フィリピン中華(チノイ料理)Lumpia Shanghai

ルンピア・シャンハイ(フィリピン式揚げ春巻き)レシピフィリピン中華の配合を徹底解説

細く巻いて斜めに切った揚げ春巻きから肉の具がのぞき、スイートチリソースを添えたルンピア・シャンハイのイラスト
地域
フィリピン中華(チノイ料理)
分量
40本分・4〜5人分
公開

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フィリピンのパーティーやクリスマスなど、お祝いの食卓に必ずといっていいほど並ぶのが、指ほどの細さの揚げ春巻き「ルンピア・シャンハイ」です。豚ひき肉とにんじん、玉ねぎを混ぜた具を薄い皮で細長く巻いて揚げ、甘酸っぱいたれにつけて食べます。

「ルンピア」の語源は福建語の「潤餅(lūn-piáⁿ)」。英語版ウィキペディアによれば、「潤」は湿った・柔らかい、「餅」は薄焼きの生地を意味し、福建からの初期の移民がフィリピンに持ち込んだとされます。福建や台湾の潤餅は、薄い皮で野菜などを包む揚げない春巻き。フィリピンでも、揚げない「ルンピア・サリワ(生のルンピア)」はこの潤餅の流れをくむ料理です。

一方で「シャンハイ(上海)」の名は謎が多く、ウィキペディアは上海や中国で生まれた料理ではないと明記しています。フィリピン紙インクワイアラーの米国版も、中国の店で頼んでも通じない「中国料理ではない中華」の代表に挙げ、福建由来という言い伝えと、スペイン統治初期の移民が考案したという言い伝えの両方を紹介しています。上海という有名な都市の名を借りたとする見方もありますが、決定的な説はありません。

以前紹介した本場中国の春巻き(春捲)も指ほどの細さでしたが、あちらは野菜が主体の立春の行事食。ルンピア・シャンハイは豚ひき肉が主役の、お祝いのフィンガーフードです。

ここから先は、フィリピンの複数のレシピを比較して割り出した、フィリピン式の配合と手順を解説します。

フィリピン式の配合

材料(40本分・4〜5人分)

具

  • 豚ひき肉400g
  • にんじん(みじん切り)60g
  • 玉ねぎ(みじん切り)1/2個(100g)
  • くわい(水煮。みじん切り)60g
  • 青ねぎ(小口切り)20g
  • にんにく(みじん切り)2片(6g)
  • 卵1個(50g)
  • 醤油小さじ2(10ml)
  • ごま油小さじ1/2(2ml)
  • 塩3g(小さじ1/2)
  • 黒こしょう0.5g(小さじ1/4)

皮・揚げ油

  • 春巻きの皮(21cm角)10枚
  • 水(皮の閉じ目用)大さじ1(15ml)
  • 揚げ油600ml

たれ

  • スイートチリソース大さじ4(60g)

作り方

  1. ボウルに具の材料をすべて入れ、手で2分ほど、全体が均一になって少し粘りが出るまでよく混ぜる。

  2. 春巻きの皮を1枚ずつ半分に切り、21cm×10.5cmの長方形を20枚作る。乾かないよう、使わない皮はぬれぶきんをかけておく。

  3. 皮の長い辺を手前に置き、手前の端に具を約35g、直径1.5cmほどの細い棒状にのせる。手前からきつく巻き、巻き終わりに水を指で塗って留める。

  4. 巻いたものを包丁で半分に切り、長さ約10cmのものを40本作る(切り口から具が見えていてよい)。

  5. 揚げ油を170〜175℃に熱し、4を一度に10本ずつ入れて、ときどき転がしながら3〜4分、全体がきつね色でカリッとするまで揚げる。

  6. 網に取り出して油を切り、スイートチリソースを添えて熱いうちに食べる。

中国本土の原型との違い・フィリピンならではの特徴

  • 肉が主役の具:以前紹介した本場中国の春巻き(春捲)は、キャベツ・にんじん・ニラなど野菜が主体の具だった。ルンピア・シャンハイは豚ひき肉が主役で、にんじんや玉ねぎは刻んで混ぜる程度。生の具を細く巻いて揚げながら火を通すので、肉汁が閉じ込められる。また、春捲が立春の行事食に由来するのに対し、ルンピア・シャンハイは季節を問わないパーティー料理として定着している。
  • 細くて小さい「フィンガーフード」:日本の中華料理店の太い春巻きとは対照的に、直径2cm弱の細さに巻き、指でつまめる長さに切って出されることも多い。大皿に山盛りにして、パーティーで手でつまんで食べる。
  • たれは甘酸っぱい系:酢じょうゆやからしではなく、甘酸っぱいアグリドゥルセ(agre dulce)や、スイートチリソース、バナナケチャップ、カラマンシーを搾った酢などにつけて食べる。
  • 福建の潤餅との関係:ルンピアという名前は福建の潤餅から来ているが、潤餅は揚げずに食べる生春巻き。揚げたルンピア・シャンハイは、名前だけでなく作り方もフィリピンで独自に発展した料理といえる。
  • くわいのシャキッとした食感:フィリピンのレシピには、くわい(ウォーターチェスナット)を刻んで加えるものがあり、細く巻いた具にシャキシャキした歯ざわりが加わる。

参考ページ(写真)

Panlasang Pinoy(フィリピンのレシピサイト)のルンピア・シャンハイのレシピページに、巻き方と揚げ上がりの写真が掲載されています。

(https://panlasangpinoy.com/how-to-cook-lumpiang-shanghai-lumpia-knr-pc/)

代用可能な食材

  • 春巻きの皮:フィリピンのルンピア用の皮は日本の春巻きの皮より薄い。輸入食材店で「lumpia wrapper」が手に入ればそれを使うとよりパリッと軽く仕上がる(冷凍品は冷蔵庫で解凍してから1枚ずつはがす)
  • くわい:れんこん60gのみじん切り、または省いてにんじんを90gに増やしてもよい
  • 豚ひき肉:鶏ひき肉でも作れる(フィリピンのレシピでも鶏ひき肉を使うものがある)
  • スイートチリソース:トマトケチャップ大さじ3+酢小さじ1で、甘酸っぱいたれに近づく

保存・アレンジのコツ

  • 揚げる前の状態で冷凍保存できる(1か月)。バットに並べて凍らせてから保存袋へ。凍ったまま160℃で5〜6分、じっくり揚げる
  • 揚げたものは冷蔵で翌日まで。オーブントースターで3〜4分温め直すと、パリッとした食感が戻る
  • フィリピンでは、ご飯のおかずにしたり、パンシット(麺料理)と一緒に大皿で出したりするのも定番。パンシット・カントンと合わせれば、フィリピンのパーティー料理の組み合わせになる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。