が初期の代表的な作り手として挙げるのが、広東出身のマ・モン・ルック(Ma Mon Luk)です。1918年(店の公式サイトでは1920年)にマニラへ渡り、ビノンドの路上で鶏スープの麺「マミ」を売り歩きました。のちに店を構え、シオパオやシューマイも出して評判を呼び、1950年代には全国に名を知られる店になりました。

中身は大きく2種類。甘辛く煮た豚肉の「アサード」と、豚ひき肉の団子に塩漬け卵や中華ソーセージを入れた「ボラボラ」です。どちらも甘いたれ(シオパオソース)をつけて食べます。

ここから先は、フィリピンの複数のレシピを比較して割り出した、シオパオ・アサードの配合と手順を解説します。

フィリピン式の配合

材料(10個分)

生地

  • 中力粉または薄力粉250g+強力粉250g500g
  • ベーキングパウダー小さじ2(8g)
  • 砂糖(生地用)100g
  • サラダ油大さじ2(30ml)
  • ライム汁またはレモン汁2ml
  • 牛乳(40〜45℃に温める)260ml
  • インスタントドライイースト小さじ2(6g)
  • 砂糖(予備発酵用)大さじ2(18g)

アサード(具)

  • 豚肩ロース(かたまり。4cm角に切る)450g
  • サラダ油大さじ1(15ml)
  • 玉ねぎ(みじん切り)1/2個(80g)
  • にんにく(みじん切り)2片(6g)
  • 水480ml
  • 醤油80ml
  • オイスターソース大さじ2(36g)
  • 砂糖大さじ3(27g)
  • 八角2個
  • 水溶き片栗粉片栗粉大さじ1(9g)
    +水60ml

シオパオソース

  • アサードの煮汁240ml
  • 水溶き片栗粉上記の残り半量

蒸し用

  • 水(蒸し器用)1,500ml
  • 酢大さじ2(30ml)
  • クッキングシート(10cm角)10枚

作り方

  1. アサードを煮る:鍋にサラダ油大さじ1を中火で熱し、玉ねぎ・にんにくを2分炒める。豚肉を加え、5分かけて全面に焼き色をつける。

  2. 水480ml・醤油80ml・オイスターソース・砂糖・八角を加えて強火で煮立て、ふたをして弱火で60分、フォークがすっと通るまで煮る。

  3. 豚肉を取り出し、フォーク2本で細かくほぐす。煮汁から240mlを取り分けてソース用にし、八角は取り除く。

  4. ほぐした豚肉を鍋に戻して中火で煮立て、よく混ぜた水溶き片栗粉の半量を加えて1〜2分、汁気がなくなりまとまるまで煮る。バットに広げて冷まし、冷蔵庫で30分冷やす(冷たいほうが包みやすい)。

  5. ソースを作る:小鍋に取り分けた煮汁240mlを入れて中火にかけ、残りの水溶き片栗粉を混ぜながら加えて2〜3分、とろみがつくまで煮る。

  6. 生地を作る:牛乳260mlにドライイーストと砂糖18gを混ぜ、5〜10分置いて表面が泡立つまで予備発酵させる。

  7. 大きなボウルに中力粉・ベーキングパウダー・砂糖100gを混ぜ、サラダ油とライム汁、6を加えてひとまとめにする。台に出して10〜12分、表面がなめらかでべたつかなくなるまでこねる。

  8. ボウルに戻してラップをかけ、室温(25〜30℃)で2時間〜2時間30分、2倍にふくらむまで一次発酵させる。

  9. 生地を10等分(1個約90g)にして丸め、ふきんをかけて30分休ませる。

  10. 包む:生地を直径12cmの円形にのばす(縁を薄く、中央を厚めにする)。中央にアサードを40gずつのせ、縁をひだを寄せながら包み、口をしっかりつまんで閉じる。クッキングシートにのせて10分休ませる。

  11. 蒸す:蒸し器に水1,500mlと酢大さじ2を入れて沸騰させる。シオパオを2.5cm以上間隔をあけて並べ、水滴が落ちないようふきんで包んだふたをして、弱めの中火で15〜18分蒸す。

  12. 火を止めたら、ふたをしたまま3〜5分置いてから取り出す(急に冷気に当てるとしぼみやすい)。温めたシオパオソースを添えて完成。

中国本土の原型との違い・フィリピンならではの特徴

  • 生地も具も甘い:中国の包子や日本の肉まんに比べ、生地に砂糖をたっぷり入れ、具のアサードも砂糖と醤油で甘辛く煮る。仕上げにさらに甘いソースをかけるのがフィリピン流。
  • 具は「煮てほぐした豚肉」:日本の肉まんは生の豚ひき肉と野菜のあんを包んで蒸すのが一般的。シオパオ・アサードは豚肉のかたまりを八角入りのたれで煮込み、ほぐしてとろみでまとめた具を使う。この点は広東の叉焼包に近い。
  • ボラボラには塩漬け卵と中華ソーセージ:もう一つの定番ボラボラは、えび入りの豚ひき肉団子に、塩漬け卵(鹹蛋)と中華ソーセージ(腊腸)を一緒に包む。ひとつで何種類もの味が楽しめる、お祝い向きの具だくさん仕様。
  • 大ぶりで軽食になる:今回の配合でも1個130gほどになる大きめのサイズで、ひとつで軽い食事になる。Panlasang Pinoyは、熱いマミ(スープ麺)と合わせる食べ方をすすめている。

参考ページ(写真)

Kawaling Pinoy(フィリピンのレシピサイト)のシオパオ・アサードのレシピページに、包み方と蒸し上がりの写真が掲載されています。

(https://www.kawalingpinoy.com/siopao-asado/)

代用可能な食材

  • 中力粉:薄力粉と強力粉を半量ずつ混ぜれば近い食感になる。市販の「肉まん用ミックス粉」500gを使う場合は、袋の表示どおりの水分量で作る
  • ライム汁:レモン汁または米酢2mlで代用可
  • 豚肩ロース:豚バラかたまり肉でもよい(脂が多くなるので、煮汁の表面の脂を取ってからソースにする)
  • 八角:なければ五香粉0.5g(小さじ1/4)で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 蒸したシオパオは、冷めてから1個ずつラップで包み、冷蔵で3日、冷凍で2か月保存できる。冷凍したものは冷蔵庫で解凍し、蒸し器で3〜5分蒸し直す
  • ボラボラにするなら(10個分):豚ひき肉450g・刻んだむきえび40g・刻んだ青ねぎ10g・オイスターソース大さじ1(18g)・ごま油小さじ1(4ml)・塩4g・黒こしょう0.5gを混ぜ、片栗粉大さじ1(9g)+水30mlを加えて粘りが出るまで練る。生地1枚に大さじ2杯分(約45g)をのせ、4等分した塩漬け卵(鹹蛋、10個分で2と1/2個)を1切れ、2.5cm長さに切った中華ソーセージ(腊腸、2本分)を1切れずつ添えて包み、同じように蒸す
  • アサードの具は多めに煮て冷凍しておけば(1か月)、ご飯にのせて丼にもできる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。